「JAL・ANA」統合という雰囲気づくりは、危険な流れ!

~2010年、“航空ビッグバン”への分析~
最近の新聞・週刊誌などの報道を見ますと、2010年の通称「航空ビッグバン」へ向けて「JALとANA」の統合再編の動きがあるという傾向が気になります。その理由は、以下のような点を重ねあわせたものです。

これは、「日本の民間航空の将来」にとってどういうことを招くか、ということを深く分析しているとは思えない盛り上げ方に思えます。
アメリカでの合併再編の背景には、「70年に断行した規制緩和」のつけをどう処理するかということがあります。国際線を持つ「メガキャリア上位7社のうち4社」が連邦破産法(チャプター11)の適用を受け、会社更生再建中です。つまりアメリカ型の「安全をも揺るがす規制緩和」は、駄目だったということで、その後の9.11やSARS、燃油費高騰での需要減もありますが、国家として「つぶさない」という方針です。こういう中で、再編・統合が起きていると見ることが肝要です。

日本は、日本の航空の発展の歴史を大事にして、優位性はなにか、何を国家的に守るのか、を明らかにした上でことに臨まなければならないと思えます。

ヨーロッパの統合などは、「EU」としての考え方にのっとって動いており、そのパワーは強力です。
JAL・JAS統合の失敗は、明らかなのですが、この点に触れる報道はあまり見ません。
社内のモチベーション低下、対立は、「安全とサービス」を第一とするメガエアラインの本質を揺るがせている実態があります。
机上で、「統合すればこんなに効率的」といっても、「ヒューマン」が土台になって成立・発展があるわけで、描いたとおりにゆくとは、到底思えません。

メディアのこうした角度からの切込みが欲しいと強く感じます。愛する「にっぽんのエアライン」のために!

●1月29日に「JAL」「ANA」両社が揃って「路線便数計画」について  記者発表をしたこと※1

●2月4日には、定期航空協会という立場で、両社とも需要低下の先行きを鑑み揃って「国の支援」を訴えていることが判明した。 ※2

●ANAの次期社長伊東信一郎氏の人事は、「統合」への対応だという見方。「アジアを代表するエアラインを目指す」と言っていることがその根拠だという推察。(山元社長も同じ内容を声明していた記憶がありますが・・・。)

●アリタリア航空がエールフランス・KLMと統合、米では、デルタとアメリカンなど二大グループつくりへ。三大アライアンスの問題も絡み、複雑です。

「米ビッグエアラインの統合は、どういう事態をを招くか?2008年11月7日」

※1       09年度の廃止・減便 日航10、全日空18路線

【FujiSankei Business i. 2009/01/29 008頁 502字】 <br />  日本航空と全日本空輸は28日、2009年度の路線便数計画を正式発表した。両社とも国内・国際線合わせて10路線以上を廃止、減便し、旅客需要の減少に応じて運航を効率化する。 日航は関西国際空港発着路線を中心に、国内・国際線で10路線を廃止、減便する。国際線は関空-ロンドンを廃止、ビジネス利用の多い成田-ニューヨークなど3路線を減便する。 国内線は関空-帯広など5路線を段階的に廃止し、羽田-関空を減便する。また、成田-シドニーや関空-上海など7路線で機材を小型機に変更して運航効率を高める。 一方、全日空は18路線を廃止、減便する。国際線のうち中部-天津、中部-広州の2路線を廃止。関空-大連など2路線は6月末まで運休し、需要に応じて復便する。テロの影響の残る成田-ムンバイなど3路線は減便する。 国内線は神戸-仙台を廃止するほか、羽田-神戸や関空-高知など10路線で減便する。 ただ、福岡-仙台、福岡-石垣の2路線は、経由便での需要が根強いため直行便を再開。6月に予定される静岡空港の開港に合わせ、静岡-沖縄など2路線を新設する。 両社は路線の廃止、減便や小型機の導入で100億円規模のコスト削減効果を見込んでいる。

※2     <航空業界>国が支援へ 年度内に具体策…金子国交相  

            2月4日20時45分配信 毎日新聞</span></p>

 金子一義国土交通相は4日、需要の急激な落ち込みで業績が悪化している航空業界に対し、年度内に支援策をまとめる方針を明らかにした。定期航空協会の西松遥会長(日本航空社長)らが同日、政府支援を要請したことを受けたもので、金子国交相は「しっかり支援する」と述べた。 具体策は国交省と同協会が協議するが、空港の着陸料や航空機燃料税の軽減、採算のよい羽田空港の発着回数拡大なども検討対象になるとみられる。航空会社には「現時点で資金繰りの問題はない」(国交省幹部)が、今後の環境次第では資金支援も検討される可能性がある。 国交省は新型肺炎(SARS)で国際線需要が落ちた03年も業界への緊急支援を実施。税軽減、日本政策投資銀行による緊急融資、発着枠の一時的な規制緩和などを行った。 航空業界は世界的な景気後退で旅客、貨物とも輸送量が急減。09年3月期連結決算で全日本空輸が100億円の経常赤字を予想しているほか、日航も赤字転落の可能性がある。【位川一郎】