「海上空港」は、防げない!ということでしょうか・・??

これまで「空港」に対する配慮は、もっぱら「騒音」問題が中心で、仙台空港の被災状況を見ても「地震・津波など防災対策は不十分」であったことが大震災後に明らかになりました。

それにしても、報道を見る限り、東南海大地震に対しては、「防ぐ、被害を最小限にとどめる」策よりも、「被災後の復旧」が先行していることに違和感を覚えます。

そして、海上空港の典型である、「関空」「中部」にこそ「対策が急務」のはずなのですが・・。

津波後3日で復旧を=6空港で計画策定へ―国交省

時事通信 5月13日(日)2時30分配信

国土交通省は12日、大規模地震に伴う津波で被害を受ける可能性が高い国内6空港について「早期復旧計画」を策定する方針を固めた。空港が津波で被害を受けた場合、3日以内をめどに機能を回復できるような対応策を計画に盛り込む。
今年度内にも計画を策定し、空港が支援物資を運ぶ輸送機やドクターヘリなどを早期に受け入れるための環境を整え、被災地で救急救命活動や支援物資を受け入れる拠点としての役割を果たせるようにする。
早期復旧計画の策定対象となるのは、沿岸付近や海上にあり大津波が発生すると浸水する恐れがある仙台、羽田、中部国際、関西国際、高知、宮崎の6空港。中部、関西両空港については、空港会社と協議しながら計画を策定する。

「嘉手納に緊急着陸、羽田発ANA機」 日本の空の管制は、どうなっているんでしょうか?

着陸しようとした「那覇空港がクローズしている・・・」パイロットも乗客もさぞ驚いたことと推察できます。もともと、ANA機の遅延は、トラブルを解決しての安全上の措置だったと聞いています。

ANA機が羽田を離陸した後に、空港間のあるいは管制業務の引き継ぎはどうなっていたのでしょうか? 着陸しようとする航空機があるのに予定通り工事のために空港クローズ?

2000年のシンガポール航空006便が台北中正国際空港(現・台湾桃園国際空港)からの離陸に失敗し炎上大破した事故も頭をよぎりました。

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2000年放映の「パックインジャーナル」朝日ニュースター より

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2000年放映の「パックインジャーナル」朝日ニュースター より

この事故は、パイロットの思い込みなどもあったようですが、工事中の滑走路を使って離陸しようとして工事中の車両に激突し、墜落したものです。のちに、空港内の管制塔から当該航空機を黙視できない状況にあったことなども明らかになりました。

いずれにしても、「安全な離着陸」は、パイロット・管制・空港管制・空港などが三位一体とならなければ、保障されません。

「なぜ、こういうことが起きたのか」当局は、早急に調査の上明らかにすることが必要です。

※那覇空港関連:弊ブログ「ようやくひとつ戻った日本の空、那覇空港管制(嘉手納ラプコン)です。」2010.03.19

※管制関連:管制業務は、「空の安全の要」!こういうことがあってよいものか2010.10.13 

米軍嘉手納基地に着陸 那覇行きのANA機

テレビ朝日系(ANN) 5月3日(木)13時58分配信

2日夜、羽田発那覇行きの全日空機が、那覇空港の滑走路が閉鎖されていたため着陸できず、急きょ、アメリカ軍の嘉手納基地に着陸しました。

嘉手納基地に着陸したのは、全日空の羽田発139便で、離陸前に機内に不具合が見つかり、離陸が50分遅れたということです。那覇空港事務所は、2日午後11時から3日午前1時半までは滑走路の維持工事があると事前に申し入れていたと話しています。
乗客:「(着陸の)1時間前に遅れるって通知したのに到着許可が出なかったのは、空港側が説明してくれないのは納得できないと(機長が)説明していた」「(あす)8時からゴルフでちょっと大変ですね」
139便は、3日午前1時40分ごろに那覇空港に到着しました。.
最終更新:5月3日(木)18時59分

「あり得ない」ことが起きている!『利用者のため』と言いながら『尻抜けの安全基準』を放置してはいけない!」

これだけの事故が起きた背景は、深刻です。一部のバス会社の問題ではありません。監視や厳しい罰則を伴う「法律」なくしては、「安全運行」は守れないと思います。

採算すれすれで競い合う「格安ツアーバス」を頼みとする利用者が増えているのは、基本的に不況・デフレも脱出できない経済の舵取りであり、国の政策に起因しているのではないか、と考えざるを得ません。

