「誰も問わない」Lccの安全性!

ANAの「LCC会社設立」報道に乗って、なんでも「格安運賃」「格安航空」礼賛の傾向で報道は扱っています。

アメリカの危機を受けて、日本の経済悪化、失業者、正規雇用者の激減、円高、株安、国民全体が貧乏になっているのが実状です。

そこに生まれた「LCC」と言う朗報ですから、飛びつきたくなるのは、もっともです。しかし、立ち止まって考える必要があります。

本来、日本の航空運賃が高い原因は、「公租公課」=着陸料という名の税金、そして航空機燃料税と言う存在があることが主要な要因です。

正規運賃は少しも下がらず、一部の条件の合った「割引」で、安くなったような錯覚を受けているに過ぎません。

誰にも平等に「リーゾナブル」な運賃体系を提供すべきであることが、本来の姿です。

飛行機は、、線路も道路もないところを刻々と変化する天候の中、1000キロのスピードで飛ぶのです。電車・自動車より人身事故の回数は少なくとも、一度墜落や重大事故を起こせば、一瞬にして数百人の人名が奪われるのです。

手厚い「安全の構え」つまり「経費」をかけて当然なのです。

こうした「最低限の安全」へのチェックを「後ろに隠して」、「安い」と言うことだけに着目して国をあげて、礼賛する風潮は、軽すぎるのではないでしょうか。

テレビなどでは、ヨーロッパやアメリカでは、それぞれの地形や、歴史から、LCCは、合理的な姿で発展している側面もありますが、テレビ報道などでは、アジアのLCC状況と何の区別もなく、説明されているようです。

南アジアのLCC発展の歴史は、マレーシア・インドネシア・シンガポールなど島が点在する地形で、経済発展とともに、多少安全に心配があっても船よりも早く「安い」ことが必須条件のもとで、発展してきました。

もう10余年もの歴史を持っています。その間に、インドネシアのアダムス航空やオリエントタイ航空の子会社、ワンツウゴー航空などの墜落事故はじめ、多くのトラブルが出ています。

事故原因の究明もされたと言う話も報告されていない状況です。超近距離の足としてアジアにはアジアの発展の様相があります。

また、日本には、高速道路や新幹線などとバランスを取った「総合的な交通政策」が必要なところなのに、無定見に作られた98もの地方空港、日米の軍事空域をすり抜けるように飛ばねばならない列島の上空、「羽田や成田の基幹空港としての装備」など日本特有のお家事情もあります。

こうした日本固有の事情を良く考えて、そのなかで日本の「LCC」とはどうあるべきか、を考えてゆく必要があるのではないでしょうか。

ちなみに、国内のLCC代表格としての「スカイマーク」は、営業的には、黒字を出して「良い経営」と言われていますが、安全面では、国交省から「事業改善命令」を受けたまま、抜本的な手直しをしたと言うことは聞いていません。重大事故を起こせば、会社の存立も危うくなる状況といわれている面もあります。

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8月26日付  日刊ゲンダイ紙 「有森氏」より。

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ANAがLCC設立へ一歩!

ANAが「LCC」会社設立の発表ということで、メディアは、随分大きな報道をしています。以下の報道にも見られるように、

1.ANAとは、別に設立される「LCC」に約40パーセントの出資をする。香港のファンド「ファースト イースタン」との提携である。

2.拠点を「関西空港」に置く予定。

3.関西/首都圏の路線も考える。(羽田はとても入れないので、茨城空港を想定か?)

4.一部報道では、「5000円」とあったが、そういう発表は、されていない。

ということがポイントのようです。

8月31日に発表された「日本航空再生案」にも、「LCC参入を検討する」と加えられていました。

政府筋がよほど「LCC危機感」を募らせている反映と言う風に見えてしまいます。

日本のエアラインJAL・ANA両社とも、アジアの格安攻勢にそれほど危機感を持っていないのではないでしょうか。中国・韓国・マレーシアなどから地方空港に入ってくる「LCC」は地方への観光客誘致、当地からの日本人観光客の利用と言う点では、発展の兆しはあるものの、首都圏の基幹空港(欧米へ向けて国内/国際、国際・国際の接続が可能)へは、発着枠や高額な着陸料からいって、とてもLCCの採算には合わない、などの問題があり、おいそれとは、就航できません。

