やはり、SARS情報は隠された・・。

~中国・台湾の教訓は、生かされず?~
SARSの防疫対策として、
1.発病者の完璧な隔離
2.感染ルートの解明と事実関係の公表
3.政府厚生労働省・自治体の緊密な連携
  (関係自治体への早期の情報開示)
は、基本的な問題であり、中国では事実を隠蔽した北京市長、また事実を過少公表しかしなかった中国政府に対し、国際的な責任さえ問われ、国家として謝罪する事態まで至っていた。
これにもかかわらず、台湾人医師感染発病問題では、厚生労働省は、虚偽の発表までした、とマスコミからも批判されるに至っている。
パニックを避けようとして、かえってパニックを起こすという、最悪な事態を呼んでいる。地元観光地への悪影響は、計り知れない。
このSARS問題は、只でさえ景気は、悪化するばかりの中で、二次的に経済危機さえ引き起こす問題でもある。国をはじめ関係自治体は、腰をすえて、この事態に立ち向かうことが求められている。

【参考ニュース】
 ☆ 新型肺炎医師との接触者調査、1708人異常なし
 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に感染していた台湾人医師(26)が日本を観光旅行していた問題で、厚生労働省は18日夜、関係自治体が行っている接触者の調査状況(速報)を公表した。
 同日午後7時現在、調査対象者は延べ2421人で、このうち1720人の調査を終え、1708人に健康異常がないことを確認した。残る12人の多くは、発熱のない軽い風邪などだった。[2003-05-19-01:31]
 ☆厚生労働省、医師の全訪問施設を公表
 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に感染していた台湾人医師(26)が日本を観光旅行していた問題で、厚生労働省は18日、医師が訪れたホテルや飲食店などすべての施設名を公表した。
 「接触者調査を早く進めたい」との理由からで、一部の施設、交通機関については、当時の利用者に保健所などへの連絡を求めている。ホテル側は「打撃は大きいが、仕方ない」と苦渋の表情を見せている。
 同省はこれまで、医師が利用した公共交通機関などは便名なども公表し、利用者に注意を喚起してきたが、ホテルなどは公表の対象外としてきた。しかし、大阪市の「都ホテル大阪」などでは連絡が取れない宿泊者もおり、「早期調査のため、公表も致し方ないと判断した」という。
 同日夕に公表された医師の「行程表」には、相手側の了解を得た上で、施設名のほか、医師が利用した客室番号、利用日時なども明記された。さらに、医師が9日夕に発熱後、2メートル以内の「濃厚接触」があった可能性のある施設や交通機関を抜き
出し、医師と同じ時間帯に利用し、まだ調査を受けていない人は、関係府県や近くの保健所などに申し出てほしいと呼び掛けた。
 厚労省は、医師が発熱する前は、他人に感染させる恐れはなかったとして、9日夕以前の施設については接触者調査の対象から外した。「行程表」は同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)で公開されている。
 一方、これまでの調査で、医師と同じホテルに宿泊した男性2人が、38度以上の発熱があったことが判明した。いずれも18日までに平熱になり、階も異なるため、「疑い例」にも当たらないという。
 ◆休業、相次ぐキャンセル…宿泊ホテル苦渋◆
 医師が宿泊した「都ホテル大阪」(大阪市天王寺区)は18日、役員らが記者会見して2次感染の予防策などを説明、安全性を強調した。独自の判断で17日から感染者が宿泊したことを告知しているが、伊藤正弘総支配人らは「感染予防策を取っており、お客様に安心して使ってもらえるホテルだと理解してもらえるはず。海外客へのセールスを積極的にしてきただけに残念」と苦渋をにじませた。
 すでに予約客424人と宴会22件がキャンセルになるなど、計約2000万円の損害が出た。当分、台湾や中国などからの海外客にはホテルの宿泊を受け付けないという。
 17日から営業自粛している京都府宮津市の「天橋立宮津ロイヤルホテル」の中定和敏支配人は「当然のこと。保健所などと連絡を密にし、事態を良い方向に収拾したい。営業再開後のことまで考える余裕がない」と話した。
