エッセイ&コラム

no75  山本東次郎さん!「人間国宝」認定おめでとうございます。

7月20日、歌舞伎の玉三郎さんをはじめ4名の方々が「人間国宝」の認定を受ける、というニュースに接しました。

大蔵流の山本東次郎さんがいらっしゃるのを見て、ひとり感動いたしました。

東次郎さんと初めてお会いしたのは、2005年9月3日、「日本の文化を軽井沢から世界へ」のコンセプトで開かれた「軽井沢 南ヶ丘 能」—南ヶ丘倶楽部「千ヶ滝舞台」でした。「能」や「狂言」への理解も浅い私が、大胆にも、公演終了後のパーティーの司会をお引き受けしたのは、

  • 「30年の流浪のフライト生活の体験」の後に、日本に定点居住することで、改めて日本固有の文化・自然の深さを認識したこと
  • 私が体験した限り、気候風土で言えば、「四季」がほぼ等分にあるのは、日本しかない
  • その日本では、四季に応じて「景観」「衣服」「食事」「住まい」のすべてに彩と移ろいがある
  • 私を含めて日本人は、日本のことを知らな過ぎる

という思いからでした。

それにしても、当時の私のレベルは、「能」は、難解ながら「狂言」は、多くの知識がなくても「面白い」と言う程度のものでした。

恐れを知らぬ浅薄な私は「能を観劇していると、自分が寝ているのか起きているのか、わからない状態になることがあるんです・・・。」と東次郎さんに能天気に申し上げたところ、なんと「それでいいんですよ。夢と現のはざまこそが能の世界なんですよ」と慰められました。

この一言で、肩の重荷が下りたように「能・狂言」への理解力が飛躍的に伸びました。成田空港内或いは周辺に「常設能舞台を」と提言したのもこの頃からです。

その後、「山本会」—国立能楽堂、メディアを通じての演目を拝見させて戴いております。

大袈裟に言えば、あの時のあのひとことは、私を「日本人」として甦らせる起爆剤にもなったように思えます。

「人間国宝」として認定されたことへのお祝いを申し上げると同時に、日本が国家として経済的にも「伝統芸能」を支える政策を緊急に強化すべきだということも痛感しており、強く指摘したいと思います。

※「軽井沢 南ヶ丘 能」は、㈱浄玻璃、㈱ブール・ジャパンによって開催されました。

 

 

73   映画「カンパニーメン」をお薦めです。

原題「THE COMPANY MEN」という映画のお話です。
3月早々にいわゆる「国内大手が関係している国内LCC」の先駆け「ピ―チ」の運航が開始。夏には「エアアジア」「ジェットスター」。もちろん、JALANA大手も迎え打つ態勢です。
1978年のアメリカの「規制緩和」以来、航空は、産業としてボロボロです。特に、巨大な国際線ネットワークを持つ「レジェンド エアライン」・・パンナム・TWA消失・・アメリカン・ユナイテッド・デルタの連邦破産法入り・・などの問題で、人員解雇・低賃金の嵐が吹きまくりです。
そのうえ、「リーマンショック」は、一つのショーウィンドウにすぎませんが、アメリカは、マネー至上主義(いわゆる拝金主義)で、国内の鉄鋼・造船・自動車をはじめとした製造業は空洞化。自動車はその典型でした。
もっとも「GM」にオバマ大統領が公的資金を注入したことで、北米のシェアーは、トヨタ日産ホンダを迫撃中。日本メーカーは、正面は、韓国ヒュンダイに追い上げられ、アメ車にもシェアー争いで、オセロをされている有様です。「アメリカが風邪をひけば日本は高熱で寝込まなければならない」が日本であちこちに表面化してきました。
さて、こうした問題を「造船業を中核とした大会社」という場で、「思いもせぬ解雇の憂き目に会って・・・」という物語ですが、秀作だと思います。
「BenAffleck」主演「Tommy Lee Jones」好演主演かな、重厚なChris Cooper が泣かせます。あのKevin Costnerがチョイと顔を出しているのも面白い。
映画の中でも触れていますが、中流と言われたクラスから一般庶民まで「リーマン・サブプライム」→「モーゲージ・住宅ローン」「車のローン」「クレジットカード」破綻と流れてゆくさまも描かれてゆきます。
アメリカに起きていることは、日本の現実でもあり、考えさせられるものでした。エンディングもGOODで余韻がありました。
 参考ですが・・アメリカの失業率[世] アメリカの失業率の推移(1980~2011年)