地方空港を巡るマーケットは、現在・近い未来とも、それほどの脅威を与えるとも思えません。

問題なのは、日本のエアラインは、国内線では「高額な着陸料の他に、航空機燃油税」を支払っており、トータルな競争体力を著しく落としていることです。

関西空港は、高額な着陸料である、関西圏に3つの空港がある、ことから就航する大エアラインが次々に撤退し、着陸料の値引きなどでアジアのLCCを呼び込むことが上げ潮です。

また、成田空港にもLCC専用ターミナルの建設が予定されており、多分、時間帯が悪い発着枠については、着陸料の割引なども検討されているはずだと思えます。

今回の「ANA」のLCC対策は、こういう事態をにらみながら、「公租公課」が減じられた場合フルに動かせる「エアライン」を傘下においておくという先行投資的な意味合いを感じます。

JALは、かつて「JALWAYS」を子会社化して、リゾート路線を就航させました。タイ人CAと外国人パイロットの両輪でコスト削減を目指しましたが、コックピット内のチームワークやパイロットとCAのコーディネーションなど安全上の問題で、日本人パイロット(JALからの出向)ですべて運航されてきました。

これは、当初考えていたローコストと言う点では、あまり意味がなくなり、JALに吸収したほうがコストが削減できると言う結果となりました。

「安全」を看板にして、利用者の信頼を得て、一定のマーケットを保持するエアラインが、そのブランドで「LCC」会社を経営しても、サービスダウンや安全に不安要素を持ち込むなどをすることが、本体を揺るがすことにもなりかねない、というリスクも抱えているのです。

オーストラリアの「カンタス航空」は、機内サービスは、食事は勿論、ブランケット・イヤフォーンに至るまですべて「有料」として、合理的な運賃設定をしています。あとは、利用者個人の選択となりますが、「無事故を誇るカンタス」の大看板が「見えない安全」の信頼をうあら打ちしていると言う状況でしょう。これもLCCのひとつのタイプです。

せんだって、話題になった「春秋航空」の場合、座席を作れるだけ作っているので前後のピッチも狭く、「いったん事故やトラブルが起きた場合」窓側や真ん中の席の乗客は、外に出ることもできなくなるのは、明白です。

これからは、同じLCCにも、いろいろなタイプがあることを知っておくことが重要です。

全日空、格安航空参入を正式決定へ 関空拠点、11年度にも設立
2010.9.8 16:58
 全日本空輸が9日に開く臨時取締役会で、格安航空会社(LCC)への参入を正式に決めることが、8日明らかになった。関西国際空港を拠点とし、2011年度にも設立する方針だ。アジアの有力なLCCが相次ぎ日本に就航していることに対抗し、収益の拡大を目指す。

 新会社の資本金は数百億円とし、全日空は筆頭株主となるが、出資は3割程度に抑える。ファンドや国内の旅行会社、商社など他の業種からも広く出資を受ける方向で検討する。

 「ANA」とは別ブランドで国内線と国際線を展開。従業員も新たに採用し、給与体系を分けるなどでコストを抑え、運賃を大幅に低く設定する。

 LCCは機内食や飲料の有料化などでコストを抑え、路線や座席、時期などで大きく異なるが、運賃は大手よりも2~7割安い。会社更生手続き中の日本航空も参入に向け検討している。

「日航再建」を握るのは、銀行と財務省なのでは!

日本航空再生計画案が地方裁判所に提出されました。2010年1月に「破綻」し、法的再生を歩み、6月には、支援機構から裁判所に提出されるべき事態であったものが、政府・財務省・銀行からの横槍で2ヶ月も遅れてしまったものです。

では、この間に再建策の何が変わったのでしょうか。

・国際線撤退を15路線に拡大。国内線は30路線。計45路線に。

・3年で16000人削減というのを今年度内に。

・再上場を目指す。

・LCCに参入を検討。

と言うことぐらいではないか、と思います。

不安な面は、と言えば、安全運航!