 香川県・小豆島の「小豆島グランドホテル水明」の社長は「朝、県から相談を受けて承諾した。島内の他のホテルや施設に迷惑がかかると思い、仕方がなかった。影響は1か月は続き、1000万円以上の減収になる。国や県はどこまで支援してくれるのだろうか」と怒りを隠さなかった。
 ☆ SARS―この反省を生かせ
朝日新聞ニュース速報
 関西や四国を観光して台湾に戻った男性医師が新型肺炎SARSと診断された。患者が日本に入ったことが確認されたのは初めてのことである。
 この男性が回ったのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや天橋立、姫路城などの観光地を中心に2府3県に及ぶ。
 厚生労働省は、男性が宿泊したホテルや立ち寄った飲食店、観光施設などの名前を公表し、同じ施設を利用した人に発熱やせきなどの症状が出た場合に連絡を呼びかけている。
 幸いなことにいまのところ二次感染した人は見つかっていないが、移動するのが常態という観光客の存在はSARS対策の難しさを改めて示すことになった。
 男性が立ち寄った先にとっては、厳しい決断だったろう。しかし、ホテル名などを公表したのは、パニックを防ぐためには必要なことだ。不安をぬぐうには、情報を隠すことはできない。
 関係する役所はSARS対策に取り組んできたはずだ。それにしては、政府と自治体との連携で問題を残した。
 16日朝、大阪府に「関西空港から出入国した男性がSARSの疑いで台北の病院に入院した」という情報が入り、大阪府から連絡を受けた厚労省は、夕方から夜にかけて宿泊したホテルがある自治体に「感染の疑い」を伝えた。しかし、詳細な情報ではなかったため、自治体側は、別個に旅行業者などに問い合わせることになった。
 厚労省は、海外からの観光客に感染の疑いのある人が出た場合という想定を、ちゃんとしていなかったのではないか。
 18日に大阪で開かれた厚労省と自治体担当者の連絡会議では、情報の共有を徹底することが確認された。今回の経過を洗い直し、改めて態勢を整えるべきである。接触した可能性がある人の調査を、どこが主体になってどの範囲まで実施するのかについても、ガイドラインのような形で示すことが必要だろう。
 SARSの上陸を防ぐことは、非常に難しい。
 国際空港では赤外線カメラで発熱を監視する装置を設置しているが、症状が出ていなかったり、解熱剤を使ったりしていれば発見はできない。
 だからこそ、病気に対する正しい知識を広める必要がある。SARSウイルスは何かに付着しても2日程度しか生きられない。すれ違ったぐらいですぐに感染するものでは
ない。いたずらに恐れる必要はない。風評被害や、患者への人権侵害があってはならないのはもちろんだ。
 今回の問題は、二次感染の危険性が大きい医療従事者が潜伏期間も過ぎないまま不要不急の観光旅行に来たために起きた。
 政府は台湾当局に抗議したが、流行地域に対しては、リスクの高い人の日本への渡航を控えるよう要請すべきだろう。[2003-05-19-00:16]
 ☆ 日本人との接触ない…台湾人医師が強調
読売新聞ニュース速報
 【台北=若山樹一郎】日本への観光ツアー後、新型肺炎(SARS)感染が確認された台湾人医師(26)が勤務する台北市の馬偕記念病院は17日夜、この医師の声を録音したテープを公表した。
 その中で医師は、日本への出発前には発熱や頭痛などの症状はなかったと説明し、「(9日夜に)熱が出たが、日本は寒かったので普通の風邪かと思い、薬を買って飲んだ」と述べた。日本滞在中は発熱などの異常はなかったが、台湾に戻った直後の14日午後、頭に不快感があったため、同院で受診したという。
 医師はまた、「日本ではすべて団体で行動し、日本人の友人もなく、訪ねた人もいなかった」と、日本人へとの接触が無かったことを強調した。
 同院によると、18日午前の段階で、医師には発熱やせきはないが、肺炎の症状が出ているという。14日に2900だった白血球数は、17日夜には3700に上昇している。
 同院では、救急治療科に勤務するこの医師が新型肺炎患者に直接接触しておらず、出発当時の健康状態も良かったとして、台湾当局が定めた渡航制限に該当していなかったことを重ねて強調している。
 その一方で、黄俊雄・院長は「本院医師が、感染を知らないまま日本に旅行し、日本の友人に混乱と恐慌をもたらし、深くおわびする」との声明を発表した。
 台湾の夕刊各紙によると、陳建仁・衛生署長(衛生相)は18日、「医師は感染を知らずに日本に行った。処分すべきとは考えない」と語った。
