台湾 澎湖島 トランスアジア機の「墜落」について

台湾、澎湖島で「着陸時の事故」墜落がありました。昨夜にこの一報を聞いたとき、正直に言えば「またか!」という印象を受けました。またか!というのは、悪天候の中!という意味です。

~悪天候になぜ?あえて「着陸」を選択させたのか?~

7月10日台風8号への備えとして日本の空は、多くの便を欠航としました。 少なくとも日本の航空では「悪天候下に無理な離着陸は避ける」という概念が存在しています。

これは、過去の事故の教訓が少なくとも生きている側面ともいえかもしれません。

悪天候の中起きた過去の主な墜落事例として以下があります。

1977年 日本航空クアラルンプール墜落事故 JAL( 他社機は悪天候の中、シンガポール空港へと退避(daiversion)している中で日本航空機のみが向かったと当時言われていた)

2000年 台北シンガポール航空機墜落事故

~悪天候の中、パイロットの決断は「もう、降りるしかない」~

台風10号の影響で該当のGE220便は、高雄を定刻より1時間43分遅れて離陸しました。30分程度の飛行時間(120㎞の距離)のところですから、引き返すこともできた範囲です。パイロットの操作判断や機材の故障などは、事故調査結果でやがて明らかになることですが、

私の意見としては、何よりも「エアラインとして安全運航に対する判断が甘かったのではないか」と言わざるをえません。台湾の航空当局の発言も納得がいかないところがあります。(当時の天候は離着陸に問題なかったという趣旨)メディアも事故原因追究と共に、こういう「おおもとの問題」に触れていただきたいと思っております。

24日は、テレビ朝日「グッド モーニング」TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」などでお話をしました。

操縦室からは、元機長の杉江氏、小林氏が次のような趣旨の意見を述べられています。

澎湖島上空でも旋回して天候の回復を待ったものの燃料も限界に近ずいたいたことと推定され、目視で滑走路が視認できにくい状況でも着陸敢行を余儀なくされたのではないか?(元機長杉江弘氏談)また、強いウインドシアで低空の中揚力を失い失速墜落したのではないか(元機長小林宏之氏談)という意見もあります。

「ウィンドシア」・・・・急激な気流の変化 が原因ではないかといわれている着陸失敗事故→

2009年 フェデックス80便着陸失敗事故(成田空港)

ATR72という航空機は~

ジェットではなく、ターボプロップエンジン(いわばジェットとプロペラの中間)近距離、離島間をつなぐコミューターとして使用されている飛行機です。かつての「YS-11」、「ボンバルディア」などと同様なところで就航しています。日本では使われていません。

~安全運航の基本は、「無理をしない」こと~

トランスアジア航空では、事故後以下を発表し、悪天候の中を飛ばしたことについて微妙に触れています。(トランスアジア航空HPより)

弊社GE222便の事故について

昨23日、乗客54名・乗員4名が搭乗する高雄発馬公行きの弊社GE222便(ATR72型機 双発プロペラ機)は

台風の影響で出発遅延となり18:30に馬公に到着予定でしたが 、天候の影響を受け、空港付近の西渓村に墜落しました

お亡くなりになられたお客様のご冥福を衷心よりお祈 りするとともに病院に搬送されたお客様の一刻も早いご 回復を心から願って止みません。 同時に関係各方面に 対して多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしましたこ とを深くお詫び申し上げます。事故原因はいまだ調査中 ですが公共交通機関を担う者の最大の責任として、今回 の事故を重く受け止め安全の維持・向上に向け、スタッフ一同さらに気を引き締め全社をあげて取り組んでまい る所存です。 引き続きご愛顧を賜りたく宜しくお願い申し上げます。

トランスアジア航空 日本支社
2014年7月24日

台湾の旅客機墜落で47人死亡、台風直撃で視界不良【トランスアジア航空機】[台北 23日 ロイター]