●リストラリストラリストラと政府・銀行・国民・メディアが打ちそろって、言っています。事業規模を縮小することで、当然、人員は少なくて済むようになるわけですからここは誰もが納得できます。しかし、大丈夫でしょうか。

メディアでは、こうした話題の最後に「リストラは進めてもらわなければいけないが、安全だけは、配慮してもらわないと困りますね。」と申し訳程度にまとめられるケースが多いように思います。

一般の公共の交通機関に対して、確実に、安全には目をつぶり、目先の利益へとあるいは格安航空運賃へと流されているのではないでしょうか。

「運航面」での「具体的な安全確保」には全く触れないことも特徴です。世間が知らない「事故へ繋がりかねないインシデント」がどのように起きているのか、整備のスタンダードが規制緩和でどうなっているのか、などなど危ない現実は蓄積されていることなどは、残念ながら知らされない局面になっているのです。

●収入減で固定費減らせないとすれば・・・・。

主に国際線収支でいえば、JALというネットワークの信頼度が低下した上、15路線撤退で大幅な減収になります。事業をシュリンクさせると収支が良化しても、今度はなかなか「拡大」ができないと言う側面も持つことになります。

また、パイロットの待遇面が固定費削減の象徴のように報道されていますが、一番の癌になっているのは、「組織のムダ」です。同じような「ツアー会社」が複数存在したり、宣伝部が別会社化していたり、機内のおつまみに至るまで利権が渦巻いている、などとも言われています。要するに余計な会社が多すぎるということです。そういう点のスリム化に対しては、まだまだ甘いのではないでしょうか。

●LCC問題

もともとJALは、いわゆる「フルサービスエアライン」で、その特徴で世界にネットを広げてきました。

LCCという点では、JALの場合、外国人パイロットとタイ人CAで運航経費を浮かすと言う狙いがあって 「JALWAYS」と言う会社を作りました。

しかし、JALのブランドをつけている以上、めちゃくちゃな「運航」に劣化させるわけにもゆかず、最近、JAL本体に吸収されました。

LCCを作ろうとして「大失敗」したのです。この様子を横に見ながら、ANAは、「エアジャパン」と言う子会社で主にリゾート路線を運航させ、本格的なLCCには、手をつけていません。

LCC問題に火がついてきた主な要因は、国際線の基幹空港とはいえ、着陸料の高さから需要が減退し閑古鳥が鳴いていた関西空港や中部空港に、アジア・オセアニアカンタス系のLCCが入ってきて、好調を伝えられていること、成田空港にも発着枠が緩い時間帯に「LCC専用ターミナル」を作って積極的に迎え入れる姿勢がでてきたことにあります。

地方空港にいくらLCCが入っても、成田・羽田との連絡路線がなければ、大エアラインにとっては、あまり大きな問題とはされていないのが実状でしょう。

こういう状況下で出された「LCCの子会社」問題です。

●再生案に政府は、賛成したものの、銀行団に対して3200億円の追加融資の担保をしたということではないので、順調に再建案をこなしていても、また、この問題でもめるのではないか、とも言われています。

日航、更生計画案を提出 稲盛会長「2年で退任」

朝日.2010年9月1日

 1月に会社更生法の適用を申請して経営破綻(はたん)した日本航空と管財人の企業再生支援機構は31日、更生計画案を東京地裁に出した。5215億円の債権放棄(借金の棒引き)や支援機構による3500億円の公的資金注入で今年度中に債務超過を解消し、2012年末の再上場を目指す。

 日航の稲盛和夫会長は記者会見で「計画案が絵に描いた餅にならないようにする」と強調。一方、自らの会長職については、社員の意識改革が進んでいるなどとして「2年ぐらいで勘弁してもらおうと思っている」とも言及。就任から2年後の12年2月をめどに退任する意向を示した。

 計画案によると、日航は今年3月末時点で9592億円の債務超過。金融機関の債権放棄と支援機構の出資により、11年3月末で248億円の資産超過を目指す。

 10年3月期の連結決算では営業損益が1337億円の赤字だったが、足元の景気回復や人件費などのカットで、11年3月期に黒字に転じると予想。13年3月期には1175億円と過去最高の営業利益を見込む。ただ、テロなどの突発事態で業績が落ち込む場合は「機構は追加の財政支援を行う」とした。

 一方、採算が悪化している国内・国際線の計45路線から今年度中に撤退。グループの人員を今年度中に約1万6千人削減して約3万2600人にする。すでに約8千人の削減が決まっており、9月からの希望退職募集や子会社の売却などで達成する。収益の拡大策としては、国際線市場で成長している格安航空会社(LCC)事業への参入を検討する。