72 私の「三丁目の夕日」

「一億総ランナー化」して来たことに感じたこと・・・。

久しぶりにコラムしてみます。
本日、東京マラソンが催されます。心臓に問題を抱えている私には、「自身が走る」ことには全く手が届きませんが、「にぎにぎしくTV観戦をいたそう」と楽しみにしております。
個人的には「都内を車でうろつかないこと」と戒めているに過ぎませんが、「36000人」も出走登録されていて、更にWAITINGが多数と聞き及び、いささかびっくりしてしまいました。
いつからこういうことになってきたんだろうとぼんやり考えると・・・。
私がいた中学は、千代田区麹町で「赤坂プリンスホテル」の真ん前に位置してました。そのホテルもなくなり、その隣に立っていた「NHK」のテレビ塔が、番町にあった日本テレビ塔と時を同じくして「東京タワー」に移り、取り壊されてしまいましたが・・・。
そういう意味では、中学時代に段々高くなってゆく「東京タワー」を日々仰ぎ見ていましたから言ってみれば「三丁目の夕日」そのものだったようにも思います。
「エッフェル塔・英語でアイフェル」とも遜色ない美麗な姿を見せてきたその「東京タワー」が、時代の要請とはいえ、冷たく突き放されて、中東ドバイや上海のタワーのようになにかイスラムっぽい「スカイツリー」に「人気集中盛り上げ」が移っていることに、心の中では、少し抵抗を感じているものもこれあります。
さて、話を戻して、その頃、私はバスケット部におり、練習の前は、今の「ホテルニューオータニ」の前の道を通ってぐるりと紀尾井町を走るか、半蔵門から今の武道館の前を通って皇居半周が日課だったことを思い出しました。その頃、皇居まわりを走っているのは、せいぜい私たちから高校生、大学生までの学生くらいでしたので、現在の皇居回りのランナーが、歩行者にとって「脅威になる」などという事態が起きるとは想像もつきませんでした。
ロスアンジェルス近郊の「サンタモニカビーチ」周辺で、きれいに焼けた肌をした若者からリタイアしたと思われる老人達が余裕の雰囲気でRUNしている風景は、とても美しいものでした。日本に滞在中の外国人乗員が、ひと気のない成田空港周辺を黙々と走っている姿も、日本もここまで来たか、と認識したものでした。
マラソンと言えば、私が在籍していた時代の「ホノルルマラソン」もJALとして集客のツールとしては、なかなかのものがありました。とはいえ、開催時季12月~2月は、ひと昔前なら、ハワイは雨期の真っただ中で、よくご存じの上顧客PAXは、敬遠していたものです。
ジャンボ機で、運ばれるようになったその前は、PAX(パッセンジャー・乗客です)の数は、「ファースト2エコノミーゼロ」なんてことは、しょっちゅうで、「前ゼロ後ゼロ」つまりファーストもエコノミーもゼロ、なんてことも体験してました。これで、会社は大丈夫か、と本気で現場は皆心配してました。当時は、ほぼ国営ということもあり「定期便で運航している限り、PAXの如何で欠航することはできない」という問題がありましたので・・。少なくとも、現場ではそう聞かされておりました。
それが、いつからか、著名な歌手であれば「大晦日のNHK紅白の生出演」を終えて、という事情や、俳優タレントは、「生放送以外であれば」年末までに正月分をに撮り蓄めしておいて、年末年始だけ休めるという事情などから、オフシーズンの「ハワイ」人気が異常に高くなりました。
いずれにしても、エアラインやホテルからすると、雨期であって、気温も低く3~4日ぐらいは雨続きもあるシーズンであることは、「黙して語らず」、お客の方が飛ぶように座席や部屋を埋めてくれることですから、こんな素晴らしいことはありません。実際、数年前には、「かのマラソン」も嵐のような風雨の中で行われたこともありましたし、この時期に観光で行って「一日も晴れることがなかった」という体験をしたPAXもごまんとおりますが、「運が悪くてしょうがなかった」とみなさん、あきらめているようです。これも、ハワイツアーがかつてより、うんと安くなったことが影響していて、「天気のことは不満を言っても仕方がない。ハワイ気分を味わったからまあいいか。」というかすかな壁に支えられているように思います。
これは、マラソンとは関係ありませんが、まあ、私からすれば、「天気のことは、タブー。雨が多いということを声を大にして言わない。」ということは、有体に言えば「詐欺ようなもんだ」とず~っと思っており、航空運賃もホテル代もPAXツーリストに対して「各種割引」ではなく「正面からもっと安くして当然である」と主張したいと思います。
テレビの番組で、「那覇マラソン」の様子も見ました。沖縄観光ということでは、万歳!です。沖縄を愛する私としては、「エイサーの応援YMCA」なんて感動です。皆様も沖縄を訪れた時は、是非「琉球村」などにも立ち寄ることをお薦めします。
それにしても、これだけみんなが走るようになったことが、ちょっと薄気味悪いので、その原因をあれこれ考えると
まず「手軽に楽しめる・・つまりお金がかからない」「健康に良い・・・老齢化社会が進んでいる」「ウェアーやシューズが楽しめる・・・他のスポーツからすれば安価だが、メーカーのCMに圧倒されている」などが浮かびます。
まさに、「デフレ・円高・大不況、その上 3.11東北大震災・その上「民族の生存を左右する福島原発事故」という事態なのに、何の有効な手も打てない「ニッポンの政治」の陰で、「救いと憩い」「健康」と「達成感」を求める大群衆の姿なのではないか、と改めて感じ入った次第でありました。

