三大メガバンク・日本政策投資銀行の求める方向で、リストラに次ぐリストラがすすめられています。
JALを日本を代表するエアラインとして、本当に再生させようというのであれば、当面の措置として、長期的にも展望の持てない不採算路線のカット、本体からの天下りポストつくりのために温存してきたような子会社・関連会社の整理などは急務であると思います。
その一方で、多少時間がかかっても、第一に不正・腐敗の構造を切開して、社内に「ゴマすり・労組幹部重用主義」などを断固排してゆかなければ、社員のモチベーションもあがりません。第二に、国内線の不採算路線は、JASとの合併で生じた路線と国家がつくった98もの地方空港に素因があるものの、空港建設にあたっては、地方自治体も50㌫の負担を負っている問題・地方の足として定着している問題などを「国家」の責任を加味して選択・補完してゆかねばならないこともあります。
第三に、国際線については、アライアンスすなわち「ワンワールド」の活用と個々のエアライン間におけるコードシェアーなどで、国際ネット網の収縮を防ぎながら運航を継続させる。国際線の競争力は一にも二にもネット網の利便性にあるからです。単に現状の採算不採算だけでは、将来の発展を閉ざしてしまう危険性も内包している問題でもあります。
第四に、こうした総合的な「再建戦略」のもとに、「人員削減」という課題を成し遂げねばなりません。「安全運航がグレードダウンするような配備」をして、軽重を問わず、「事故」「トラブル」を起こせば、「安全への信頼度は破壊」され、「客離れ」を増大させることは、必定です。
JALへの債権があるといっても、三大メガバンク自身が、バブル崩壊後に、自らの責任で抱えた膨大な不良債権の処理に、100兆円規模の「公的資金」を使わせてその存立が救われました。「JAL再建」は、「法的再生」という国家的政策です。銀行としても、ほんの最近まで、莫大な利息を払ってくれていた大事な顧客だったことを考えても、短期的な債権の保全ばかりを考えず、中期的観点も見渡した上での育て方をしていただきたいものと思います。デスクワーク上の帳尻あわせのように「安全を脅かすような人員削減の押し付け」はないのか、大変心配です。
日航リストラ案 二次破綻回避へ正念場 さらに上積み求める銀行団
【産経新聞 2010/04/10 大阪朝刊 】
会社更生手続き中の日本航空と同社を支援する企業再生支援機構が撤退する路線数を大幅に上積みしたリストラ案を策定したのは、再建計画の実現性を高めようと追加リストラを求める主力取引銀行に配慮し、追加融資などで協力を引き出す狙いがある。だが、路線撤退では地方自治体からの反発が強く、夏の参院選を控えて与党からの圧力が高まる可能性も否定できない。6月末に裁判所に提出する更生計画案の策定が頓挫すれば、日航の二次破綻(はたん)が現実味を帯びてくる。リストラ案には、巨額の債権放棄を余儀なくされる日本政策投資銀行や3メガバンクの意向を踏まえ、当初3年間で予定していた人員削減を2年前倒しで完了する計画も盛り込まれた。 それでも銀行団は厳しい態度を崩していない。日航は顧客離れが深刻で、1日に数億円単位の営業赤字を計上しているとされる。銀行団の一部には国際線からの撤退や「アジア路線に特化すべきだ」(メガバンク関係者)といった強硬論もあるほどだ。
前原誠司国土交通相は日航が破綻した理由の一つとして「採算の合わない空港を造る仕組みになっていた」とし、航空会社に不採算路線の就航を強制しない姿勢を明確にしている。実際、リストラ案では、地方を中心とした不採算路線の撤退が積み増しされた。
これに対し、地方自治体の反発は確実だ。日航が9路線の撤退を検討する名古屋小牧空港を抱える愛知県の神田真秋知事は「地域経済への影響を考え、国も日航も先々を見据えてほしい」と警戒感を隠さない。