 ■日航の更生計画案(骨子)

 ・債権放棄で5215億円の借金棒引き

 ・支援機構が公的資金3500億円注入

 ・12年末までの再上場を視野に

 ・グループ人員1万6千人を今年度末までに削減し、3万2600人に

 ・今年度末までに国内外45路線撤退

 ・緊急時には支援機構が支援

 ・格安航空会社の設立を検討

日航、楽観的筋書き 好調下の更生計画案 再上場急ぐ支援機構

 経営破綻(はたん)から7カ月余。日本航空が「負の遺産」の処理にめどをつけ、本格的な経営再建に動き出す。31日に出した更生計画案は業績の「V字回復」を前提にしているが、格安航空会社(LCC)の台頭など航空業界の競争環境は厳しさを増す。公的支援の期限は2013年1月。日航は再び離陸できるのか。

 (澄川卓也、益満雄一郎)

 「二次破綻の可能性は全く認識していない」。更生計画案が11月末に認可された後、日航の全株式を引き受けることになる企業再生支援機構の瀬戸英雄・企業再生支援委員長は31日の記者会見で、再建が失敗し、破綻を繰り返すことはありえないと強調した。

 更生計画案では、2013年3月期の営業黒字が過去最高の1175億円と「V字回復」のシナリオを描く。その根拠は、3年間で約5千億円の経費を減らすという大規模なリストラ効果だ。

 日航は、赤字路線や収益が悪化していた貨物専用機事業の撤退、ホテル事業の売却などのリストラを矢継ぎ早に打ち出してきた。当初3年間で行うとしてきた約1万6千人の削減を今年度内に前倒しする。路線削減で売上高は減るが、減収を大きく上回る経費削減で利益をひねり出す。

 足元の好業績も、強気を支えている。4~6月期の連結営業利益は164億円。単価の高いビジネス需要が堅調だったことなどから、861億円の赤字だった前年同期から約1千億円も収支がよくなった。7月の営業利益は231億円に達した。

 いまの円高水準が長引けば、輸出産業が打撃を受けて、ビジネス客が減りかねない。だが、これまでのところは、海外からの燃料調達コストが下がり、日本からの海外旅行者も増えるという「円高の恩恵」を受けている。

 「バラ色」にも見える更生計画案だが、支援機構にはそんな将来像を描かなければならない事情もある。

 法律上、機構は保有する日航株を13年1月までにすべて手放さなければならず、12年末に日航株を再上場させることを検討。将来にわたって収益が上がる会社に生まれ変わることをアピールできなければ、新しい大株主も見つからず、一般株主からもそっぽを向かれかねない。保有株を手放すときの金額が、注入時の金額を上回らないと、国民負担の発生につながる。

 支援機構幹部は「我々は金もうけのファンドじゃないから、3年で投資資金を回収しさえすればいいとは思っていない」としつつも、「我々の使命は、国民負担を発生させないこと」とも指摘。リストラを加速し、再生した姿をまずは見せたいというわけだ。

 ●格安航空台頭・着陸料負担・追加融資… 立ちはだかる高い壁

 だが、日航再生には、いくつものハードルが待ち構えている。

 経営にとって、最も大きな懸念材料はLCCだ。簡素なサービスと徹底したコスト削減で、運賃を通常の半額以下にする。日航が「成長市場」とみるアジア路線でも台頭は著しく、日本の地方空港にも乗り入れ始めている。日航もLCC参入を検討するが、今後羽田・成田両空港の発着枠が増えて海外LCCが本格的に攻めてくれば、影響は必至だ。

 航空業界は景気変動の影響を受けやすく、中でも国際線は「米同時多発テロのような大事件があれば、利益はすぐ吹き飛ぶ」(大手銀行幹部)というリスクを抱える。

 国内の空港整備や維持のため、航空会社に重い負担を課してきた構図がどこまで改善されるかも見通せない。

 前原誠司国土交通相は27日、来年度から3年間の時限措置として、航空機の燃料にかかる税金を4割減らす考えを示した。税金や着陸料で毎年1700億円を支払っている日航にとって、約200億円の負担減となる。ただ、着陸料は当面据え置かれる見通しで、日航再生の「援護射撃」としては力強さを欠く。

