エンジンの異常で緊急着陸した機体を調べる航空事故調査官ら=16日午後4時ごろ、名取市の仙台空港
日航機の緊急着陸 右エンジンに火災痕 空港で調査開始
2010年08月17日火曜日 河北新報
仙台発福岡行き日本航空3538便(MD90)が15日、離陸直後にエンジンの異常で仙台空港に引き返したトラブルで、国土交通省運輸安全委員会は16日、事故につながる恐れのある「重大インシデント」に当たるとして、航空事故調査官2人を同空港に派遣し原因究明の調査を始めた。右エンジンのカバーが焼け焦げるなど、火災とみられる痕跡が確認された。
調査官は日航関係者らから事情を聴くとともに、異常があった右エンジンを重点に機体を調べた。状況を確認後、調査官は「エンジン内部に何らかの原因があったと考えられる。エンジンを分解し、詳しく調べたい」と話した。日航側には右エンジンを機体から取り外すよう指示。エンジンは設備の整った場所に移して調査するという。
国交省などによると、同便は15日午後4時10分ごろ、離陸直後に右エンジンの火災発生を知らせる計器表示が出た。右エンジンを止めて消火装置を作動、約15分後に緊急着陸した。乗客乗員106人にけがはなかった。
● MD-90(クリック)についてのヒストリー
●以下は、2007年のトラブル。
日航機 配管に亀裂 MD90型機など9機
2007年 2月25日 産経新聞
日本航空のMD90型機など9機で、機体尾部のエンジンから主翼にある凍結防止用装置まで空気を送る配管に亀裂が入っていたことが24日、分かった。うち1機は今月17日、関西空港に緊急着陸するトラブルを起こしている。日航は9機の部品を交換するとともに原因を調べている。日航によると、亀裂が見つかったのは、エンジンから取り込んだ空気を送る直径12センチの配管と配管をつなぐコネクターと呼ばれる接合部分。 配管は機体尾部のエンジンから取り出した高圧の熱い空気を主翼に送るもので、凍結を防ぐ役割をしている。凍結すると飛行が不安定になるなど支障は出るが、即、墜落につながることはないという。 緊急着陸したのは花巻発関空行き2620便。近畿上空で火災警報灯が点灯したため、17日午後0時7分、関空に緊急着陸した。亀裂は接合部分を1周しており、配管がずれ落ちていた。 この接合部の亀裂から空気が漏れ、周りの断熱材がちり状に舞い上がり、煙のようになったため、火災警報灯が点灯したものと分かった。 さらに日航が他のMD90型機15機を調べたところ、7機に亀裂が見つかった。またMD87型、MD81型機計23機中、1機に同様の亀裂があった。亀裂は小さなもので周囲の6分の1、大きなものは1周していた。
日航は接合部分の溶接に問題があった可能性もあるとみて、メーカーの米ボーイング社とともに原因を調べる方針。
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【用語解説】MD90
MDシリーズは米マクドネル・ダグラス社(米ボーイング社に吸収合併)が1960年代から開発した短距離用小型ジェット機DC9の後継で、エンジンが機体尾部に2基あり、丁字形の垂直尾翼が特徴。95年に就航したMD90は、低騒音の高性能エンジンを搭載し、標準座席数は166と初期のDC9の2倍近くまで大型化した。ボーイング社のホームページによると113機が製造され、日航と経営統合した旧日本エアシステム(JAS)が95年に16機を導入した。





