足下に迫る・・「空の安全」の危機!スカイマークに「厳重注意」とのことだが・・・。

これまでも幾度となく繰り返されてきた「スカイマーク」の「コストカットに起因した運航トラブル」や「過酷・過重勤務」です。 「厳重注意」などで済ましてよいのでしょうか。

また、「国内高速ツアーバス事故」の原因が日に日に明らかになってきています。

過去の航空の問題も監督官庁が「見て見ぬ振り」をしてきたということが明らかになれば、その責任は厳しく問われることになります。

そういう意味でこの時期に「厳重注意」とは・・・ことによると「『スカイマーク』が人身に及ぶ事故をも起こしかねない!」という危機感を抱いているのかもしれません。

利用者にとっては、「良い方向」ですが、ぞっとする現実でもあります。

弊ブログ:安全の規制緩和について

スカイマークだけでないLCC関連の航空トラブル

<スカイマーク>国交省が厳重注意 安全上の支障が6件

毎日新聞 5月22日(火)21時9分配信

 国土交通省は22日、スカイマークが2~5月に管制の指示した航路を逸脱したり操縦士に超過勤務をさせたりするなど、安全上支障のある事態が6件あったとして厳重注意した。6月5日までに改善策を報告するよう求めている。

国交省によると、問題の事態は

▽成田空港で2月26日、出発時に航行を管理するシステムに航路の入力を完了せず離陸し、予定の航路を逸脱

▽3月27日の成田空港着陸時、管制の指示通り航行管理システムに航路を入力せず航路を逸脱

▽茨城空港で4月22日、2本の滑走路のうち管制の指示と異なる滑走路に着陸

▽4月30日~5月1日、国交省の通達で国内線では操縦士に24時間中8時間を超える乗務を禁じているのに、1人に対し9時間36分乗務をさせた。勤務時間も社内で13時間以内と定めていたが、15時間34分勤務させた--など。

スカイマークは10年4月、操縦士が飛行中の操縦室内で記念撮影していたなどとして業務改善勧告を受けている。

【桐野耕一】

飛行中の雷について

航空機への落雷頻度は、手許に正確な数字は得られませんが、世界中の航空機のことを考えると、毎日どこかで被雷していると思います。
私の30年乗務の中では、5回ぐらいでしょうか。

航空機は、乱気流や雷を受けやすい「積乱雲」キュムロニンバスを縫って航行しています。日本の夏場や東南アジアを飛行された方は、窓外から積乱雲をしばしば見かけられると思います。フライトプランでは、それまでの情報を反映させ、また飛行中にレーダーと目視を併用しつつ、積乱雲を縫うように飛びます。しかし、そちこちに雲が立っているときは、やむを得ず雲の中を飛行せざるを得ない場合もあります。

こうした時に機体に落雷を受けても、「放電する装置」・・・放電索・・stastick discharger 直径1センチ長さ10センチ~数十センチの棒が各翼(補助翼など)に取り付けられています。 たとえば、ジャンボ機などの大型機では、50本ほど装着されています。また普段機体に生じている静電気をこの棒を通じて空中に放出しています。

落雷を機体(胴体・翼)に受けた場合も、この装置から空中に放電されるようになっています。また、大容量の雷を受けても、計器に支障をきたすような過重な電圧が流れないように「防護機器・・サージ防護機器」も備えています。

2009年、エアフランス機が赤道近くの大西洋上に墜落するという事故がありました。仏政府は、原子力潜水艦まで動員して、海中深くまで調査し、ブラックボックスを回収。主に「速度計の故障」などが直接原因ではないか、という解明をしています。この時の天候は、やはり、厚い積乱雲に囲まれ、激しい乱気流と雷に見舞われたという推測もされています。