 機構と銀行団の交渉も完全決着したわけではない。日航は3200億円の追加融資を銀行団に求めているが、銀行団は渋っている。巨額の借金棒引きをした直後、またお金を貸すのでは、自らの株主や預金者に説明がつかないからだ。

追加融資に応じれば、機構の支援が終わった後も日航との取引を続けることになり、簡単には決断できない。

 稲盛和夫会長は、12年2月をめどに退任したい意向を示した。大手銀行幹部は「問題は稲盛さんが去った後。いくら立派な計画を立てても、それを実行できる体制を保てるかどうかが最大の課題」と話す。

 ●GMと比べ遅い再建

 日本航空の法的整理は、「大企業で初のプリパッケージ(事前調整)型の倒産」とうたわれた。ただ、日航が「お手本」としていた米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の再建と比べると、遅れや中途半端さが目立つ。

 GMは昨年6月、米連邦破産法11条を申請して経営破綻(はたん)した。しかし、約1カ月で裁判所の管理下を抜け、今年8月18日には再上場を米証券取引委員会に申請。年内の上場を目指している。

 迅速さの背景には、経営破綻前に債務削減計画などを大筋でまとめておく「事前調整」があった。労働組合や公的資金を注入する政府、債権者の多くは破産法申請前に債務削減案に合意。その後の手続きを大きく省いた。

 昨年3月末時点で約500億ドル(約4兆3千億円)あったGMの借金は、今年6月末には約80億ドル(約7千億円)まで減少。雇用契約さえ白紙に戻せる強力さをもつ破産法11条に基づき、高かった人件費や福利厚生費などを削り、幹部は「もはやトヨタ自動車、ホンダよりも1人あたりの人件費は安い」と話す。

 米政府の思い切りもカギだった。500億ドルという巨額の公的資金を注入して、資金繰りや財務改善を支援。通信業界出身のエドワード・ウィテイカー氏を最高経営責任者(CEO)につけるなど、旧経営陣をほぼ一掃した。

 一方の日航も、金融機関などと「事前調整型倒産」の手続きをとった。だが、金融機関との合意は中途半端で、計画は練り直しを迫られた。倒産後の交渉に7カ月余を費やした。

 日本では確定給付年金の見直しに大きな手間と時間がかかるなど、労働者や債権者の権利をより厚く守る仕組みになっているのも影響した。

 稲盛氏が異業種から会長に就いたが、社長以下の幹部は生え抜きがほとんど。「少し業績がよくなるとすぐリストラ姿勢が緩む」(国土交通省幹部)体質を引きずっているとの指摘は根強い。

 (ニューヨーク=山川一基)

 ◆稲盛会長・瀬戸委員長「社員の意識、見事に変化」「二次破綻の可能性ない」

 稲盛和夫・日本航空会長と瀬戸英雄・企業再生支援委員長の記者会見での主な発言は以下の通り。

 ――初年度から収益が大きく改善するが、その要因は。

 瀬戸氏 「利用客の増加、貨物の好調、それにコスト削減の効果の複合要因だ。見通しが甘いという批判もあるが、現時点で計画を上回る収益が実現している」

 ――日航株の再上場を検討しているのか。

 瀬戸氏 「一つの選択肢として視野に入れている。上場するなら11年3月には準備に取りかからないといけない。

機構の支援期間は13年1月までだが、上場が難しければ、株式をどこかに引き受けてもらうことも検討する」

 ――稲盛氏は今後どのくらいの間、会長を務めるのか。

 稲盛氏 「(2月に就任した)当初から3年くらいと申し上げてきたが、年も年なので、2年くらいで勘弁してもらおうかなと思っている。社員の認識も変わってきた」

 ――どう変わったか。

 稲盛氏 「航空機を運航したままなので、従業員には会社が倒産したという意識が非常に希薄だった。創意工夫しながらコスト削減しようと連日話してきたが、(就任した)2月に比べて見事に変化した。経営感覚があり、責任感がある人が生まれてきた」

