日航、従業員の整理解雇検討 希望退職の応募低調で
2010年9月28日11時44分 朝日夕刊
日本航空が、会社側から従業員に解雇を言い渡す「整理解雇」を検討し、一部の労働組合に伝えたことが28日、分かった。
全職種を対象に募っている希望退職が一定の規模に達しない場合に踏み切る必要があると判断した。
日航は8月末に提出した更生計画案で今年度中に1万6千人を削減する計画を盛り込んでいる。大西賢社長ら経営側はこれまで削減方法について「希望退職に全力を投入する」などと説明し、解雇を避ける意向を示していた。
ただ、9月3日から全職種のおおむね45歳以上を対象に希望退職の募集を始めたが、職種によっては予定の半数に達していないという。整理解雇も辞さない姿勢を示すことで、希望退職への応募を増やす思惑もありそうだ。日航は航空路線を減らすなどのリストラを進めており、特にパイロットや客室乗務員を削減する狙いがあるとみられる。
整理解雇は、経営難に陥った会社が人件費を削る目的で行う。会社都合による解雇のため、「人員削減が必要か」「解雇を回避する努力をしたか」「解雇される従業員の人選は妥当か」「解雇の手続きは妥当か」など四つの要件を満たす必要がある。
8月31日、JAL経営陣と再生機構は、政府の了承のもとに東京地方裁判所宛に「更生計画案」を提出しました。
この「再建案」は、本来6月末日に提出予定となっていたものですが、8月31日まで2ヵ月延期されました。
こうした遅延の主な原因は、「人員削減のあり方」に起因していたと言われています。
人員削減の原案が24年度までに「16000人削減」となっていましたが、財務省が後押しをする大銀行などの要求で、「2010年度、つまり今年度中に16000人削減する」というものになりました。土台、「航空の安全性」など理解もできない「財務省筋」の言いなりになってしまった無理な計画案ですから、「整理解雇」などということも飛び出してくるのも納得できるような気が致します。
45路線の廃止によって余剰となる人員と減らそうとしている人員とが、合うものなのかどうか、またこのような削減で「運航現場の安全」が保てるものなのか、は今のところ、誰も確認することも出来ません。
「整理解雇」つまり「首切り」は、
労働契約法第16条では、朝日新聞記事にあるように、「4つの要件」を満たし、かつ就業規則に明記されていることが必要となる・・・ということで
「労働組合との摩擦は、避けられない」問題になると見られています。
現実に、現場では、退職の応募をしない47才以上の客室乗務員にターゲットを絞って、意思表示がない場合は、スケジュール上フライトを入れず、会社に呼び出し、「一人に対して3人の管理職乗務員で囲んで退職を迫っている」という風評も聞こえてきます。
そうした声からすれば、「整理解雇」は、労働組合など抜きにして、既に事実上進んでいるのではないでしょうか?
~一部の労働組合に伝えた?--朝日報道~
「整理解雇」について、9月28日付朝日新聞夕刊では、「一部の労働組合に伝えた」とあります。どういうことでしょうか?
JALには、公知の事実として複数の労働組合があります。単純に言って、「なぜ、すべての労働組合に同時に伝えないのか?」不思議です。・・・・。私の調べたところ、この報道は朝日新聞のみで他は一切このことに触れていません。
この記事が正確なのであれば、恐らく、「あの労働組合の幹部だけに耳打ちして、賛意を得ておけば・・・・。」とこの労働組合幹部出身の役員が考えそうなこと・・・などと勘ぐって見たくなってしまいます。
まあ、何れにしても「早期退職者を募る」上で、相当な重しになることは確かでしょう。
こういう内情を抱えて、「機内においては、何事もないように、にこやかに旅客と接せねばならない」客室乗務員の心情は、察するに余りあるものです。
「パイロットと客室乗務員の削減」ということが、声高に叫ばれていますが、振り返ってみれば、少なくとも客室乗務員に関する限り、早期退職募集が繰り返し行われて過去の早期退職者は、以下の模様です。(パイロットの実状は、よく把握できていませんのでまたの機会に)
早期退職者募集に応じて退職した客室乗務員数
●2006年・・・・約400名(全体で2700名) ※1
●2010年6月・・・・約1320名(35才以上)※2
●2010年9月・・・・推定200名応募。(45才以上)
●2010年10月締切・・・・募集中(45才以上)
※1
日本航空:客室乗務員の早期退職者を募集-次課長級は応募630人
2005年 10月12日(ブルームバーグ)
:経営再建中の日本航空(JAL)は12日、客室乗務員を対象に特別早期退職者を募集すると発表した。対象となるのは約900人。中期経営計画に基づく人件費抑制や組織の若返りを図る一環。
客室乗務員の早期退職対象は、すでに関連会社などに転籍したものも含み、2008年3月末時点で、管理職が54歳以上、一般職は50歳以上、またいずれも勤続15年以上としている。退職日は来年3月末。募集期間は11月12日から12月21日まで。
また、日航はすでに募集していた次長・課長級の早期退職に、11日現在で約630人が応募したと発表した。目標の450人を上回っており、すでに実施して約250人が応募した部長級と合わせると合計約880人が早期退職に応募したことになる。
日航では今春、部長級の早期退職を募集、夏までに約250人が応募して退職した。新たな人員削減策として9月10日からは次長・課長級を対象にした早期退職も募集。7月には退職金の減額も提示。1カ月分の給与に若干の上乗せをした年末一時金の条件も組合に提示している。
日航が2月6日発表した中期経営計画では、早期退職の募集や退職金の減額、ボーナスの抑制などで連結ベースの人件費を今期500億円減額する目標を設定。長期的な人員削減計画では2009年度までに乗務員の稼働率向上や本社間接部門の人員10%削減などで早期退職を含め3500人を削減。JALUXのような関連事業の再構築も含めると09年度までに4300人を削減する目標を掲げている。06年度の連結人員は約5万3100人。
※2 日航、早期退職2700人に予定を上回る応募
産経新聞
2010/04/16 23:32更新
会社更生手続き中の日本航空が3月から募集していた早期退職に対し、予定数の2700人を上回る応募があったことが16日、わかった。具体的な応募人数は集計中だが、退職者の職種に偏りが生じたり、全員がが一斉に退職した場合は運航に支障が生じるため、一部応募者の慰留や、退職時期を遅らせるなどの調整が必要になる。
早期退職の募集は、主力運航子会社の日本航空インターナショナルの1700人が中心。ボーナスがゼロになるなど、経営再建の先行き不透明感が強まっていることから、応募者数が膨れ上がったもようだ。
早期退職は通常の退職金に加え、月給の6カ月分程度の割増退職金を支給。地上職と客室乗務員の部長級社員を皮切りに、整備技術職、パイロットなど全職種に募集対象を広げた。日航インターの応募の締め切りは16日で、退職日は5月末までとしていた。