台湾の澎湖島で23日、復興航空(トランスアジア航空
)機の国内便が着陸に失敗して滑走路近くに墜落、47
人が死亡した。台湾当局が明らかにした。墜落したのは双発プロペラ機ATR72で、乗客54人 乗員4人が搭乗。現場周辺は、台湾を直撃した台風10 号の影響で視界が悪かった。台湾当局によると、搭乗者のうち11人の負傷者は病院 に搬送された。墜落によって火災も発生したが、住民ら に死者やけが人は出なかったという。同機は台湾南部の高雄を出発し、澎湖島の馬公に向かっ ていた。澎湖県政府の広報は、「墜落発生時、雷雨に見 舞われていた。滑走路近くのアパートで火災が起きたが 中には誰もおらず、火はすでに消えた」と説明した。

現場には消防隊員約100人、警官255人に加え、兵
士152人が派遣されている。

台湾の民用航空局は、墜落時の現場の天候について、管制官からの情報として、国際的規定の範囲内で着陸は可 能だったとしている。

復興航空は台湾に本拠を構え、国内線のほか、日本やタ イ、カンボジアなどアジア各地にも就航している。

墜落現場ロイター

マレーシア機「撃墜」さる!民間航空機の安全を守る道を考えなければいけません!

 

撃墜されたマレーシア航空機は、1万メーター(33,000フィート)という通常の長距離航空フライトの巡航高度を維持し、ルートも国際的に決められたところから逸脱していたわけではありません。

それなのに、一瞬にして「撃墜」されてしまうとは!!!本当に恐ろしいことです。

298名の命が犠牲となりました。日本のメディアではそれが使命とはいえ、「日本人は搭乗していない模様」という報道が虚しく聞こえるような気がするのは私だけでしょうか。

犠牲者に深い哀悼の意を捧げるものです。合掌!

「誤爆」であろうが「故意」であろうが、民間航空機を撃墜した言い訳などにはなりません。

「親ロ派」であるのか「ウクライナ」なのか、どちらにしても国際的に見ても人間社会の「品格」さえ逸脱した蛮行といえます。

親ロ派の手にある「ブラックボックス」がどのように公正に世界に開示されるか、は世界中がかたずをのんで見守っており、「この殺人行為」の責任所在はやがて明確になることと思います。

私たちは「戦争」からも「民間航空機の航行の安全を守るためにどうしたらよいのか!」を真剣に考えるべき時に来ていると強く感じます。

 

 

過去にも緊張下で民間機に被害 ウクライナ軍もシベリ
ア機に誤射
2014.7.18 22:16(ロイター)

民間航空機の撃墜は、過去にも冷戦下の大韓航空やイ
ラン・イラク戦争でのイラン航空機などがあり、原因の
多くは領空侵犯や、戦闘機と誤認したことによる地対空
ミサイルの誤射だ。

大韓航空撃墜事件は東西冷戦下の1983年9月に発
生。大韓航空のボーイング747が旧ソ連領空に入り、
サハリン上空で旧ソ連軍戦闘機に撃墜され、日本人28
人を含む乗客乗員269人全員が死亡した。

55年7月に起きたイスラエルのエル・アル航空機撃
墜事件も、同機が誤ってブルガリア領空を侵犯したため
、緊急発進したブルガリア空軍機により攻撃され、墜落
。58人が死亡した。

領空侵犯していなくても、誤射により撃墜されたケー
スもある。イラン・イラク戦争停戦間近の88年7月、
米海軍のイージス巡洋艦がペルシャ湾上空でイラン航空
のエアバスA300を戦闘機と誤認し、地対空ミサイル
で撃墜、乗客乗員290人全員が死亡した。

2001年にはロシアのシベリア航空機がウクライナ
軍の地対空ミサイルの誤射で黒海に墜落。当時のウクラ
イナのクチマ大統領は「こんなこと(誤射)は世界のど
こでも起きうる」などと発言、物議を醸した。

再び、マレーシア機墜落❗️「ウクライナ戦闘地域周辺」ということが気がかりです。

日本では、「集団的自衛権」問題が「憲法9条の根幹」を毀損する!として国民的な議論が始まっています。
マレーシア機の墜落原因特定については、今後の調査・報道を待つしかありませんが、墜落地点が「ウクライナ戦闘地域周辺」ということが大変気がかりです。