今回の大統領フライトは、こうした過去の事例を配慮して、大事を取ったものと推定できます。

日本では、過去大きな雷を受けて、翼にダメッジを受けたことも・・・・2005年JAL機  しかし、乗客乗員怪我なく無事着陸。

2005年のゴールデンウィーク中に、九州の宮崎と鹿児島上空で旅客機2機が落雷にあったという事例もあります。

5月1日の午前8時40分ごろ、福岡から宮崎に向かっていたJAL3623便(MD81)が高度約5,000メートルの上空で右翼に被雷。同機はそのまま飛び続け、定時の午前8時に宮崎空港に到着しました。乗客乗員に被害はなかったものの、翼の表面に約25センチの損傷があったようです。

同じ日の午前11時過ぎ、鹿児島県の東約27キロ、高度約5,000メートルの上空では鹿児島発羽田行きのJAL1864便(ボーイング777)が右側車輪ドア付近に被雷。こちらも乗客乗員にケガはなく、また機体にも損傷は見つかりませんでした。

「引き返す」とは・・・よほどの雷雨だったのでしょう。オランド仏大統領機!

搭乗機に落雷…就任直後、初外遊のオランド大統領

2012年5月16日10時38分  読売新聞

【パリ=三井美奈】オランド仏大統領が15日の就任後、初の外遊先ベルリンに向かった飛行機が離陸直後に雷に打たれ、パリ郊外の飛行場に引き返した。大統領は別の飛行機に乗り換え、予定より約1時間遅れで到着した。けが人はなかった。独仏首脳会談の開始も約2時間遅れた。 この日、パリの天候は不安定で、オランド氏は就任パレード中に降雨に見舞われ、ずぶぬれになった。

「航空機の場合、雷にどう備えているのか?」「なぜ、引き返したのか?」など、明日5月17日、CBCラジオ(TBS系列局/1053kHz)「多田しげおの気分爽快!!朝からPON」の中で、コメント致します。午前7時15分ぐらいを予定しています。

「放漫・癒着」の体質は、改められているのだろうか。「再上場」へのお膳立てに沸く「JAL」

「JAL破綻」の原因が、少なくとも4000億円以上に及ぶ「放漫経営」「特定労働組合との癒着」「政治・官僚との癒着」にあると指摘し続けてきました。

「オリンパス」は、法的にも証拠固めがされて「歴代経営者の刑事責任」まで問われる事態となりましたが、JALでは、歴代経営者の誰ひとり「放漫経営」の責任をとらないばかりか、政権与党の票田である「連合」に所属する(献金する)JAL内の特定労働組合を優遇し、当該労組とうちうちで取引しながら、経営を続けてきています。経営者は、現社長の植木氏を除いてすべて当該労働組合幹部出身です。

憲法・労働三権さえ無視した解雇・不当労働行為の数々は、つとに有名で「ANA」では、反面教師として同じようなことを行わず、社内モチベーション高揚に成功しているといわれています。山崎豊子原作・角川映画「沈まぬ太陽」でも象徴的に描かれています。

そもそも、「不採算路線を切り」「1万6千人も解雇を含めてカットし」「銀行団から5200億円の借金棒引き」することででてきた史上最高の純利益「1866億円」なので、業界では当然の結果と受け止められていると思います。

これからの問題は、「安全快適」で世界の舞台で「FLYナンバーワン」を勝ち取ってきた時代のように「商品を大事にする経営姿勢」へと転換できるか、にかかっているように思えます。

気になること・・・。

  • 話はそれますが、最近のニュースでは「野田首相が日中韓交渉に政府専用機で出かける」光景を目にしました。JALではジャンボ機が燃料を食うのですべて退役させ、787機に買い替え中ですが、それが真実なら政府専用機もアメリカ並みに787・777・エアバス340あたりにすれば良いのに・・・なにしろ国税を使って予備のジャンボ機まで待機させ引き連れているのですからね。
  • 早稲田大学の戸崎肇教授は「人件費の増加に注意が必要」と指摘する。という報道ですが、同氏は、「安全に対する技術規制緩和委員会」の委員でもあり、整備などの現場部門の人件費を厚くすることにくぎを刺されているのかもしれない、と気になるところです。
    http://hideshima-issei.air-nifty.com/blog/2012/05/post-e5d9.html
    http://hideshima-issei.air-nifty.com/blog/2012/04/lcc-6b27.html