 ☆ <新型肺炎>キャンセル続々 台湾医師訪問の観光地などに波
毎日新聞ニュース速報
 新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)に感染した台湾人男性医師の関西、四国での行程が18日、厚生労働省から発表された。情報公開で市民の不安に応え、接触した可能性のある日本人の調査を進めるのが目的という。しかし、公表された観光施設ではキャンセルも入り、感染地域からの宿泊予約を断るホテルもあるなど、波紋が広がった。観光地の関係者からは「早く安全宣言が出て欲しい」との声があがった。
 台湾人医師が8、9日に宿泊した都ホテル大阪(大阪市天王寺区、575室)は18日、感染が拡大している台湾、中国、香港からの宿泊申し込みを当面は断ることを明らかにした。ホテル側が感染の有無をチェックできず、他の宿泊客に不安を与えないためという。医師が泊まった6階の全室(50室)の利用も当分の間中止した。
 同ホテルを経営する「近鉄ホテルシステムズ」の鈴木康之社長らの会見によると、既に台湾のツアー客の申し込み25件すべてを17、18日に断ったという。断る際には「台湾からの宿泊客に感染者がいたため、ご理解ください」などと説明しているという。レストランなどには、感染者が宿泊していたことを告知する張り紙をした。同ホテルでは、宿泊や宴会などの予約キャンセルが約330件に達し、損害額は2000万円以上という。
 同ホテルは台湾人医師と接触した可能性のある従業員48人を特定したが、現時点でいずれも異常がなかった。
 また、天橋立(京都府宮津市)がある宮津天橋立観光旅館協同組合(37会員)によると、17日夜までに市内11旅館・ホテルで71件293人分のキャンセルがあった。「2次感染が起きるとは思えないが、観光客にとって心理的な影響が大きい。早く終息宣言を」と話す。
 香川県・小豆島に毎年修学旅行に来ている名古屋市内の中学校は、今月20日から23日までの日程で3年生約170人が島内のホテルに宿泊予定だったが、取りやめた。ホテルは台湾人医師が宿泊したホテルとは別だが、念のための措置という。
 京都・保津峡のトロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)には4中学校の修学旅行生計約270人分のキャンセル連絡があった。明石稔・鉄道部長は「車両の消毒も済ませてある。お客様の冷静な判断を期待するだけ」と話していた。
 一方、大阪市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や兵庫県姫路市の姫路城では18日、多くの観光客が訪れた。USJの運営会社は約6000人の従業員への健康調査を進めているが、今のところ問題はないとしている。
[2003-05-18-20:34]
 ☆「外国人お断り」も キャンセルは2千万円超 名前公表ホテル
共同通信ニュース速報
 「ほかの客の安全を考えて、台湾や中国をはじめ、欧米からの客も受け入れない」。十八日、新型肺炎(SARS)と確認された台
湾医師の宿泊先として名前が公表されたホテルはそろって台湾などからの「旅行者お断り」を決め、拒否の対象を外国人すべてに広げるホテルも出てきた。
 医師が八、九両日宿泊した大阪市天王寺区の都ホテル大阪は「台湾には積極的に営業活動してきたが、客の不安をぬぐうため」と台湾、中国、香港からの宿泊者拒否の理由を説明する。
 キャンセルは宿泊、宴会、レストランを合わせて約二千三百人、総額二千四十三万円に上るが、大阪市にはホテル名を公表していいと伝えてきたという。ただ「二次感染の可能性も低く、衛生面も問題ない」として、営業は自粛しない。
 「外国人お断り」は医師が十一日に宿泊した小豆島グランドホテル水明(香川県・小豆島)で、二十一日まで営業を停止している。キャンセルは約五百人、六百万円。
 支配人は「検疫があるので、大丈夫と考えていた。安全が確認できたら国はきちんと公表してほしい」と注文を付けた。
 安全宣言まで感染者の多い地域の旅行客を断るよう旅行代理店へ伝えたのは、宮津ロイヤルホテル(京都府宮津市)と南淡路ロイヤルホテル(兵庫県・淡路島)。
 医師は十日、宮津ロイヤルホテルに宿泊し、宴会場で夕食。翌日は他の客と一緒にバイキング形式の朝食を取った。宮津ロイヤルホテルは「ホテル名公表の影響はもちろんあるが、客の安全が第一」とあきらめ顔だ。