日本がなんらかの戦闘行為に参加したとたん、「民間航空機」も大きな危険にさらされます。こういう議論が何も聞こえてこないことに「不安」を覚える日々でもあります。

マレーシア航空機が墜落か ウクライナ東部
2014.7.18 00:37 [航空事故・トラブル]
 【キエフ=佐々木正明】インタファクス通信によると、17日、ウクライナ東部ドネツク州内で、アムステルダム発クアラルンプール行のマレーシア航空の旅客機ボーイング777が墜落した。

 ウクライナ治安当局によると、同旅客機は高度1万メートルの上空でレーダーから姿を消し、その後、ドネツク州内東部シャフチョルスクに墜落したという。同機は295人の乗客乗員を乗せていた。

 現場付近はウクライナ政府軍と親ロシア派勢力が戦闘を行っている地域。

なぜ「システム」が壊れたのか?バックアップのシステムは?疑問の残る「JALの運航」

「整備ミス」に続いて、考えられないことが次々に起きています。

まず、「どういうことが起きていたか」といいますと「離陸に当たっての飛行機の重心位置が算定できない」「従って離陸できない」という事態になったのです。

コンピューターのシステムダウンということですが、こういう重要なデータシステムに「バックアップのシステム」は作動しないのでしょうか?それともコストカットでそういうシステムはないのでしょうか?知っておきたいことです。

以下 航空実用事典 より

.ウェイト・アンド・バランス(weight and balance)
航空会社では,各飛行の前に航空機の重量および重心位置を,実測または計算によって算定し,安全に飛行するため,あらかじめ設けられた重心位置移動許容範囲に収まるよう,重量の分布を操作している。重量のデータは,必要燃料,許容搭載量,離陸のときの速度,滑走距離の計算,エンジン推力の設定,飛行高度の選定などに利用され,重心位置のデータは,離陸時の水平安定板の角度のセット,飛行中の燃料消費による重心位置移動範囲の確認に使われる。
このウェイト・アンド・バランスには,ふつう特別な図形(weight and balance manifest)を使うが,日本航空ではほとんどの空港で旅客のチェックイン業務と連係したコンピューターを利用しており,速くしかも正確なデータが算出されるようになっている。

 

日本航空、システムトラブル…欠航や出発の遅れ

読売新聞2014年6月5日(木)13:14

5日午前9時15分頃、日本航空のコンピューターシステム
にトラブルが発生し、全国の空港で欠航や出発の遅れが発生し
た。 トラブルがあったのは、機体への荷物の搭載計画を作成する
システムで、午後0時半現在、国内線21便の欠航を決めたほ
か、国際線を含む多数の便で遅れが発生している。 職員が荷物の重量などを直接計算して出発準備にあたってい るが、システム復旧のめどは立っておらず、同社で原因を調べている。

欠航174便に拡大=6日は通常運航―日航

時事通信2014年6月5日(木)21:39

日本航空のシステム不具合による国内線の運航トラブルは5日午後も続き、羽田発着便を中心に計174便が欠航、約1万4000人に影響が出た。最大約4時間15分の遅れが生じ、国際線も遅れた。システムは同日夕に復旧し、6日は国内線4便を除き、通常運航する予定。同社が原因を調べている。

日航によると、不具合が生じたのは、機体のバランスを保つため、積み込む荷物の重量や重心を自動計算するシステム。5日午前9時15分ごろに発生し、社員が手作業で計算しながら荷物を積み込んだ。

なぜJALでは終日、「重量管理システム」の不具合で欠航・遅延になったのか
(マイナビニュース2014年6月5日(木)22:49 )
6月5日9時15分頃、日本航空(JAL)で航空機の重量管理システムに障害が発生した。システムは17時頃に復旧したものの影響は終日続く見込みだ。18時現在で羽田や伊丹、福岡などで150便以上が欠航し運航された便にも大幅な遅れなどが生じ、1万人以上に影響が出ている。羽田では予約便の変更をする乗客などで長蛇の列ができ、また、乗客の手荷物検査を一時ストップするなど、同社のスタッフは対応に追われている。

