JAL再建・・・・運航現場からではなく、「腐敗」のリストラを!

日本航空は、再建への人員削減として、グループ全体で15,000人を予定し、3月11日に2700名の早期退職を促していました。6ヶ月というわずかな退職金上乗せで、募集し、締め切りを4月9日としていました。ところが・・・・・。

まず、「日本航空を破綻へ導いた原因に蓋をしたまま、その上、2008年に燃油先物買いで2018億円もの損失を出してしまった経営陣」なのですが、総責任者たる西松社長は、辞任したものの日航財団理事長職にしがみつき、約半数の役員も他人事のように居座っています。

3月半ば頃に、関係者から聞いた話では、役員が400名ほどの部長職を集めて、早期退職を説いたところ、「自分も辞めるからみなも考えてくれと言うなら理解もできるが、おかしいではないか。」と詰問された、と言うことです。

某専務が、関連子会社の社長に、同じく退職を勧めたところ、「あんたには言われたくないね。」と一蹴されたという話が社内では、公然化しているようです。

そして、3月半ばの時点では、「早期退職を申し出た部長は一人もいなかった」模様です。

本体の部長がこういう状況ですから、次長や課長・連結決算子会社や関連会社の社長・役員を説得できるはずもありません。こうして「もっとも人件費も高く、これまでの経営に物も申さず、従ってきた層」がそっくり温存されているわけですから、さすがの「稲盛会長」も、銀行団や政府筋からの「2万人」削減要求を呑まざるを得なかったのでしょう。

4月1日は、全国的に「入社式」。まさかと思った日本航空の入社式が」報道に流れていました。せっかく就職できた若者には気の毒ですが、かたや2万人削減というなかで、新入社員が「過去のことは忘れて頑張ります」と宣言している光景は、異様な気配を感じました。2011年度は採用ゼロと打ち出していますが、これでよいものでしょうか。

稲盛会長が、そういう裏は、語れなくとも、鳩山総理や担当大臣に「愚痴ったり」することも、もっともであるなぁと推察します。

こうしたニュースのなかで、2007年に、あの西松前社長がぶち上げた3ヵ年リストラ計画を分析した「企業ミシュラン」サイトの「JALの遅すぎるリストラ・本体は管理職比率6割」は、3年前に、内部模様をかなり正確に映していると思います。

「腐敗・癒着・不正」慣れした上層部を背負ったままの運航の現場は、本当に大変だと思います。そして、 薄紙をはぐようにこれまで積み上げてきた「「安全への層」が薄くなることのないように、祈るばかりです。ここで、偶発的にせよ「事故や重大トラブル」などが起きたら本当に「再建どころか、過去の歴史も栄光も失う」ことにもなります。

[日本航空]早期退職3倍に リストラを大幅に強化
2010年03月27日02時55分 / 提供:毎日新聞
 会社更生手続き中の日本航空は、再建に向けたリストラを大幅に強化する方針を固めた。3月から2700人削減を前提に、退職金を上乗せする特別早期退職の募集を始めているが、更に4800人を上積みし、計7500人と3倍近くに増やす。6月末までに作成する更生計画に盛り込み、年内にも削減を実施する。 この結果、関連会社の売却などによる人員減も含めたグループ全体の削減数も2万人規模に膨らむ。 1月19日に会社更生法の適用を申請した時に発表した再生計画では、12年度までの人員削減はグループ全体の約3分の1に当たる約1万5700人。このうち2700人を早期退職で削減し、残りは関連会社を売却・整理してグループから外したり、定年退職による人員減の不補充などで減らす計画だった。

 しかし、日航は現在も大幅な赤字が続いており、金融機関や国土交通省は「人員削減を更に行わなければ早期再建は難しい」と、削減計画の見直しを要請。日航も、早期に人件費などを圧縮し黒字を確保しなければ再生に必要な金融機関の支援を受けられないと判断。支援を受ける企業再生支援機構と協議のうえ、早期退職を上積みすることを決めた。

 国内線・国際線で31を予定していた路線撤退も、国際線を中心に更に増やす方向。ジャンボ37機などの退役も前倒しの方針で、当初計画では少人数にとどめる予定だったパイロットの削減も大幅に上積みされそうだ。 上積み分の特別早期退職の募集時期は今後、検討する。実際に退社を求める早期退職は該当者が自ら転職先を確保することが必要。日航はより多くの社員に厳しい選択を迫ることになる。

日航の客室乗務員拠点、大阪・福岡を閉鎖へ 異動か退職

2010年3月31日21時7分asahi.com
   
 日本航空は、中核会社の日本航空インターナショナルの客室乗務員について、全国4空港にある勤務拠点を羽田と成田に集約する方針を明らかにした。業務を効率化するためで6月末に実施する。大阪(伊丹)、福岡で勤務する計約560人には、羽田か成田への異動か、早期退職に応じるかの選択を求める。 日航によると、大阪には約500人、福岡には60人が勤務し、国際線にも乗務している。会社更生手続き中の日航は、グループの全職種を対象に2700人(日航インターで1700人)規模の早期退職を募っている

日航:稲盛会長、「これで会社?」と首相にもグチ

03.17.2010 mainichi

 経営再建中の日本航空の稲盛和夫会長は17日夜、東京都内の日本料理店で鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務相らと会食した際も日航の企業風土を批判。出席者によると「親方日の丸はだめだ」「経営感覚のある人がいない」「これで会社なのか」などと問題点を厳しく指摘したという。会食は稲盛氏が日航会長就任に伴って行政刷新会議の民間議員を辞任したことを受け、政府側が慰労のために開いた。

「商売人の感覚、なさすぎる」JAL稲盛会長ぼやき節

2010年3月18日1時45分asahi.com 

 「商売人という感覚を持った人があまりにも少ない」。日本航空の稲盛和夫会長(京セラ名誉会長)が17日の記者会見で、社員への「ぼやき」を連発した。京セラ創業者としての経営手腕を買われ、日航の再建を託されて1カ月半。企業文化の違いは想像以上だったようだ。
 稲盛会長は2月1日の着任以来、会議の合間などに精力的に各職場を回り、社員と意見交換してきたという。その感想として「責任体制が明確になっていない。損益を考えて努力する人が少ない」などと苦言を呈した。 稲盛氏といえば、社内を少人数のチームに分けて収益や生産性を競わせる「アメーバ経営」で知られるが、日航にアメーバ経営を導入するかを問われた稲盛氏は「アメーバ以前に、普通の企業として採算がとれるようにしたい」とばっさり。「企業再生支援機構の計画を実行すれば再生は可能と思い引き受けたが、正直、容易でない。愚痴をこぼしてもしょうがないので頑張っている」と、弱気とも取れる心境を明かした。 ただ、日航の中堅・若手社員については「大変素直で、苦しい中でも明るい。職場を回っても、私の方が励まされる。そういう人たちがいる以上、再建はできると思う」と評価した。

JAL稲盛会長「商売人感覚持った人少ない」 企業風土を批判
2010/3/18 12:47
   
   会社更生手続き中の日本航空(JAL)の稲盛和夫会長と大西賢社長は2010年3月17日、記者会見を開いた。稲盛会長は「責任体制が明確になっていない」「商売人という感覚を持った人が少ない」などと企業風土を批判した。また。「国際線を残したままで再建してみせる」と、国際線事業からの撤退を強く否定した。