 ――再び破綻する恐れは。

 瀬戸氏 「3月には営業黒字になり、7月もかなりの好業績だ。資金に全く問題はない。二次破綻の可能性は全く認識していない」

■日航の撤退路線
 《国内線》
 新千歳     出雲、徳島、山形、※釧路、※函館
 函館      ※旭川、※釧路、※奥尻、※丘珠
 丘珠      ※釧路
 名古屋(小牧) 帯広、秋田、山形、新潟、高知、松山、福岡、長崎、熊本
 中部      青森、仙台、鹿児島
 大阪(伊丹)  三沢、松山
 関西      福岡
 広島西     宮崎、鹿児島
 鹿児島     岡山、高松
 那覇      松山
 
 《国際線》
 成田 サンパウロ(ブラジル)、アムステルダム(オランダ)、ミラノ(伊)、ローマ(同)、デン   パサル(インドネシア)、サンフランシスコ(米)、コナ(同)、ブリスベン(豪)
 関西 デンパサル、北京(中国)、広州(同)、香港、グアム(米)
 中部 広州、バンコク(タイ)
 〈※は北海道と共同出資する運航子会社の出資比率を下げるため、日航グループとしての運航は終わる。路線存続は

未定〉

燃油勢減税の方向!厳しくなった「日本のエアライン経営」にカンフル剤となるか!

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国際線の航空運賃は、1978年、アメリカの「ディ・レギュレーション」=規制緩和政策以来、ダンピング競争に陥り、当のアメリカでも、「運賃破壊」が起こり、「航空の安全性」が大きく傾きました。そして、エアライン産業自体も、パンナム・TWAなど国際線ネットワークでビジネスする巨大エアラインが次々と倒産するまでに至りました。(詳しくは、ここをクリックしてください

日本のエアラインが欧米・アジアのエアラインと互角に戦えるためには、経営の重石となっている日本特有な高額な税金「航空機燃料税」「空港着陸料」を引き下げていかなければならない状況に置かれています。

やっと、一歩を踏み出したのかと言う思いは、ありますが、報道にもあるように「空港整備勘定」の有り方ひとつで、減税も骨抜きとなってしまう側面もあります。普天間問題も絡み、複雑なお家事情も重なります。

いずれにしても、現在の運賃破壊・オイルの値上がりと言う経済情勢の中で、政府は、「国民の安全な足」となるような「エアライン育成」という航空政策の緊急なる実施が求められていることは、確かです。

折りしも、与党・民主党の代表選のさなかではありますが、利用者としても、今後に注目することが重要だと思います。

航空機燃料税、減税要求へ 着陸料下げは見送り 国交省

朝日新聞.8月26日

 国土交通省は来年度の税制改正に向け、航空会社に課している航空機燃料税について4割強の減税を求める方針を固めた。燃料税の減税が実現すれば、1972年の導入以来初めて。この税収は特別会計を通じて空港整備に充てられてきたが、税収減に応じて空港整備費を抑制できるかどうかは不透明だ。

 国交省の要望方針では、減税期間を当面3年間とする。

燃料税は13分の11が国、13分の2が地方自治体に入る仕組みだが、国に入る分を半分に軽減。減税額は300億円前後にのぼる。

一方、民主党がマニフェストで掲げた着陸料の引き下げは見送る


 燃料税は、空港整備を目的とする特別会計(社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定)の借入金を除く歳入の2割近くを占める。

航空会社にとって燃料税は着陸料とともに大きな負担となっており、日本航空の経営悪化の一因になったとされる。一方、全国に過剰な空港が造られる原因とも指摘されてきた。前原誠司国交相も就任早々から、この特会の構造を見直す方針を示していた。

 ただ、燃料税を大幅に減税すると、それに見合った空港整備費の削減が必要になる。国交省は当初、燃料税を半減するかわりに、2012年度の完成を目指して建設中の新石垣空港(沖縄県)を含むすべての空港工事の凍結を検討し、財務省との交渉を進めていた。
 だが、沖縄県の仲井真弘多知事が先週、前原国交相に新石垣空港の建設推進を陳情。これを受け、同空港の建設予算の削減幅を少なくし、完成時期を1年遅らせるだけにとどめ、当初予定の12年度中に暫定的に開港するとした。

 調査費の要求を見送る方向だった那覇、福岡両空港の2本目滑走路の増設についても、調査費を要求する方針に転換。一方、地方自治体に入る燃料税の半減についても、空港がある自治体からの反発を受けて見送った。
 航空会社の負担軽減が不十分になる一方、空港整備はほぼ従来通り進めることになり、「骨抜き」との批判も出そうだ。(大平要)