71  おしゃれな会話もあらばこそ・・・・・。

「LCC」の問題が大きく取り上げられています。

「安いが一番!」と「拝マイレージ」が全盛の消費者動向のようにも見えます。

時代遅れの感傷なのかも知れませんが、最近、気になっていたことがあります。

どこのエアラインでも特にエコノミークラスの機内では、余裕と言うか旅情というか、そういう面での柔らかさがなくなってきているのではないか、ということです。

何がこうさせているのだろうか?とよく観察してみると「乗客」と「乗客」の会話や、「乗客」と「客室乗務員」の会話と触れ合いが極端に少なくなっています。

原因は、「客室乗務員の配置数が減っている」ことや「ユーモアのある会話ができるほどの経験や訓練が行き届いている者が少なくなっている」こともありますが、「乗客が外国人客室乗務員では、細かい話が通じないから話さない」と言う気配も感じます。

日本のエアラインに日本人が乗っている場合、いわゆる「コールボタン」は頻繁にひかれますが、英米仏系のエアラインに乗った場合は、殆ど猫のようにおとなしくしている光景と同じで、言葉の問題は、結構重みがあります。

かつてに比べれば、今時の機内のエンターテイメント装備は、とんでもなく発達して、乗るほうが「退屈」することもないようにできています。ナイトフライトで皆が寝静まっているときに窓のシェードをそっと開けて「星空」や「雲海」を眺めている光景もあまりイメージ出来ない昨今でしょう。

「安全に対して敏感な私」ですら、イヤホーンやヘッドフォーンをして個人画面を眺めている折に、映画を中断されたりするとコックピットや客室乗務員のアナウンスさえ「煩わしいなぁ」と思えてしまうこともあります。

