甘い甘い、航空局!「スカイマークへの改善勧告」どうして?

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4月6日、特別安全監査という立ち入り調査を受けていた「スカイマーク」。開けてみれば、操縦室・客室・整備と運航の現場のでたらめといっていいような驚くような事実が明らかになりました。

2005年にJALが「連続ミス・トラブル」を起こした時に「事業改善命令」が出されたことを鑑みても、この「業務改善勧告」など、「甘い!」の一語に尽きます。明らかになった事実からすれば、命を預けて飛ぶ「航空会社」としては、とても認められない無責任な運航です。これまでもたびたび「安全問題」で不祥事を起こしても、西久保社長・井手会長に「反省の色」など見られず、逆に「不満の意」をテレビ画面などで示しており、「安全などより利益優先」という確信犯であることは、衆目の認めるところなのではないでしょうか。

本来、「業務停止」に匹敵する「事態」と思いますが、利用者の皆様はどう考えられるでしょうか。

~「安全への規制緩和」という危険な流れ~

それなのに、なぜこんな甘い処置なのか、その背景を考えて見ますと、現在進んでいる「JAL再建」には、財務省・メガバンクが「2万人」リストラと現場のリストラをせよとばかりに、「支援機構・管財人」にプレッシャーをかけています。ANAにおいても、こういう政府のお墨付きがあれば、「黒字」目指して、利用者からは普段見えない「安全のコストカット」を進めてくる可能性もあります。

スカイマーク改善勧告へ 国交省  4月6日 朝日

 安全上のトラブルが相次いで発覚したスカイマークで、客室乗務員(CA)の英語力が足りず、外国人機長との意思疎通に支障があったのに適切な対策を取っていないなど、安全管理上の不備があったことが国土交通省の特別安全監査で新たに分かった。同省は同社に対し、6日に業務改善勧告を出す方針。13日までに改善計画の提出を求める。

 同省関係者によると、ほかにも操縦室内で機長らが酸素マスクの着用ルールを守っていなかった▽CAが客室内の保安検査を適切に実施していなかった――など、乗務員の安全意識の不足や会社の運航実態の把握が不十分なことによる不備が見つかった。また、乱気流に遭遇した機体の構造点検が適切になされていないなど、整備部門でも問題が見つかったという。

 一方で、航空法に基づく事業停止や事業改善命令に該当する重大な違反には当たらないとして、同省は行政指導の「勧告」にとどめる方針。

 同社では、体調不良の客室乗務員を機長が交代させようとしたところ、西久保慎一社長と井手隆司会長が認めず、機長を交代させ運航を強行。機長との雇用契約を解除するなどの不祥事が3月に3件発覚した。

~客室乗務員は、丸ごと派遣で、操縦室とは別会社でもOK、とする航空法改悪~

もともと、多くの利用者の目には全く触れていない状況ですが、実は、国交省は、前政権時代から「規制緩和」を進めており、客室乗務員の主たる乗務存在理由とも言える「客室内の保安業務」を揺るがす「法規制緩和」をたった2回の「航空安全基準委員会」で答申させて、決定し、3月から実施できる態勢をとっています。

前政権から、航空行政上の諮問機関に顔を頻繁に出して、利用者が気がつかないうちに粛々と「安全の規制緩和」をすることに手を貸してきた経済学者の方が、現政権の「戦略会議の航空担当」を務めているという話もあり、これも驚きです。

「スカイマークへの甘い処置」の一端は、こういうところからも垣間見えると言われています。

スカイマークでは、「英語が不十分な客室乗務員がいて、外人キャプテン(パイロット)からの連絡コールも受けられない」というお笑いのような事態があるということが、また、機内の保安上の装備品の扱い方も不十分と言うことも明るみに出ました。

緊急着陸、乱気流遭遇、急減圧などの非常事態が発生したらどうするのか、考えただけで身震い致します。

整備でも、点検したことが確実にログブックなどに記入されていない、他、乱気流遭遇後の機体点検も不十分で運航したなど・・・もう、信頼もなにもありません。

こういうことが、航空では「日常茶飯事」になる可能性を許す「法律改正」が行われているということは、私からすれば、完全に「赤信号点灯」を発せざるを得ません。

客室保安業務の委託

今般、規制改革会議が決定した「規制改革推進のための第1次答申」(平成19年5月30日)において、「他の航空会社の従業員の活用を容易にするため、運航の安全確保を前提として機長の指揮命令の実効性の担保手段を明確化した上で、運客一体化条件(客室乗務員の責任者と運航乗務員が同一会社でなければならないとする規則)を見直すべきである」と指摘されたことを受けて検討してきた結果、従前の要件に加え、さらに上乗せの安全上の要件に適合する場合に客室管理業務を含めた客室保安業務の委託を認めることができるよう、「運航に係る業務の委託の運用指針」等を改正することといたしました。

航空局技術部運航課 平成20年2月27日 より抜粋

One thought on “甘い甘い、航空局!「スカイマークへの改善勧告」どうして?
  1. 監査で見つかったこれだけの違反・・・それでもスカイマークに乗りますか?

     相次ぐトラブルを受けて特別安全監査を行っていた国土交通省が、スカイマークに対して業務改善勧告を出した。曰く、「客室乗務員の英語力が不足していて、機長と意志疎通できない」「客室安全デモの人数を減らしたため、座席によっては見えない」。曰く、「操縦席で、規定に反し酸素マスクを着用していない」「着陸進入方式に不慣れで、不安定な着陸進入があった」。曰く、「機体の構造点検が適切に行われていない」。出てくる、出てくる・・・全部で12項目。これほどデタラメをやっている会社が、よくこれまで事故を起こさなか……

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