JAL、過去最高益 リストラでV字回復 12年3月期

朝日新聞 2012.5.15

経営再建中の日本航空が14日発表した2012年3月期の決算は、営業利益が2049億円、純利益が1866億円でともに過去最高だった。売り上げは減ったが、経営破綻(はたん)にともなう大規模な経費削減が効いた。今秋に予定する再上場に向けて、リストラに頼らずもうけを出せるかが問われる。
12年3月期の売上高は1兆2048億円と前年同期より1割減った。東日本大震災の影響による旅行控えや、定員の少ない小型機を増やしたことが原因だ。それでも本業のもうけを示す営業利益は前年同期の1884億円を上回り、2年続けて過去最高を更新した。  減収なのに利益が増えたのは破綻を機に大規模な経費削減を実施したからだ。1万6千人を削減し、燃費が悪い飛行機は売却、赤字路線の廃止も踏み切った。  「放置していたムダを徹底的になくす努力を続けてきた」。稲盛和夫名誉会長は14日の会見でこう語った。経費削減には、稲盛氏が部門別の細かな採算管理を導入したことも奏功した。破綻する前は、路線ごとの収支が2カ月後まで分からない「どんぶり勘定」だったが、翌日に分かるように改め、利用客数に応じて小型機を飛ばす効率化をはかれるようになった。

経費削減だけではない。日航は破綻した会社なので、法人税の負担が軽減されている。銀行団に借金約5200億円を棒引きしてもらったため、利子が減って経費節減につながった。

収益力強化、不安視も

日航の業績のV字回復は、「民主党政権で数少ない成功事例」(航空関係者)とも言われる。ただ、「リストラ頼み」から抜け出し、好業績を続けることができるかは未知数だ。 14日発表した13年3月期の業績見通しでは、売上高が1兆2200億円とわずかに増えるが、営業利益は1500億円と大幅に減る。はやくもリストラ効果が薄れる見込みだ。  日航は今年2月に発表した中期経営計画で、国際線の拡大など、リストラ一辺倒から成長路線への転換を打ち出した。燃費効率が高いボーイング社製の最新鋭中型機「787」を国際線の主力機として計45機発注したが、購入経費もかさむ。

人件費も増える傾向にある。今夏の賞与は給与2カ月分で、11年の1カ月分よりも増えた。「ふつうの会社に戻るため」(日航幹部)というが、全日空の1・5カ月分よりすでに多く、早稲田大学の戸崎肇教授は「人件費の増加に注意が必要」と指摘する。大手との競争に加え、格安航空会社(LCC)がシェアを伸ばすなど経営環境は厳しさを増す見通しのため、経費が増えると競争力が落ちるおそれがある。  日航株の96・5%を持つ企業再生支援機構は、今年9~10月にも再上場させたい考えだ。株を長く持ってくれる引受先を探しているが、日航と同じ航空連合「ワンワールド」に加盟する英ブリティッシュ・エアウェイズの親会社が興味を示しているぐらいで、「本命」とされていた国内大手銀行や生保会社などはそっぽを向いている。日航の収益力が高まることを確信できないでいるためだ。

(南日慶子、伊澤友之)

沖縄のさらされて来た現実に「確かな記者の目」・・・。

琉球の時代から「清国」と「薩摩藩」から圧され続けてきて(NHKドラマ「テンペスト」などを鑑賞されるとよい)、そして幕末には西洋諸国から。太平洋戦争では、「本土の楯」として米軍から凄まじい集中攻撃を受け多大な死傷を被ったことは、本土の誰もが知っていることであろう。

そして、その後は、連合国の中の力関係で、アメリカの単独講和となり、不幸にも日本の領土ではなくアメリカの統治下におかれた。私も復帰前から沖縄線や沖縄経由香港行きなど数々の乗務を体験してきた。経由便ではトランジットの乗客からも全員パスポートを集め、イミグレーションに提出したものだった。

