~甘かった日本のSARS対策~
世界中が「SARSの自国への侵入を最小限に食い止めるためにどうすべきか」ということに大きな力を集中させている中、発信地と推定される中国・香港などに地理的にも近接している日本では、厳しく、徹底した対策(あらゆる場面の想定を含む)が求められていたはずでした。
ところが、当然予期される事態であった”SARS感染者が、航空機に搭乗していたことが、後日判明した場合”への対処は、一分一秒を争うことなのに、航空会社・空港検疫所から関係各機関への通報が、最大24時間も遅れていたことは、既に報道されていましたが、更に、”この事態にどういう緊急措置をとるべきか”ということを、多くの航空会社では、マニュアル化もされていなかったことが、判明しました。
これは、いかに日本政府(国交省・厚労省などの関係省庁)の認識が甘かったか、を証明するものです。いまさら、「法的には、連絡しなくても問題ない。」などの発言もしており、論外です。
航空会社にも責任の一端は、ありますが、根本的には、最前線にある、空港検疫、航空会社、空港施設へ方針伝達、指導が、いかに不適切・不徹底だったかを物語っています。
まだまだ、SARS対策には、不安が残るように感じます。
【参考ニュース】
☆新型肺炎>事後発症の通報、航空会社にマニュアルなし
毎日新聞ニュース速報
SARS感染者が航空機に搭乗していたことが後日分かった場合、政府などへの連絡について、国内の空港を利用する航空会社の多くで、マニュアルが整備されていないことが20日分かった。日本を旅行し、SARS感染が確認された台湾人男性医師(26)が利用した日本アジア航空は、この医師が搭乗していたとの連絡を台湾衛生署(衛生省)から得ながら、翌日になって関西空港検疫所に連絡していた。国土交通、厚生労働両省は連絡の義務がないことを認め、連絡体制を徹底させるとしている。
日本アジア航空によると、今月15日午後7時、台湾衛生署から同社台北空港支店に「搭乗者の1人をSARSの疑いで隔離した」と連絡があった。情報は同8時半に本社(東京)役員に伝わったが、関西空港支店を通じて関西空港検疫所に連絡したのは、半日後の翌16日午前9時半だった。
検疫法では、航空機内でSARSなど感染症を発症した場合は直ちに検疫所に通報しなければならないが、今回のように事後に発症した場合の連絡義務はない。同社は「当然、日本と台湾の当事者間で連絡しあうと考え、参考までに伝えただけ」と説明する。
同社を傘下に持つ日本航空システムグループは「社内にSARS対策室を設けているが、機内で発症した場合の対処。後日に感染確認した時の通報は要領に定めていない」
。全日空グループも「後日に感染者は搭乗していたことが分かった場合の対応は、マニュアル化していない」と説明する。
国内に乗り入れる航空会社は、大韓航空が「SARS指針を設けており、事後でも検疫機関に連絡することになっている」としているが「通報を決められているわけでない」(タイ国際航空)、「マニュアルはないが、後になって感染が分かれば連絡する」(エバー航空)など、対応はさまざま。
今回の日本アジア航空の対応について、国交省航空局危機管理室は「今後も同様のケースがあると予想され、航空会社と連絡体制を確認したい」と説明。厚労省結核感染症課は「正式な情報でなくても、知り得た情報を速やかに流すよう、国交省と話し合い、徹底したい」としている。【佐藤孝治、服部正法】
