「ハドソン川の奇跡」の記憶も去らぬうちに、「遊覧飛行の危険な実態」

ニューヨークを訪れたことがある方々にとっては、ハドソン川河畔のヘリポートから、「摩天楼を縫うようにして、また自由の女神を眼下に見たり」「華やかなネオンの夜景の谷間を飛ぶ」ヘリコプター遊覧飛行は、きわめて身近なオプショナルツアーであるのではないでしょうか。私が、初めてこの「夜景遊覧ヘリ」を体験したときも、万全の信頼を置いて搭乗したことを、記憶しております。

事故の背景には、NTSBから16回も「安全勧告」を受けていた、ということもあると知って驚きました。

アメリカの航空規制緩和に追随してきた「日本の民間定期航空」の安全にまで及ぶ「規制緩和の数々」を思うと、他人事のようにコメントできないところが残念です。

危険なNY遊覧飛行、安全勧告も“無視”
  8月10日21時57分配信 読売新聞

 【ニューヨーク=吉形祐司】米ニューヨークのハドソン川上空で観光用ヘリコプターと小型飛行機が8日に空中衝突した事故で、米メディアは一斉に観光用ヘリの安全性に疑問を投げかけた。

 ニューヨークを一望できる遊覧飛行は、日本人観光客にも人気が高いが、空の「交通整理」は操縦士まかせだった実態が明るみに出た。

 ニューヨークのマンハッタンにある三つのヘリポートからは、年間計5万7500回ヘリが飛び立ち、上空は過密状態。空中衝突を目撃した露天商のジャハンギル・アラムさん(49)は「週末には空が混雑し、ニアミスもよく見かける」と話す。

 高度1100フィート(約340メートル)以下のハドソン川上空は航空管制下になく、操縦士は無線交信と目視で衝突を回避しているという。

 観光ヘリの売りは、安いものでは料金100ドル(約9700円)程度で、複雑な手続きなしで乗れる手軽さ。だが、AP通信によると、米国家運輸安全委員会(NTSB)は「管理体制が不十分」として2002年以降、安全に関する勧告を16回も行っていた。いずれも実施されていなかった。 .最終更新:8月10日21時57分

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