JAL「機材更新」の一番手!B-737-800

~近距離の「エース」となるか~

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航空会社にとって、 日に日に経年劣化する「機材の更新」は、「安全性を保障し」かつ 「燃費効率・整備効率」を高めるためにもどうしても通らなければならない関門です。

かつて、70年代に「大量輸送」の申し子として華々しくデビューしたジャンボ機もこうした荒波にさらされ、世界的に次々と退役の方向にあります。

さて、エアラインとしては、自らの置かれた状況と今後の動向を「正確に把握し」、膨大な資金を要する「機材更新」に向かわなければなりません。

基本的に3つの選択肢から選ばざるを得ないといってよいと思います。

一つは、「大型機を使用し、大都市ハブ空港と同士を結ぶ大量輸送」二つ目は、「大都市と地方都市、地方都市同士にそのまま乗り入れる点と点結ぶ方針、中型機を中心とした柔軟な構成」3っ目は、この二つのコンビネーションです。

日本の翼は、主に「アメリカ・ヨーロッパ」へ向けての長距離直行路線をどうするか、豪州・東南アジア・中東へ向けての中距離・短距離路線をどうするか、中国・韓国・シンガポール地区から欧米への長距離大量輸送路線とどう競合するか、アジアに次々と生まれている「格安航空会社とどう戦うか」などの課題を充分考慮した上で、「フリート=機材」の更新全体を考えねばならないのです。大変難しい問題と思います。JALでは「機材のダウンサイジング」がスローガン的方針とされています。

大まかに言えば「エアバスAー380」のオーダーについても、この問題が絡みます。次世代機としてエアバス380を購入するかの問いには、JALは「考えていない」ANA「現在のところ考えていない。検討はしている。」とほんの少し温度差は感じられるものの、ほぼ一致しています。そして、「ボーイング787機」を発注しています。

日本の経済的背景として、「米国」「EU」のどちらの航空機を購入するかという問題も絡んでいるという見方も出来ましょう。

とはいいながら、来年には、就航するであろう「エアバス380機」は、シンガポール航空大韓航空、カンタス航空などが日本へ向けて飛ばしてくることもあり、利用者の反応も見ながらという側面もあります。

ちなみに、エールフランス航空は、中距離用フリートとしては147機のうちA-320、A-321で既に80機をラインナップしています。また、アメリカ国内の「雄」である「ジェットブルー」は、エアバスA-320で機材統一し、現在82機保有し、毎週「デリバー」を受けつつ、2012年には「202機」の保有を予定しています。

この「B-737-800」は、まさに「機材更新」のポリーシーの基となるものと思えます。 

        JAL再生の”切り札”新小型機で効率化

 経営再建を進める日本航空(JAL)は21日、今後の小型機の主力と位置づける「ボーイング737-800型」機の1号機を報道陣に公開した。国内線として運航した場合、1座席当たりの燃費効率を現行機よりも15%改善できる。本業の航空事業の赤字体質からの脱却を目指す同社にとって、“切り札”ともいえる機体だ。 「機材のダウンサイジングを進めている当社にとって、きわめて戦略的な機材」 同日、記者会見した西松遥社長は、羽田空港に到着した1号機を前に感慨深そうにこう語った。 燃費効率を飛躍的に改善できるだけではなく、エンジン性能の向上などにより航続距離は従来の3300キロメートルから4500キロメートルへと大きく伸びる。東南アジアや中国など近距離国際路線の小型機での運航が可能となり、「路線の特性や需要規模に応じ、きめ細かい便数、ダイヤ設定が可能となり、お客さまの利便性を向上できる」と期待を寄せる。

 同社は、同型機30機を発注済み。さらに10機のオプション権を保有しており、年間8機程度のペースで同機材を導入していく。機種更新に投じる費用は、今後5年間で7500億円の巨額に上る。

 現在、同社の航空機の6割近くが325人乗りの「ボーイング747」といった大型機。これまでは、不採算路線や搭乗客数が少ない時間帯の運航でも大型機を使うほかなく、これが同社の収益を圧迫していた。このため、今後5年間で同機のほか、中型機「787型」を合わせ計86機を新規購入。中小型機比率を06年度の42%から10年度には62%に高める。

 中小型機へのシフトによる客席減は減収の要因となるが、ファーストクラスやビジネスクラスといった付加価値の高い客層を取り込めば、収益は改善できるとみている。 中小型機への機材の更新は、09年に予定されている羽田空港の再拡張への備えの意味もある。発着枠を最大限に確保できなければ、大きなビジネスチャンスを逃しかねないからだ。

 だが、中小型機へのシフトには巨額の費用を要する。7月末に公募増資で調達した2000億円も機種更新で消えていく。今月上旬に発表した06年9月中間決算で、2期ぶりに黒字化したJAL。新型機が本業の黒字化と再生の布石となるかは依然、不透明だ。(門倉千賀子)
(フジサンケイ ビジネスアイ) – 11月22日8時54分更新