円高と航空の関係は?

円高が進むほど、輸出大企業は、ため息吐息。生産工場だけではなく重要な司令部門も海外へ移す傾向さえ生まれています。下請の中小企業には、絶望的な思いが走っていると聞きます。円高については、アメリカやEUの協調がない中での日銀単独介入では、永続的円安にはならないだろうというのが、海外を含め大方の観測です。(オバマ政権は、ドル安容認で経済成長に取り組んでいますから、円高介入も目をつぶれる範囲で黙認しているといわれています。要するに大した効果は生まないと踏んでいます。

過去には、10年かかって35兆円をかけても、介入から手を引いたときは、円は逆に高くなっていた(105円)という顛末も抱えています。日本から企業を逃さないために「法人税減税」ともいわれていますが、これとて中小零細企業には縁のない話です。

さて、航空は円高でどうなのかと言いますと、「海外旅行好き」「買い物志向」の心が早くも疼いており、各航空会社とも搭乗旅客数は堅調に伸びているようです。

しかし、一方で国際線を持つ日本のエアラインの経営収支上は、ドル建て決済の場面では差損が生じる、売上高が減るという側面もあります。

“弱腰”菅政権 サプライズ 抜本的な円高是正、介入だけでは困難 米と軋轢も
産経新聞 9月16日(木)7時56分配信

 

 欧米が自国の輸出産業に有利となる“通貨安”戦争を仕掛ける中、手をこまねいていた政府・日銀が15日、ようやく為替介入の封印を解いた。「弱腰」とみられていた菅直人首相の続投が決まり、投機筋が安心して円買いを仕掛けていた「絶妙のタイミング」。市場はあわてふためき、一気に円安が進んだ。ただ、介入だけで抜本的に円高を是正するのは困難だ。日銀の追加金融緩和や、需要と雇用を創出する成長戦略の加速など政策を総動員する必要がある。

 ▼首相「一定の効果」 

 民主党代表選から一夜明けた15日朝。野田佳彦財務相は険しい顔のまま財務省の執務室に消えた。その直前には官邸に首相を訪ねていた。部屋に入って10分後、電話で日銀に為替介入の指示を出した。

 前日のニューヨーク市場に続き、東京市場でも1ドル=82円台に突入。「米欧にも剛腕を発揮できる小沢一郎氏の敗退で介入の可能性が後退した」(為替ディーラー)との観測が円買いに拍車をかけていた。

 「市場になめられっぱなしの菅政権」(大手メーカー首脳)にとっては、まさに乾坤一擲(けんこんいってき)のチャンスだった。菅首相は同日夜、「一定の効果が出ている。緊張感をもって見守っていく」と満足そうに語った。

 「単独でもタイミングよく動けば、市場参加者はせきを切ったように円売りになだれ込む。誰もが自分だけ損はしたくないからだ」。財務官経験者は介入成功の秘訣(ひけつ)をこう説く。

 6年半ぶりの介入に向け、財務省は「米欧当局から『暗黙の了解』を取り付ける」(国際金融筋)ことに腐心した。 各国が自国通貨安を競っているとはいえ、意図的に相場を操作する介入に対しては、国際社会から「身勝手な行為」(政府幹部)との批判を招く恐れがあったためだ。

 ▼黙認いつまで

 各国との調整が難航する中、財務省の振り付けどおりに菅首相や野田財務相は「口先介入」を続け、時間を稼ぐと同時に、地ならし役を務めた。米財務省高官は、日本の介入に「ノーコメント」と答え、ひとまず黙認の構えをみせている。

 ただ、協調介入は期待薄だ。1日当たりの取引量が400兆円規模に上る為替市場で、1兆~2兆円規模の単独介入を行っても、「砂漠に水をまくようなもの」(市場関係者)で、円高の流れは変えられない。しかも、今回の円高の根底には、米国経済の悪化があり「日本の政策でどうにかできる問題ではない」(民間エコノミスト)。

 米オバマ政権は、3500億ドル(約29兆4千億円)規模の追加景気対策を打ち出すなど、景気の立て直しになりふり構わぬ姿勢をみせている。日本が介入を繰り返せば、自国の輸出産業からの突き上げも予想され、いつまでも黙認してくれる保証はない。日米の軋轢(あつれき)が高まれば、「足並みの乱れを突き、投機筋が円買い攻勢をかけてくる」(市場関係者)のは必至だ。

 日本は介入に続き、矢継ぎ早に次の一手を打つことが求められている。

ニュースがわからん!)為替介入ってなに?

朝日新聞 9月16日 

 アウルさん 政府と日本銀行が為替介入をしたっていうけど、どういうことなの。

 A 民間の金融機関や個人がしている通貨の取引に、政府・日銀が割り込むことをいうよ。急激な円高が進んだため

、政府・日銀は円を売ってドルを買うことで、相場の流れを変え円高を防ごうとしているんだ。14日の外国為替市場では1ドル=82円台と、15年4カ月ぶりの水準になったからね。

 ア 円高が進んだら良くないのかな。

 A 日本の経済は輸出産業が引っ張っている。円高が進むと輸出産業にとって打撃になるんだ。商品を海外で売った場合、ドルで払われた代金を円に替えないといけないよね。同じ1ドルの商品でも、1ドル=120円の時なら120円を受け取れるけど、1ドル=85円の円高なら、がくんと手取りが減ってしまう。消費者にとっては海外の商品を安く買えるメリットもあるけど、経済界からは為替介入を求める声が出ていたよ。

 ア 介入はよくするの。

 A 2004年3月以来、6年半ぶりだ。財務省が資料を公表している1991年以降、政府は合計69兆円の為替介入をしてきた。円売りドル買い介入としては、戦後最高値の1ドル=79円75銭をつけた95年や、計35兆円も投じた03、04年の介入が有名だ。

 ア 介入したら円高が止まるってこと?

 A さあ、どうかな。今回は米国や欧州と一緒の協調介入ではなく、日本単独だった。為替の取引高は年々増えていて、一国だけの介入では大きな効果は見込めないという指摘もあるよ。

 ア 介入に問題はないの。

 A 民間取引に政府が乗り出してくるわけだから、あまり好ましいことではないよね。これまでの円売りドル買い介入の結果、国には米国債などの外貨資産が1兆700億ドル(約91兆円)も積み上がっている。円高ドル安が進めば、その資産の価値が目減りする恐れもある。

 ア 円高が進むのはなぜ?

 A 米国や欧州の景気がこれから悪くなるという心配が強まっていることが、最近の円高の大きな理由だ。日本の景気も決して良くないけど、「欧米よりはまし」と見られて、消去法の選択肢として円が買われているんだよ。

One thought on “円高と航空の関係は?
  1. レジャー/生活路線は円高で一時潤いますが、トータルで見ると決して良くありません。
    ①円高で企業の業績が圧迫されれば賃金/雇用に影響が。
    ②業務渡航のみならずレジャーも旅行控え。
    ③外客も円高で更に割高な日本を敬遠
    ④結果、イン/アウトとも旅客減
    これまで何度も繰り返されてきた事ですが、競争過多で体力のついてこない会社にはきついここ昨今の状況です。

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