 「公表はマイナスだが会社の姿勢として情報をオープンにしていく」と両ホテルを経営する大和リゾート(大阪市)は話している。
(了)
[2003-05-18-20:15]
 ☆観光地はSARS不況に 遠のく客足に追い打ち
共同通信ニュース速報
 関西、四国を旅行した台湾の医師が新型肺炎(SARS)と確認され、全国の観光地は「これではSARS不況になる」と受け止め方は深刻だ。既に東アジアからの客足が遠のき、歯止めがかからない状況になっているからだ。
 経営再建中のテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)。昨年度訪れた三百四十万人のうち十二万人が台湾、香港からだったため「再建に痛手」(同社)と表情を曇らせる。対策本部を置き、東アジアの団体客向けの営業活動を控える一方、場内トイレを小まめに清掃、殺菌消毒して不安解消に懸命だ。
 ここ数年、台湾の「北海道観光ブーム」のおかげで客が増えた北海道・登別温泉では、台湾からのチャーター便に欠航が相次いでおり、客足はすでに激減。各旅館は台湾の観光客に、予約申し込み時に新型肺炎の検査を受けているか確認を徹底しているが「もっと騒げば客が来なくなる。今は黙って見守るしかない…」(登別観光協会)と戸惑っている。
 アジア屈指のパソコン街がある東京・秋葉原。十八日は歩行者天国だったが、大通りに中国や台湾の買い物客姿はさっぱり見当たらない。「一週間前からこの調子。逆に欧米人ばかり目立つ。客が増えたわけじゃないのに。これじゃ“SARS不況”だよ」と大手量販店の社長は心配顔。
 長良川のウ飼いがシーズン入りした岐阜市で毎年約百人の中国人観光客が訪れるホテルのフロント係の男性は「関西のことは人ごとではないが、国籍や立ち寄り先を聞いて宿泊を断るわけにもいかない。どうすればよいのか」と頭を抱えた。
 奈良市の奈良公園は、修学旅行生などで普段と変わらないにぎわい。しかし東大寺の上野道善執事長(63)は「台湾などアジアの観光客が減っているようだ。東大寺は世界平和を祈る寺。大仏さんの力で感染拡大を防いでほしい」。
 「仙台・青葉まつり」が開かれている仙台市中心部は、呼び物の「すずめ踊り」が練り歩き、観客でごった返した。主催者は「中国などからのツアーも来ていないし、屋外での祭りなので、感染について特別な不安はない」と話した。
(了)
[2003-05-18-18:07]
 ☆ 台湾の医師を患者と確定 感染者初入国で検疫強化
共同通信ニュース速報
 厚生労働省は十七日、関西を観光し台北に戻った台湾の医師(26)が新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)患者と確定したと発表した。台湾衛生署から交流協会を通じて、同省に連絡が入った。
 これを受け、同省は医師を乗せた後に発熱した日本人バス運転手を新型肺炎の「疑い例」として扱うことを決定、SARSコロナウ
イルスの遺伝子を検査する。
 台湾の医師は潜伏期間中とみられる今月八日に、関西空港から入国。九日夜に発熱したが、解熱剤で症状を抑え、台湾に戻った。新型肺炎感染者の入国が分かったのは初めて。
 同省担当者は「医師が検疫の網をくぐり抜けたことは非常に遺憾」としており、今後は入国時に職業や新型肺炎患者との接触歴を調べ、水際対策を強化する方針。
 また、同省内にオペレーションセンターを設置、医師が宿泊した四府県と連携し宿泊先従業員の健康調査などに当たることを決めた。同省によると、宿泊先従業員らに異常を訴えている人はいない。 同省などは、医師が京都府・天橋立で十日に乗った観光船(丹後海陸交通)と、十一、十二日に乗った小豆島急行フェリーの便名も公表。健康に異常があれば保健所などに連絡するよう呼び掛けた。 同省によると、バス運転手は十日から十三日の間、運転を担当。台湾の医師は旅行の間、運転手の斜め後ろ二、三メートルの座席に座っていた。
 運転手は十三日のツアー終了後、三八度の熱を出し、十四日以降は勤務していなかった。運転手を診断した病院は、発熱は持病の呼吸器疾患による可能性が高いとしている。しかし、新型肺炎の可能性も捨てきれず、同省は運転手を診察した医師や家族らの健康状態の追跡調査を始めた。
 同省は、十八日午前に関係府県を集めて緊急合同会議を開き、疫学調査などの情報共有を図る。運転手のウイルス遺伝子検査は、国立感染症研究所が十九日に行う。