事故報道がひと段落したら、「安全追及」の手も緩んでくるようなことは、繰り返さないで欲しいと強く願うところです。

2800円バス、若者の足に 金沢―東京便に記者同乗

朝日デジタル  2012.5.2

衝突事故で7人が犠牲となり、安全性や運行態勢が注目されている高速ツアーバス。4月30日から1日朝にかけて、事故が起きたのと同じ、金沢と首都圏を結ぶツアーバスの一つに記者(29)が乗った。29日にインターネットで予約した際、最も安かった片道2800円のバス。その道中は――。

就活、旅行…安さ人気

4月30日午後9時前、金沢駅西口にある仮設の乗り場に行くと、記者と同じバスを待つ人たちがいた。大半が20代前後で、キャリーバッグを抱えた行楽客も目立つ。 紺のスーツ姿の男性(26)は地元大学の大学院生だった。就職活動中で「最近は月6、7回のペースで往復しています」。研究と都内での就職活動を両立し、宿泊代を浮かすため、夜間のバスを利用する。

金沢市の友人に会いに来たという都内の会社員の女性(26)は往復とも夜行バスの利用だ。大阪に住む遠距離恋愛中の恋人に会いに行く時も夜行バスを使う。「列車のように乗り換えがなく、寝ていれば着くのが便利」という。事故が起き、親からは「乗るのをやめた方がいい」と注意されたが、安さを優先した。 乗り場に、「東京・TDL(東京ディズニーランド)行き」と表示を掲げた大型バスが入ってきた。乗り込むと、ごく普通の4列シートの観光バスで、トイレはない。座席には脚を十分伸ばせるスペースがあり、背もたれも倒せる。事故後のキャンセルで、45席のうち乗客は30人程度。自分の隣は空席なので、ゆったりできる。

先月29日に事故を起こしたツアーバスは片道3500円だった。記者が乗ったのは、大阪市の旅行会社が企画し、石川県内のバス会社が運行するツアーのバス。インターネットで検索し、3千円台、4千円台など複数ある中から、最も安い2800円のツアーを予約した。定期路線では7千円台の場合もあり、格安だ。

「1人で運転するなんてありえない」

午後9時25分、バスは旅を始めた。すぐに寝る乗客もいて、車内は静かだ。運転手は2人だった。およそ10時間かかるルートを、2時間おきに交代しながら運行するという。 出発して3時間。日付をまたいだ午前0時すぎ、北陸道の越中境パーキングエリア(PA)で最初の休憩を取った。

「運転中に眠くなることがまったくないと言ったらうそになる」。一人の運転手に声をかけると、正直に話してくれた。夜勤の日は昼間に睡眠をとって臨むが、それでも眠いときは、もう一人と早めに交代することもあるという。事故を起こしたバスについて「1人で運転するなんて、ありえない」とも話した。

事故のあったバスは、北陸道から関越道を通った。記者が乗ったバスは走行距離が30キロほど短い上信越道を選択。連休中とはいえ渋滞はなく、バスは順調に進んだ。事故発生の午前4時40分ごろには埼玉県内を走っていた。外は明るくなっていたが、乗客はまだ寝息を立てている。料金プランによっては毛布が貸し出されるが、記者にはなく、少し肌寒かった。

午前4時55分、関越道の三芳PAで、最後となる3回目の休憩をとった。金沢方面から東京を目指す、別の会社のバスを含め計7台が次々と駐車場に入ってきた。いずれも、運転手は2人乗っている様子だ。

採算ラインは「3500円」

都内に入り、新宿駅や東京駅を経由した。乗客の多くが降車し、TDLに向かったのは記者ともう1人の客だけ。午前7時すぎ、終点に到着した。徹夜明けの耳に、園内のにぎやかな音楽が響く。 運転手は長時間の運転の緊張がとけた様子だ。2人はこの後、近くのホテルに移って休養するという。1日夜は、また金沢に向けて朝までバスを走らせる。「安全運行のため、ゆっくり休ませてもらいます」

バスを降りてから、この旅行会社に料金について問い合わせた。日によって値段を上下させているが、「月間を通じて運賃収入の1割の利益が出ればいい方」。繁忙期は6千円まで上げることもあるといい、「3500円くらいが採算ライン」と教えてくれた。(伊木緑)

