NTSB(アメリカ国家安全運輸委員会)は3月7日は、アメリカ本土ボストンローガン空港で発生したB-787のバッテリー発火事故(注・ボストンレーガン空港でのJAL機について)調査について中間発表を行いました。
パーシャルな部分の調査経過は報告されましたが、発火原因の特定には至っていないのが特徴です。運航再開への足掛かりとなるような公的情報も提示されるには至りませんでした。
~疑問点は未だ解明されていない・・・・と思います。~
◎今回の発表NTSBも含めて、1月16日、高松空港に緊急着陸を余儀なくされた787ANA機との「バッテリー事故」原因の共通性はどこにあるのか?などがクリアーでない。。
NTSB Chairman Jan 24 2013 会見より
In two weeks time, we saw two cases of battery failures on 787 and grounding of entire fleet by the FAA.
The significance of these events can not be understated.
This is why the NTSB has been working since January 7 to determine what happened and why.
Today I can tell you what we know so far.
We know lithium ion battery experienced a thermal runaway.
We know that there were short circuits.
And we know that there was a fire.
The work we continue to do will tell us why these things happen.
(中略)
We had a fire event in Boston Logan involving JAL, and JSTB identified smoke event involving ANA in Takamatsu.
JAL Boston の件については NTSB は fire (火災)と表現しています。
ANA の件については日本の運輸安全委員会が「発煙」としている、と表現してます。NTSB としては殆ど同じ事態だと思っているのですが、ANA機の分については運輸安全委員会の表現をそのまま使っているということです。
◎充電器なのか、セルなのか、も不明なのに、「強化セルでバッテリー周りを固める」という意見も理解に苦しむ。
◎「バッテリー火災問題」が正面に調査報告・論議されているが、「燃料漏れ」については、一度もその原因を追究されていないのは、なぜか?操縦室に燃料漏れの実態が届かなかったことなどはゆゆしき事態なのにどうしたことだろう?
以下は、NTSB中間報告についての報道です。
2013.3.6 ロイター
[7日 ロイター] 米運輸安全委員会(NTSB)は7日、ボストン・ローガン国際空港で1月に起きたボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)787型機のバッテリー発火事故をめぐる調査の中間報告を発表した。ただ、発火原因の特定には至らず、運航再開への足掛かりとなる情報も提示されなかった。
NTSBは、787型機のバッテリーシステムの設計および認証をめぐる公聴会とリチウムイオン電池技術全般に関するフォーラ ムを4月に開く方針を示した。
デボラ・ハースマン委員長は声明で「フォーラムや公聴会を通じて明らかになる情報は、リチウムイオン電池が持つリスクと利点への理解をNTSBおよび運輸セクター全体が深め、メーカーや規制当局が新技術の安全性をどう評価すべきかを明らかにする一 助になる」と指摘した。
NTSBは、ボストン・ローガン国際空港で駐機していた787型機で発火したバッテリーの検証だけでなく、電池システムの認 証および検査も含め、包括的な調査を実施している。数百ページに及ぶ調査関連文書の一部として公表された「中間事実報告書」では、バッテリーに対し実施された検査の詳しい情報 が提示されている。
一方で、発火の根本原因の特定には程遠いことも明らかになった。
NTSBはまた、システムの安全性と認証に焦点を当てているグループが、ボーイングとジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)(6674.T: 株価, ニュース, レポート)、仏タレス(TCFP.PA: 株価, 企業情報, レポート)による検査・分析記録を検証していることを明らかにし、調査をめぐり依然として多くの作業が必要であることを示唆した。
一部の専門家は、バッテリー発火事故で死者が出ていないことを踏まえ、公聴会が開催されることに驚きを示した。
米連邦航空局(FAA)諮問委員会の共同委員長を務めるマサチューセッツ工科大学(MIT)のジョン・ハンスマン教授(宇宙航空学)は「重大事故ではなかったのに公聴会が開かれるのはまれだ」とし、そうした公聴会はプロセスの遅れとより保守的な行動につながることが多いと指摘した。
一方、ボーイングはNTSBの報告について、調査完了に向けた「ポジティブな一歩」と評価。広報担当マーク・バーテル氏は、
何が起きたかを理解するためボーイングはNTSBと緊密に協力してきたと述べた。FAAからのコメントは得られていない。
FAAは過去8年以上にわたって、ボーイングや他の航空機メーカーに対する監督の大部分をアウトソースしてきた。このシステムでは、FAAが指定した当該メーカーの従業員がFAAに代わって認証作業を担当する。
NTSBの元調査員、グレッグ・フェイス氏は調査報告について、FAAとボーイングの認証担当者が、バッテリーの故障率が十分低いことを示すのに使用された試験データを批判的に分析する専門知識を持っていたかどうかに関してNTSBが調査していることが示されていると指摘した。
報告ではバッテリーの発火原因は特定されなかったが、バッテリーシステムに関する新たな詳細が明らかになった。
報告によると、バッテリーが発火した際に機内から煙を放出するように設計されていたシステムが機能しなかった原因は発火後のパワー不足だった。
補助動力装置(APU)も遮断されたため、バッテリーはAPUの起動に使用された。報告はこの結果、APUバッテリーによって発生した煙を客室の外に効果的に放出することができなかったとしている。
報告書では、発火が報告される直前にバッテリーの機能に異常が生じていたことも示された。フライト・レコーダーのデータから、バッテリーの電圧・電流が急激に変動していたことが分かったという。ただ、設計上の32ボルトを超えた形跡はないとした。
着陸の約21分後に、3秒間で3度にわたり電圧がゼロに下がった後28ボルトに上昇する現象が見られたとし、およそ3分後に地上整備員が操縦室に入り、客室内の煙を報告したとしている。
~日本の原発構造とも似ている「規制官庁FAA」と「業者ボーイング」の関係!アメリカでも・・問題視~
原発事故問題では、政府の原子力機構と東京電力などの業者との間合いが近すぎることが、クローズアップされて、政府事故調査委員会・国会事故調査委員会などの経緯を経て現在の「原子力規制委員会」へと発展してきました。
安全に対してより「公正に!」という方向性です。
アメリカ「NTSB」は政府とは離れた事故調査委員会ですが、FAA(連邦航空局)は政府の運輸機関です。そういう点では、日本の事故調(運輸安全委員会JNTSB)の位置関係と似ています。
今回の事故の衝撃性は、アメリカのお膝元「ボストン」で発生し、全世界にアメリカ製の最新航空機の安全性を問われることになったことにあるといえます。
この点を、アメリカ議会や世論でも批判されています。
ボーイング787型機のトラブルに関する航空安全会議の見解
※航空安全推進連絡会議(略称「航空安全会議」、英文名「Japan Federation of Civil Aviation Workers’ Unions for Air Safety」)はパイロット・管制官・気象予報官・客室乗務員・整備士・グランドハンドリングなど民間航空のあらゆる職場に働いている労働者61組合約2万人が集まって航空関係の職場に働く者の相互理解と連携を強めると共に、航空の安全を最大の課題にし、事故の撲滅を図ることを目的とする航空界最大の団体。(安全会議HPより)
・