(了)
[2003-05-18-07:45]
 ☆ <新型肺炎>情報公開の問題点浮き彫りに
 新型肺炎の「重症急性呼吸器症候群」(SARS)の患者が日本に滞在していた問題は、国の情報公開の課題などを浮き彫りにした。厚生労働省は発表で、患者と接触したバス運転手が入院している事実を隠し、健康調査や消毒などについて、国と自治体が責任を押しつけあう場面もあった。【須山勉、河内敏康、高木昭午】
 厚労省はSARS患者が発生した場合の情報公開について、「患者の人権侵害などにつながる情報以外は、隠さず公表したい」としていた。しかし、SARS患者と確認された台湾人医師が参加していたツアーの貸し切りバスの運転手の容体について、17日午前の記者会見で虚偽の発表をし、報道陣から批判を浴びた。
 厚労省の加地祥文・感染症情報室長は午前10時の会見で、運転手の容体について「心配するようなものでないと聞いている」と説明した。ところが、加地室長は午後0時半から再び会見し、運転手が13日に発熱し、16日から入院していると説明を一転させた。しかも、この情報は午前4時ごろに入手していた。加地室長は「現時点では熱は引き、異常はないと考えたが、入院の事実をきちんと説明しなかったのは判断ミスだった」と釈明した。
 また、16日午後8時半からの記者会見で、医師らの観光ルートを公表し、「日本人が感染している可能性は低い」と冷静な対応を呼びかけた。しかし、大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)に滞在していたことを伏せたため、大阪府が深夜になって発表するなど、混乱する一幕もあった。
 SARSの感染拡大を防ぐための「接触者調査」について、大阪府健康福祉部は16日の会見で、記者から「府内のホテルに(医師の)宿泊を問い合わせないのか」と問わ国の調査の方が早いと考えている」と国に頼る姿勢を見せ、「国が責任持ってやると言った」と消極的だった。
 ところが厚労省が午後11時からの会見で「ホテルなどと直接連絡をとることはない」と発言し、調査主体はあくまで府県だと食い違いをみせた。厚労省は17日午前になって、「接触者調査や消毒をどこまでするかなどについて、自治体が混乱した」として、調査の専門家や厚労省職員を近畿地方に派遣することを決めた。
 感染症法は、接触者調査や消毒などの対策を、都道府県知事の責任としているが、今回のように自治体の枠を超えた対応が必要な場合、個々の都道府県が主導権を取るのは困難で、法律の欠陥が露呈した格好だ。
[2003-05-18-00:48]
 ☆ 感染医師が立ち寄った自治体、想定外の対応に戸惑い
朝日新聞ニュース速報
 「同じフロアと空調設備が共通しているフロアの宿泊客を調べる」。大阪市は16日深夜、医師が9日に滞在したホテルの当時の宿泊客への聞き取り調査の範囲を決めた 結核など飛沫(ひまつ)感染の場合の原則を適用して決めた範囲だった。だが、翌朝、厚生労働省から、「伝染経路が飛沫感染だけかどうかは、はっきりしていない。すべての宿泊客を調査するのが望ましい」と指摘された。
 同日の宿泊客は約400人。宿泊客が住む地元自治体に調査を依頼することも考えたが、「いま、近畿の自治体はどこも忙しい」(市保健所)と、市職員3人が電話をかけ続けた。
 市の「SARS対応マニュアル」には、2次感染の疑いがある接触者の調査に触れた記述は7行だけだ。調査範囲は書かれていない。保健所の担当者は「マニュアルに不備があったとは思わないが、今回は想定と違う対応をしなければならなくなった」と話す。
 「SARS関連の情報を流すので、待機してほしい」。兵庫県に厚労省から連絡が入ったのは16日午後5時すぎ。その後、ファクスが届いたが、詳細なルートは不明で、淡路島のホテルの名前も分からなかった。電話でホテルを突き止め、ホテルから旅行業者を聞き出した。
 だが、旅行業者へ電話がなかなかつながらない。17日朝、厚労省から「各自治体が旅行業者に問い合わせるため、電話がつながらない。控えてほしい」と指示があった。
 17日、県の出先の淡路県民局と、地元の1市10町などが設置したこの問題の対策協議会の初会合が開かれた。地元首長らから「住民から問い合わせが殺到している。不安を解消する方法も示してほしい」と注文が相次いだ。県の担当者は「国を経由して情報が下りてくるため、連絡が遅くなった」と釈明した。
