今日は、いよいよ衆院選挙の投票です。
1978年のアメリカの「航空規制緩和」以来、日本においてもその外圧を受け入れ、「運賃の規制をなくし、格安競争を煽った」ため、航空会社は、実質的な利益をあげられなくなり、機材の更新さえおぼつかない惨状となりました。
その上、「安全」のために厳しく維持すべき運航の現場(整備・パイロット・客室部門)の規制までも利用者のわからないところでじわじわと緩和したため、航空会社は、こぞって「利用者からは、見えない」安全への経費を削減してきました。このため、発表されているだけでもかつてでは、考えられないミスや事故一歩手前の「重大インシデント・イレギュラー」を数多く招いているのが実状です。
「緩和」することばかりで、迷走を続けてきた「日本の民間航空政策」は、その根本から一刻も早く是正されるべき時に来ているといっても過言ではありません。
「安全と快適性」で世界と亘りあえることが出来る「日本の翼」を守り、育てなければならないことや、「アジアのハブたる空港」の整備をどうするのか、狭い日本に需要を無視して、「98もの空港」を作ってしまい、ことごとく地方の自治体につけをまわしていること、などなど問題は山積みです。
そして、これまでこうした問題の事実に深く切り込んで報道してこなかった「メディアの責任」も今後問われてゆくことになります。
これまでの報道では、期日前投票にもかつてない拡がりがあるとしており、国民のこの選挙への期待は大きなものであることが示されております。
外国から見た「日本の情勢」の一端ではありますが、保守的とも思える英国の新聞「フィナンシャル・タイムズ」では、以下のような記事を出しておりました。
世界は日本の国民の選択の結果を息詰まる思いで見つめていることがうかがえます。
[2009年8月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙]
与党・自民党は選挙によって政権の座を追われるべき時だ
自民党には、物事を正すのに54年間という時間があった。それで十分だろう。日本は今週、選挙戦の最終週に入る。正式には8月18日に始まった選挙戦だが、実際は、民主党が衆院よりも力の弱い参院を押さえた2007年半ば以来ずっと続いてきた戦いである。
それ以来、自民党は何を成し遂げるのにも悪戦苦闘し、打ち出す政策はことごとく、政権を取る現実的な可能性をかぎ出した野党に阻止されてきた。日本の有権者は来る日曜日、1955年以降、11カ月間を除いて日本を統治してきた自民党をこの苦痛から解放してやるチャンスを与えられている。チャンスをつかむべきだ。
公正を期すために言えば、保守的な自民党が残した実績はそれほどひどいわけではない。政権を取ってから最初の35年間は――多少のスキャンダルと、過度に保守的な社会的本能を別にすれば――かなり大きな功績を上げてきた。
自民党の功罪と民主党の混乱
戦争で事実上破壊された日本経済は、世界の羨望の的になった。目覚ましい高度成長期を通じて、日本は平等主義と社会的結束を維持した。ついには、環境をきれいにするところまできた。そうした功績の多くは、日本の強力な官僚組織のものとされる。しかし、富を全国に配分する手助けをした自民党支配の政治制度も一定の役割を果たした。それが、1990年のバブル崩壊と冷戦時代の確実性の終焉によって変わった。
西側に追いつこうとする輸出主導の経済成長に執着し、米国の安全保障体制という毛布にくるまった自民党は、両面で行き詰まった。自民党が政権の座にしがみついてこられたのは、有権者の惰性と巧みな連立、そして2001年以降の6年間については、硬直化した自民党が変化を推進するということを有権者に納得させたショーマン的政治家、小泉純一郎氏のおかげだ。
日本は、大再編を必要としている。国はあまりにリスクを嫌うようになった。経済を再活性化させ、高齢化社会の問題に対応し、女性の能力をもっとうまく活用し、さらには中国が台頭しているのに日本の債務および受け身の憲法のせいで国の外交上の選択肢が制約される世界をいかに歩んでいくのかについて、日本の政治家には新しい考えがない。
民主党の鳩山由紀夫氏は、すべての答えを持っているのか? 実のところ、ノーである。自民党離脱者と社会党出身者、官僚出身者の寄り合い所帯である民主党は、かねてかなり混乱していた。 外交政策では特に迷走し、米国政府を不安にさせた。経済面では、財源がどこから来るのか説得力のある説明を示せないまま、多額の支出を公約している(少し前まで、民主党は財政規律を唱える党だった)。
賭けに打って出るべき時
一方で、官僚の責任を明確にし、抑制されてきた消費支出を解き放ち、労働市場の問題に対応しようとする直感は正しい。だが、民主党の政策提案の一部は、経済合理性よりも有権者の忠誠の獲得を狙った、自民党旧来の介入と補助金の臭いがする。 ある程度の曖昧さと空約束は、まず何より選挙で選ばれることが最優先事項である野党では避けられないことだ。今後、権力が党の考え方を凝縮させることだってあるだろう。リスクを嫌う日本の有権者――これまで何度も目をつぶっては、由緒ある自民党を政権の座に送り返してきた人々――は今度こそ、そんな保守的な習慣を絶つべきである。今回は、ギャンブルしてみるべきだ。
© The Financial Times Limited 2009.

最近の日本は、教育、経済だけでなく「活気を欠いた國」と世界は見始めているようです。
航空に関していえば、やはり「官」の介入は大きく、安全性を大事に効率を上げる抜本的システム改革が必要と思います。