《交通ジャーナリスト・鈴木文彦さんの話》 高速ツアーバスは、インターネット予約が一般的で値段も安く、特に若者の利用が多い。高齢者から単身赴任者まで客層が幅広い路線バス会社の高速バスに比べ、レジャー的な要素が強いのも特徴だ。予約の手軽さと安さで、高速バス利用者の裾野を広げてきた。今回の事故を受けて高速バスを敬遠する人が一時的には増えるかもしれないが、安さ、便利さから依然支持する人も多く、今後も需要は続くだろう。ただ、安さが売りなだけに、バス会社が人件費を抑えるため無理をする場合も出てくる。安全を確保できる範囲で運行している会社がほとんどだが、そういった会社まで事故の影響で信用を失うことにならないか心配だ。

「LCC礼賛の安全規制緩和」も見直ししていただきたい!!

今回の悲惨な「バス事故」は、その原因をたどれば、「路線バス運行」のような厳しい安全責任を問わない「格安ツアーバス」運行の業者の参入に道を開いた2002年の「道路運送法」の改定にあります。市場万能主義を交通政策上にも落としたもので、安全面を軽視したものであったことは、総務省が国交省に勧告してきたことからも明らかです。

「670時間を一人で運転することが可能」が明らかにされて初めて多くの国民がその無茶に気がつくことになりました。

起こるべくして起きて「多数の犠牲者」を出してしまったこの間、メディアは、どういう警告を発して来たのか?ということも考えなければいけない重要な問題です。

航空では、事故となれば、一瞬にして「生命の助かることの少ない」場面と遭遇します。

今、「LCCで活性化」という大義名分を立てて、航空でも「安全への規制緩和」が着々と進められています。

ついでですが、本日のTVのニュースでは、国交省主導の「安全規制緩和」の委員をしている方が、他方で「バスの安全規制緩和は、けしからん」というような趣旨の発言をしているのを視聴しました。「一体、これはなんなんだ」と驚くばかりでした。

「人身事故で多くの犠牲が払われなければ、『安全』と向き合わない」あるいは「一過性で済ませる」姿勢は、とても容認できません。

バス運転中に睡魔9割 総務省の貸し切り運転手調査 距離上限、勧告後も改善せず

朝日新聞 2012.5.1

総務省が2009年に貸し切りバス運転手を対象にしたアンケートで、約9割が睡魔に襲われたり事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット」の体験をしたりした、と答えていたことがわかった。総務省は10年、運転手1人の1日の最大運転距離の基準を「670キロ」とする国土交通省に距離の短縮を含めた措置をとるよう求める趣旨の勧告をしたが、改善されていなかった。

29日に群馬県藤岡市の関越自動車道で起きた高速ツアーバス事故では、金沢市から千葉県浦安市までの約545キロを1人で運転する予定だった運転手が病院への搬送前に「居眠りをしていた」と説明しており、国交省は基準の見直しを検討するとしている。

07年2月に大阪府吹田市でスキー客ら27人が死傷したバス事故後、国交省は670キロの基準をつくる一方、総務省は運転手500人を対象に勤務実態などを調査。回答した136人のうち122人(89・7%)が運転中に睡魔に襲われたり、居眠りをしたりしたと答えた。ヒヤリ・ハット体験も9割を超える130人(95・6%)が認めたという。

調査では安全運行できる乗務距離についても質問。高速道と一般道の両方を走る場合、昼間が平均「531キロ」、夜間が平均「439キロ」で、国の目安を大きく下回っていた。

貸し切りバス事業者に対する調査では、670キロ以下でも交代要員としての運転手を乗せる会社があることも判明。そうした実態があるのに、上限を670キロとする国交省の基準に対し、総務省は10年9月に「運転手の健康面を考えておらず、運転手や有識者らの意見もくんでいない」と指摘、行政評価に関する権限を定めた総務省設置法に基づいて改善を勧告した。

だが、国交省は10年9月まで実施したバス業界などとの私的懇談会で「変更の必要がない」との方向性を出したことなどを踏まえ、改善していなかった。国交省安全政策課は取材に「上限距離の変更より、それが守られているのかの事後チェックを重視してきた。今後は基準の見直しを検討したい」としている。(川見能人、黒川和久)