 徳島県には16日午後6時半ごろ、厚労省からファクスが入った。担当の職員数人が17日午前2時まで待機したが、厚労省からの追加情報はなく、職員は「報道機関のホームページやテレビで情報収集するしかなかった」と言う。
[2003-05-18-00:25]
 ☆「安全」アピールに懸命 HPや看板で医師訪問先
共同通信ニュース速報
 新型肺炎(SARS)に感染していることが確実になった台湾の医師が立ち寄っていた観光地の多くは、十七日も普段の週末と変わらぬにぎわいを見せた。しかし一部で宿泊のキャンセルもあり、ホテルなどは「安全」のアピールに懸命だ。
 大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は通常通りの営業かどうかを尋ねる電話が約百本あったが、家族連れで込み合い、運営会社は人出に影響はなかったとみている。
 USJはホームページで従業員に症状のある者はいないと説明。「引き続きゲストの健康を守るべく警戒を続け、情報提供する」と強調した。
 兵庫県姫路市の姫路城でも、入り口に「感染の疑いのある方が来られたが念のため消毒をしており、安心して見学してください」などと書かれた看板が置かれたが、普段の週末より多い約二千四百人が訪れた。
 京都・嵐山の土産物店や飲食店など七十五軒が加盟する嵐山商店街の野田博会長は「陰性なら嵐山の安全を全国にPRしようと話し合っていただけに残念だ。今日は普段と変わらないにぎわいだが、今後観光客の足が遠のくこともあるだろう」と心配する。
 一方、泊まったホテルが自主休業した京都府宮津市の天橋立では、別の旅館でも数件の宿泊キャンセルが出た。地元観光協会は「保健所から今後感染が出ることはないと言われており、安全性に問題はないと訴えていきたい」と話している。
(了)
[2003-05-17-20:19]
 ☆ 「開港以来の打撃」に苦慮 成田空港周辺のホテル
共同通信ニュース速報
 日本から台湾に帰った医師が新型肺炎(SARS)患者と診断された十七日、成田空港近くのホテルは対策に苦慮している。「防衛は空港内で」と水際での対策に期待を掛けるとともに、対策マニュアルを作るなど自衛にも努めた。
 成田周辺のホテルはイラク戦争に加え、新型肺炎の影響で利用客が大幅に減り「開港以来の打撃」という。
 成田日航ホテル営業部の辻田耕一次長(47)は「風評の影響が出ている。成田空港に近い最前線のホテルとして、普段から客室の清掃の際にはマスクを着けるなど、マニュアルを作って対応している」と“安全”をアピールする。
 一方で、別のホテルでは「フロントなど直接宿泊客と接する従業員にはマスクを着けさせられない」と、利用客の不安への配慮と安全性の両立に頭を痛めている。
(了)[2003-05-17-18:32]
 ☆「症状あればすぐ受診を」 関空会社が配布、掲示
共同通信ニュース速報
 関西空港を利用した台湾の医師が新型肺炎(SARS)を発症した問題で、関西国際空港会社は十七日、何らかの症状が出た場合の早めの受診を促す文書を全事業所に配布するともに、従業員が利用する通路のすべての入り口に掲示した。
 文書は大阪府泉佐野保健所が作成した。航空会社や免税店などの職員に?八日から二十三日までに三八度以上の急な発熱?せき、呼吸困難などの症状―があった場合、速やかに医療機関で受診するよう要請している。
(了)
[2003-05-17-18:19]
 ☆ 運転手の入院で混乱 ツアー客運んだバス会社
共同通信ニュース速報
 日本から台湾に帰った医師が新型肺炎(SARS)の症状で隔離された問題で、関西でのツアーを担当した大阪市内のバス会社は十七日、運転手が入院したことが明らかになったのを受けて、対応に追われた。
 バス会社によると、同ツアーには三台のバスが使われ、三人の運転手が担当。最初の二日の運転手については症状は見られないといい、十日から十三日まで同行した男性運転手一人については、病院に行くように勧めた。運転手は十六日には「熱はない」と話していたという。
 ツアーに同行した添乗員からは「異常はない」と電話があったという。医師は添乗員に「雨にぬれて風邪をひいたみたいだ」と伝えていたという。
 バスの運転手が入院したとの情報について、大阪府の佐藤拓代地域保健福祉室長は「国からは、(運転手の体調は)問題がないと聞いている。担当医からの連絡を待っている状態だ」と話した。
(了)[2003-05-17-13:11]