適正な重心位置を定めるシステム

重量管理システムとは、簡単に言えば出発前に航空機の重量から当該便の重心位置を決めるシステム。航空機は機種に応じて適正な重心位置の範囲が決められており、その範囲に重心が収まらないと離陸できない。特に前後のバランスが重要で、乗客、貨物(荷物)、燃料の重量は便によって違うため、1便ごとに重心を決める作業が必要になる。

重心が機体前方に行きすぎると前のめりになり、後ろ過ぎると失速してしまう。紙飛行機を想定すれば分かる簡単な原理だ。また、バランスが悪いと燃料を多く消費し、経済的な損失が出てしまう側面もある。

このシステムが使えなくなるとスタッフが手作業で行うしかなく、通常よりも大幅に時間がかかってしまう。今回はこうした理由から遅延が生じたほか、欠航せざるを得なくなった。

○航空業界では珍しいトラブル

重量管理システムの故障は航空業界では珍しいトラブルだが、報道によるとシステムに障害となったデータが含まれており、そのデータを削除したところシステムが復旧したという。

高度にシステム化された現在の航空運航では、こうしたひとつのミスが乗客に多大な迷惑をかけることになる。今回は離陸前の作業における障害だったが、場合によっては運航の安全性も左右しかねない。原因をしっかり究明し明らかにするとともに、しっかりとした運航管理をしてほしい。

クイズ番組でも・・・・

ウエイト&バランス のクイズ番組

エンジン部品付けずに飛行=半年でミス16件、

対策検討―日航

時事通信2014年5月30日(金)18:16

日本航空で昨年10月~今年5月、旅客機のエンジンに部品を取り付けずに飛ばす などの整備ミスが16件起きていたことが30日、同社などへの取材で分かった。国 土交通省は多くのミスが続いた点を重視し、原因究明や再発防止策の取りまとめを指 示した。

同社や国交省によると、ボーイング777型機で5月8日、右エンジンの逆噴射装 置にある「整流板」という部品がないのに整備士が気付いた。3月末の整備で担当者 が付け忘れていたことが判明。同機はこの間、約1カ月にわたり、国内線で運航され ていた。

1月にはボーイング767―300型機で着陸用タイヤの間隔を保つ部品の付け忘 れがあったほか、昨年10月には潤滑油が入った缶を胴体下部の電気室に置いたまま 離陸するなど、ミスが相次いだ。 いずれも羽田空港で作業が実施されており、同社は5月19日から5日間、羽田で の大規模整備を休止し、手順の再確認や整備士同士の意見交換を行った。 日航広報部の話 真摯(しんし)に反省し、基本作業を忠実に実施して、こういう ことがないように努めたい。

[B-787問題] 航空局(FAA)の審査が甘かったとNTSBが指摘!

photo_2

2007年7月8日(日)(07/08/2007)、米国シアトルにあるボーイング社のエバレット工場で、787ドリームライナー1号機目のお披露目式(ロールアウトセレモニー)

以前からアメリカ国内の航空界では、「B-787の耐空証明を出した(飛ぶことを許可した)FAA(連邦航空局)の審査が甘かったのでは・・・!!」ということが公然と言われていました。こうした世論を反映して、昨年の2013年6月には、米議会公聴会でも「指摘」されていました。

「米ボーイング とFAA、787型機の認証手続きは適正だったと主張=議会公聴会=ロイター」」

日本とはちがって、航空局から独立した機関であるNTSB(国家安全運輸委員会・事故調査委員会)は、これまでも「バッテリー火災事故の原因は未だ不明!」としてきましたが、調査より1年5か月を経過した5月23日、「B787機の出火バッテリーについて『安全審査が不十分=朝日』」という見解を明らかにしました。

これは、航空審査の当局である「FAA」の審査過程や基準に疑問を呈したものであり、「787の根本的安全性は未だ未知」ということを物語っているとも言えます。

「FAA」が運航許可を出して「787」は世界の空を飛んでいるだけに、少なからず衝撃的です。一日も早く「原因究明を!」と願うばかりです。