事故が起きてから取り上げるメディア!「格安」と引き換えに進行していた危険な「規制緩和」悲惨なバス事故のことです。

「コストカット」で追い詰められれば、「格安」に打ち勝つために「安全運航経費」ここで言えば、「500キロを超えるルートでもバス運転手一人乗務」という点にしわ寄せがでています。更にこれが「業界の常識」となっていても、「規制緩和」を強化する早期な決断がないばかりに・・・大事故を招いています。

「起きると思っていた事故」 TDRでバス運転手に聞く

朝日新聞デジタル  2012.4月30日

「いつか起きると思っていた」「起こるべくして起きた事故」。多くのツアーバスが駐車場で帰りの

客を待つ東京ディズニーリゾート(TDR)で、運転手たちは業務の過酷さを口にした。

関越自動車道で死亡事故をおこしたバスと同じ石川県を前夜に出発、29日早朝に着いた男性(45

)は、もう1人の運転手と2時間おきに交代しながら運転してきた。「それでも、事故が起きた時間帯はいつも眠くなる。どれだけ寝ても体のバランスが取れない」  やはり北陸地方から来た男性(47)は「1人では負担が大きすぎる。2人で交代しないと無理」と話す。しかし「大型連休やお盆は運転手が足りない。ふだんは2人で走っていても、この時期だけは1人で走る会社も出てくるのでは」。  甲府市から早朝、約40人を運んだ40代の男性は、駐車場に並ぶ関西や北陸地方のナンバーのバスに、運転手が1人でいるのを見かけることがある。「道中の仮眠をどうしているのだろうと思っていた」 「いつか起きると思っていた」「起こるべくして起きた事故」。多くのツアーバスが駐車場で帰りの客を待つ東京ディズニーリゾート(TDR)で、運転手たちは業務の過酷さを口にした。

関越自動車道で死亡事故をおこしたバスと同じ石川県を前夜に出発、29日早朝に着いた男性(45)は、もう1人の運転手と2時間おきに交代しながら運転してきた。「それでも、事故が起きた時間帯はいつも眠くなる。どれだけ寝ても体のバランスが取れない」

下請け運行「経営ギリギリ」 関越道の7人死亡事故

朝日デジタル.2012.4月30日

安さと手軽さで急成長してきた高速ツアーバス業界。群馬県内の関越自動車道上り線で高速バスが防音壁に衝突し、多数の死傷者が出た事故を起こした運転手は「居眠りしていた」と話しているという。競争の激化で安全面へのしわ寄せの懸念が高まり、国が新たな対策を始めようとしている矢先の惨事だった。

朝日新聞デジタルに特集「格安バス、競争激化」

「格安! 快適! 高速バス!」。今回のツアーを企画した「ハーヴェストホールディングス」(本社・大阪府豊中市、大屋政士社長)のホームページには、そんな言葉が躍る。首都圏や関西と東北・北陸・九州などを結ぶツアーが100以上並んでいる。

金沢と東京ディズニーリゾートを結ぶツアーは、曜日によって値段が変わるものの、片道3千円からと格安だ。事故にあったバスが出発した28日夜発の便は3500円で、鉄路でJRを利用すると1万円を超す区間。この区間でJRバスが運行している路線バスも最低で5千円する。

2010年3月にJRの寝台特急「北陸」と急行「能登」が廃止されて以降、北陸地方では特に価格競争が激しくなっている。あるバス業者は「十数年前にはバス1台あたり30万円ほどで委託を受けていたが、最近では約20万円まで下がった」と嘆く。事務経費を削り、「ギリギリの経営」をしているという。

1995年に旅行業登録したハーヴェスト社が、高速ツアーバスに参入したのは約7年前。バスの運行は自社バスのほか、各地の約100社のバス会社と契約して、下請けさせている。

同社の説明では、ゴールデンウイーク期間中はかき入れ時で、金沢発の路線もバスを増発する。このため、普段は委託していない「陸援隊」(千葉県印西市、針生裕美秀社長)にも運行を委託していた。陸援隊への委託は1年ほど前からあり、今年は初めてだったという。