そして、よく考えてみると、客室乗務員との会話と言えば「お食事ですが、どちらになさいます?」「お飲み物は?」の問いかけに、イヤフォーンの片耳をずらして「注文する」というだけと言う経験をしている方も多いのではないでしょうか。

「エンターテイメントの装備」、「一番収益性の高いビジネスクラスの座席」に思い切り投資をした分、エコノミークラスの座席は、50年このかたその快適性は殆ど変わらず、機内食はみすぼらしくなる一方です。狭い機内と狭い座席、「食べて」「観て」「寝る」ことでフライトタイムが過ぎ行くのを我慢するという具合だと思います。

この辺で、LCCを「黒船」扱いする合間に、「フルサービスエアライン」の在り方についても再度考える必要があるのではないかなと思います。

特に、最近「観光立国ニッポン」の目玉は、「おもてなし」にあり、サービスと言う概念のない中国・アジアでは、需要も大きく、その「おもてなしソフト=接客」を輸出することが出来るという論も良く見かけます。

また、地方空港を巡る日本全国で、観光客に対する「おもてなし」としてその地方の「温泉・景色などの自然」「伝統と文化」をツールとして観光客に対する「おもてなし」の気持ちを表さなければ・・・ということも声を大きくして語られています。

さて、「世界一の肌目細かいサービス」で「オリエンタルマジック」を演出し、世界に名を成した日本の航空が、肝心の機内で、どんなことになっているのか、考え込むことがあります。

「NARITA」 2万回発着増へ!

成田空港が2万回の発着回数増へ向けて、具体的な「増便」が始まります。森中NAA(成田空港会社)社長は、地元の理解を得たうえで発着時間帯の延長を目指したい旨抱負を述べています。

JALは、再建途上中で、国際線は、多少減便の方向ですが、ANAからすると「JAL既得のゴールデン発着時間帯、デルタ・UAなどアメリカのエアラインの優遇措置」などの不満も上がりそうです。

羽田の国際化といっても、滑走路を増やしただけでは、問題も山積みで、一日にして国際空港化が遂げられる訳ではなく、日本の表玄関として機能する「成田」の強化は重要です。

成田発着、週87便増加へ アジア・中東への路線増強

asahi.com  03.26.2010———————————————–

 成田国際空港会社(NAA)は25日、発着枠が年2万回拡大するのに伴い、28日から成田発着便が週73便、4月26日からさらに週14便増えると発表した。経済成長が続くアジアや、ビジネス需要が見込める中東への路線が増強される。経営再建中の日本航空は国際線を減便する。

 B滑走路が2500メートルに延伸したことなどで、2002年以来の大幅な増枠が実現する。28日からの新規就航は、アラブ首長国連合(UAE)のアブダビとドバイへの各週10便(片道)と、中国・マカオへの週6便。4月26日からはカタール・ドーハに週14便(毎日)就航する。成田からの就航都市は95になる。

 増便では、全日本空輸が週388便を414便に26便増やし、中国やベトナムへの路線を増強する。フィンエアー(フィンランド)やベトナム航空も大幅に増便する。

 日本航空グループはベトナムのハノイ、ホーチミン便を増便する一方、ブラジル・サンパウロ便や中国・上海便を減便するため、週770便が702便に減る。

 国内線は週28便の増加。日航が新千歳便を、全日本空輸は7月以降、小松、広島、新千歳、中部の各便を増やす。貨物は週7便の増加。

 成田空港は、滑走路の誘導路整備などにより、発着枠を今後3年で年27万回まで増やす計画。NAAの森中小三郎社長は25日の記者会見で、現在の夜間運航制限時間帯(午後11時~午前6時)について「12時から5時ぐらいに短縮していただけると助かる」と述べ、発着枠のさらなる拡大に向けた運用時間延長について、地元に理解を求めていく考えを示した。(22:50)

2009年10月22日付.朝日新聞朝刊にて。20091022_1