参院選が近づくにつれ、地方にとっては日航が地方路線の撤退を見直すよう与党に働きかけやすい環境が生まれてくる。国交省は与党からの要望に応じ、高速料金の割引などに使っていた財源の一部を道路整備に回せるようにしたばかりだ。
民主党政権下でも地方への配慮を求める与党の圧力は変わらない。
今月末にも銀行団とリストラ案で合意したい日航と支援機構には“政治の壁”が立ちはだかりそうだ。
◆国際5路線撤退 関空「海外誘致に活路」
会社更生手続き中の日本航空などが9日まとめたリストラ案には、関西国際空港の国際線でもデンパサール(インドネシア)やバンコク(タイ)、中国の北京、香港、広州の計5路線の撤退が盛り込まれた。関空会社は「撤退の影響は小さくないが、海外航空会社の誘致に活路を見いだすしかない」としている。
日航を中心に国内航空会社の国際線の撤退・減便が相次いだため、関空会社は昨秋から新規就航便の大幅な着陸料割引策を実施。海外の航空会社を中心に約90便の増便を実現させた。日航撤退路線でもハノイ線をベトナム航空が引き継ぐなど、「かなりの割合で挽回(ばんかい)できた」(関空会社の福島伸一社長)と、影響を最小限に食い止めている。
一方、着陸料割引の原資となる国からの補給金の行方が不透明なため、割引策を継続させられるかどうかは微妙な状況。海外航空会社誘致に失敗すると、日航撤退が大きく経営の足を引っ張ることになりそうだ。
日航、リストラ2年前倒し 客室乗務員3割減
【産経新聞 2010/04/09 東京朝刊 第2経済 10頁 797字】
会社更生手続き中の日本航空と、同社を支援する企業再生支援機構が、客室乗務員の約3割に当たる2460人の削減などを柱にしたリストラ案をまとめたことが8日、分かった。パイロットや整備なども含めたグループ(約5万人)全体で約3割にあたる1万6452人を平成22年度中に削減し、年間で約817億円の合理化効果を目指す。当初は3年間のリストラを計画していたが2年前倒しで実施し、早期の業績改善につなげたい考えだ。
◇ 削減人員の内訳は、年間で約110億円の合理化効果があるという客室乗務員 のほ か、
▽パイロット775人(年間合理化効果110億円)
▽整備1678人(同150億円)
▽営業2043人(同65億円)
▽貨物を含む間接部門5405人(同57億円)-など。
このほかにも、
関西国際空港と中部国際空港の地上職は両空港の発着路線を縮小するなどのリストラに伴い、約7割の計1555人を削減(同130億円)する。
成田空港などの地上職も同様に2536人(同195億円)を削減。人員削減は早期退職の募集や採用抑制、グループを含めた事業売却で対応する。
1月19日に会社更生法の適用を申請した際には、24年度までの3年間で約1万5700人を削減する計画だった。21年4~12月期の連結最終赤字は1779億円と、14年に旧日本エアシステムと統合した後で最悪だったが、申請後も顧客離れに歯止めはかかっておらず、業績は悪化し続けている。このためリストラ計画を前倒しで実施する必要があると判断した。
支援機構は6月をめどにまとめる更生計画案に向け取引銀行と調整を進め、大型連休前の今月末にも合意を得たい考えだ。 ただ、巨額の債権放棄を余儀なくされた日本政策投資銀行や3メガバンクは、更生計画の実効性を高めるため、路線撤退や人員削減などで大幅な追加リストラを求めており、日航と支援機構が示したリストラ案で決着するかどうかは予断を許さない。

いつもブログ拝見させて頂いております。
私見ですが、このままでは二次破綻は避けられないと思います。
外的要因は色々あろうかと思いますが、長年に渡る路線収支を全く無視したKBや販促費のばらまき、といった慣習が根本から見直されない限り話になりません。それが当たり前だった流通の側にも勿論責任の一端はありますが…
残念ながら年明けから今に至るまで、かかる状況に殆ど変化は見られません。
外的要因をさておいても赤字は赤字のままかと。