路線バスのように、固定したバス停や切符売り場のないツアーバスは、乗客の集め方もインターネットを活用するなど新しい。  事故に遭った45人のツアー参加者のうち、ハーヴェスト社が住所など連絡先をつかんでいたのは15人。残りの30人については「楽天トラベル」の予約サイトなどを経由しており、申し込みの代表者の氏名と携帯電話番号などしか把握できない仕組みだった。

〈高速ツアーバス〉 高速道路を長距離移動するバスには、道路運送法に基づく路線バスと、旅行業者などが旅行業法に基づいて企画し、貸し切りバスを使って運行するツアーバスの2種類がある。路線バスは決まったルートを走って停留所に止まる運行形態だが、ツアーバスの中にも、連日ルートを固定して事実上の路線バスのように運行されている例がある。

相次ぐ参入、安全面に影

朝日デジタル.2012.4.30

貸し切りバス事業の推移
格安の高速ツアーバスの競争はなぜ激化したのか。 バブル崩壊後の経済振興策として、国土交通省はこの10年あまり、規制緩和を続けてきた。貸し切りバス事業の分野では2000年、地域でバスを増やす必要が生じたときにだけ新規参入を認めるやり方を改め、条件さえ整えば参入できるように道路運送法を改正した。

02年には、リフト券付きのスキーバスなどの例外を除いて認めてこなかったツアーバス事業を旅行会社に解禁した。 貸し切りバス会社の数は爆発的に増えた。緩和前の99年度には全国で2336社だったが、09年度には2倍弱の4372社に。「高速ツアーバス連絡協議会」の調べでは、高速ツアーバスの乗客は05年の約23万人が10年には約600万人に激増した。

サービスの多様さがさらに人気を呼んだ。従来の高速路線バスにはなかった豪華なバスや、逆に安価にこだわる会社などが登場。女性専用に特化した路線など、乗客がニーズによってバスを選びやすくなった。

その一方で、競争の激化が安全面に影を落とし始めた。同省の調べでは、08年度の貸し切りバス会社に対する安全監査で、運転手の運転時間が長すぎたり、健康管理が不十分だったりする何らかの違反行為があった会社は、バスの貸し切りだけをしている会社より、ツアーバスを手がける会社の方が2割ほど多かった。

今回、事故が起きたツアーでは運転手は1人だった。同じ金沢と首都圏を結ぶ高速路線バスを運行するJRバス関東では、途中の長野県で運転手を交代させ、そのほか3回の休憩時間を設けている。安全に直結する運行のあり方にも会社ごとに差が生じている。

ツアーバスの下請けをしている関東地方のあるバス会社によると、過当競争で下請けの運行代金は下がり続けているという。「燃料費や人件費、車両の消耗費を引くと、利益はほとんどない。でも車を動かさないと会社がつぶれるから、結局は旅行会社の言いなりになるしかない」

旅行会社が客を募集するものの、道路運送法上の安全責任を負うのはバス会社。そのため、安価なツアーを立てた旅行会社が安全コストを度外視した発注をする例もあるという

対策のため、国交省は10年12月から有識者による「バス事業のあり方検討会」を立ち上げて議論をスタート。今年3月30日、旅行会社にバス事業の許可を取らせて安全面の責任も負わせ、違法行為があった場合の罰則強化を盛り込んだ最終報告をまとめた。

いずれも今年度から来年度にかけて導入する予定だったが、今回の事故を受け、さらなる見直しもあるという。「対策を立てた矢先だったのに」。国交省の担当者は話した。

〈加藤博和・名古屋大准教授(交通・環境計画)=国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員=の話〉 客数によって運行台数を自由に増便できる高速ツアーバスは、利用者のニーズと重なり、数を伸ばしてきた。だが、ツアーバスの運行は貸し切りバス会社に委託されており、企画した旅行会社は事故が起きても法的に責任をとる必要がない。バス会社は零細が多く、旅行会社に無理を言われてものまざるをえず、運転手らの労働量は過重になりやすい。催行会社が責任を問われる立場になれば、安全に配慮するようになる。検討会の報告書では、運行を路線バス会社に一本化し、一方で禁止されていた貸し切りバス会社への委託を認めるよう提案している。貸し切りバス会社は過当競争に陥っている。認可を受けるには車両数は5台以上と決められているのに、従業員数には厳格な規定がなく、運転手は風邪を引いても働かざるをえないという声も聞く。小規模事業者の参入規制や、国交省の監査強化なども必要だ。

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