なぜ「システム」が壊れたのか?バックアップのシステムは?疑問の残る「JALの運航」

「整備ミス」に続いて、考えられないことが次々に起きています。

まず、「どういうことが起きていたか」といいますと「離陸に当たっての飛行機の重心位置が算定できない」「従って離陸できない」という事態になったのです。

コンピューターのシステムダウンということですが、こういう重要なデータシステムに「バックアップのシステム」は作動しないのでしょうか?それともコストカットでそういうシステムはないのでしょうか?知っておきたいことです。

以下 航空実用事典 より

.ウェイト・アンド・バランス(weight and balance)
航空会社では,各飛行の前に航空機の重量および重心位置を,実測または計算によって算定し,安全に飛行するため,あらかじめ設けられた重心位置移動許容範囲に収まるよう,重量の分布を操作している。重量のデータは,必要燃料,許容搭載量,離陸のときの速度,滑走距離の計算,エンジン推力の設定,飛行高度の選定などに利用され,重心位置のデータは,離陸時の水平安定板の角度のセット,飛行中の燃料消費による重心位置移動範囲の確認に使われる。
このウェイト・アンド・バランスには,ふつう特別な図形(weight and balance manifest)を使うが,日本航空ではほとんどの空港で旅客のチェックイン業務と連係したコンピューターを利用しており,速くしかも正確なデータが算出されるようになっている。

 

日本航空、システムトラブル…欠航や出発の遅れ

読売新聞2014年6月5日(木)13:14

5日午前9時15分頃、日本航空のコンピューターシステム
にトラブルが発生し、全国の空港で欠航や出発の遅れが発生し
た。 トラブルがあったのは、機体への荷物の搭載計画を作成する
システムで、午後0時半現在、国内線21便の欠航を決めたほ
か、国際線を含む多数の便で遅れが発生している。 職員が荷物の重量などを直接計算して出発準備にあたってい るが、システム復旧のめどは立っておらず、同社で原因を調べている。

欠航174便に拡大=6日は通常運航―日航

時事通信2014年6月5日(木)21:39

日本航空のシステム不具合による国内線の運航トラブルは5日午後も続き、羽田発着便を中心に計174便が欠航、約1万4000人に影響が出た。最大約4時間15分の遅れが生じ、国際線も遅れた。システムは同日夕に復旧し、6日は国内線4便を除き、通常運航する予定。同社が原因を調べている。

日航によると、不具合が生じたのは、機体のバランスを保つため、積み込む荷物の重量や重心を自動計算するシステム。5日午前9時15分ごろに発生し、社員が手作業で計算しながら荷物を積み込んだ。

なぜJALでは終日、「重量管理システム」の不具合で欠航・遅延になったのか
(マイナビニュース2014年6月5日(木)22:49 )
6月5日9時15分頃、日本航空(JAL)で航空機の重量管理システムに障害が発生した。システムは17時頃に復旧したものの影響は終日続く見込みだ。18時現在で羽田や伊丹、福岡などで150便以上が欠航し運航された便にも大幅な遅れなどが生じ、1万人以上に影響が出ている。羽田では予約便の変更をする乗客などで長蛇の列ができ、また、乗客の手荷物検査を一時ストップするなど、同社のスタッフは対応に追われている。

適正な重心位置を定めるシステム

重量管理システムとは、簡単に言えば出発前に航空機の重量から当該便の重心位置を決めるシステム。航空機は機種に応じて適正な重心位置の範囲が決められており、その範囲に重心が収まらないと離陸できない。特に前後のバランスが重要で、乗客、貨物(荷物)、燃料の重量は便によって違うため、1便ごとに重心を決める作業が必要になる。

重心が機体前方に行きすぎると前のめりになり、後ろ過ぎると失速してしまう。紙飛行機を想定すれば分かる簡単な原理だ。また、バランスが悪いと燃料を多く消費し、経済的な損失が出てしまう側面もある。

このシステムが使えなくなるとスタッフが手作業で行うしかなく、通常よりも大幅に時間がかかってしまう。今回はこうした理由から遅延が生じたほか、欠航せざるを得なくなった。

○航空業界では珍しいトラブル

重量管理システムの故障は航空業界では珍しいトラブルだが、報道によるとシステムに障害となったデータが含まれており、そのデータを削除したところシステムが復旧したという。

高度にシステム化された現在の航空運航では、こうしたひとつのミスが乗客に多大な迷惑をかけることになる。今回は離陸前の作業における障害だったが、場合によっては運航の安全性も左右しかねない。原因をしっかり究明し明らかにするとともに、しっかりとした運航管理をしてほしい。

クイズ番組でも・・・・

ウエイト&バランス のクイズ番組

エンジン部品付けずに飛行=半年でミス16件、

対策検討―日航

時事通信2014年5月30日(金)18:16

日本航空で昨年10月~今年5月、旅客機のエンジンに部品を取り付けずに飛ばす などの整備ミスが16件起きていたことが30日、同社などへの取材で分かった。国 土交通省は多くのミスが続いた点を重視し、原因究明や再発防止策の取りまとめを指 示した。

同社や国交省によると、ボーイング777型機で5月8日、右エンジンの逆噴射装 置にある「整流板」という部品がないのに整備士が気付いた。3月末の整備で担当者 が付け忘れていたことが判明。同機はこの間、約1カ月にわたり、国内線で運航され ていた。

1月にはボーイング767―300型機で着陸用タイヤの間隔を保つ部品の付け忘 れがあったほか、昨年10月には潤滑油が入った缶を胴体下部の電気室に置いたまま 離陸するなど、ミスが相次いだ。 いずれも羽田空港で作業が実施されており、同社は5月19日から5日間、羽田で の大規模整備を休止し、手順の再確認や整備士同士の意見交換を行った。 日航広報部の話 真摯(しんし)に反省し、基本作業を忠実に実施して、こういう ことがないように努めたい。

One thought on “なぜ「システム」が壊れたのか?バックアップのシステムは?疑問の残る「JALの運航」
  1. ウエイトバランスで飛行不能は40年ぐらい以前だたか、伊丹空港での最終便であった。
    このときは、ウエイトバランスというより、ウエイトオーバーだったが。
    50年ほど前、航空事故が連続しておこったときがあった。 BOACが富士山に墜落くした歳だったと思う。そのとき羽田から
    伊丹にB727(リアジェット)で飛ぶとき、乗客が10名程度で、パーサーから皆さん、できるだけ後方に乗ってくださいと言われたことがありましたが、これは、いまおもうにウエイト・バランスの関係と思います。

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