通貨は、ドル、街中は、まさに「アメリカ」という風景に複雑な思いも抱えた。

40年前に「本土復帰」を果たしたものの、米軍基地・米軍専用施設は、本土から沖縄に集約され、日本駐留米軍基地の「74%」は、ここにある。

騒音はもとより、基地が邪魔をして公共の交通機関に電車がなく、利用できるのは割高なバスか乗用車。その上、さらに、日本国内でありながら日本の法律が適用されぬ屈辱的な「日米地位協定」が立ちはだかっている。

心が痛む中で、「4か月居住して取材した」記者の目は、多くを語らずとも鋭い指摘を感じるものでした。

深夜も騒音、これが沖縄の日常 普天間隣接地区で記者4カ月生活

朝日新聞 2012.5.14 夕刊

沖縄の米軍基地の騒音問題を取材すると、いつもふたつの声に戸惑う。「うるさくてたまらない」「音は慣れるよ」。ならばいっそ、住んでみよう。沖縄県宜野湾(ぎのわん)市。36歳の男性記者が福岡市から長期出張し、15日の復帰40年に向けた取材をしながら、米軍普天間飛行場=キーワード=に接する上大謝名(うえおおじゃな)地区で4カ月間暮らした。

アパートに初めて向かったのは1月中旬。車を降りた途端、甲高い風切り音が迫ってきた。空中給油機が頭上を覆う。「でかい」
米軍基地のある山口県岩国市に2年半住んだ。だが、こんなに近くで飛ぶのを見たのは初めてだった。

上大謝名地区は滑走路の延長線上にある。うるささ指数の月平均は87(4月)と環境基準の70を大きく超える。騒音発生回数は1日平均43・3回(同)。そこに約700世帯が暮らす。部屋は3階建てアパートの2階。

翌朝から、ヘリの音が目覚ましになった。夜、大型トレーラーが向かってくるような音に身を硬くした。途中から混じる金属音で飛行機とわかる。日米が制限する夜10時を過ぎても、飛ぶことは珍しくなかった。

初めは音のたびにカメラを抱えて外に飛び出した。でも、きりがない。1カ月ほどたち、あまり気にならなくなってきた。

それがもう一度覆ったのは、3月上旬の朝だった。「今日は休み」と布団に入り直した時、威圧感のある連続音がきた。2004年に沖縄国際大学に墜落した大型輸送ヘリCH53。音で機種が分かる。ボバボバボバボバ。来た。音が重い。ああもう、本当にうるさい。

こんなに怖い音だったか。仕事として音を「待ち構えていた」時には感じなかった不快さ。これが、宜野湾に暮らす人たちが言う爆音なのだと実感した。

米軍には日本の法律が及ばない。文句の言いようがないという閉塞(へいそく)感。

だからなのか、喫茶店のマスターも、理髪店主も、焼き鳥屋のおじさんも「音を気にしていたら生きていけない」と口をそろえる。

一方で飛行場内に土地を持つ軍用地主でさえ「『金をやるから文句を言うな』という音でもある。時々、撃ち落としたくなる」と言う。

4カ月間暮らし、どちらの気持ちも少しわかる。うるさい。でも慣れる。だけどうるさい。でもどうしようもない。同じ言葉が頭の中を巡る。問われ方次第で「耐えがたい」とも「慣れる」とも言える。矛盾を突きつけられ何十年も暮らす苦しさ。まして家族が一緒にいたら……。

夜も窓を開けて寝るようになった4月中旬、上大謝名地区では今年最高の119・9デシベルを記録した。120デシベルは「ジェットエンジンの近く」に例えられる。でも上大謝名地区では、それは例えではなく現実そのものだった。

(上遠野郷)

<米軍普天間飛行場>
ヘリコプターなど約50機が常駐する海兵隊の基地。宜野湾市の面積の4分の1を占める。1996年に返還が決まったが、移設先が決まらずめどが立っていない。計396人が国を相手取って起こした普天間爆音訴訟では、全員への賠償を国に命じる一方、夜間・早朝の飛行差し止め請求は退けた2010年7月の二審判決が確定。今年3月、3129人が2次提訴した。