~もって、他山の石とすべきことあり・・・。~
USエアウェイズに次いで、あのUAL ユナイテッド航空の経営が危機的状況にある。
頼みにしている政府からの債務保証が得られぬ場合は危ないと言われている。
勿論、危機の最大の要因が、9.11テロ以降の利用客減少にあることは、誰もが認めるところではあるが、更に保険料の引き上げ、保安体制強化のための経費増も多大であり経営に対し、ダブルのマイナスインパクトとなっている。
こうした事態に対して、アメリカ政府は昨年9.11直後の9月24日、民間航空に対し180億ドルの財政支援決定を皮きりに種々の支援も行ってきたが、それでも航空界の危機的状況を、脱するまでに至っていない。

その上、イラクへの先制武力攻撃の事態ということになれば、テロへの不安が増大し、利用客は、ますます落ち込むだろうといわれている。つまり、アメリカの外交のあり方によって、民間航空の存立さえも左右しかねない事態ともいえる。
さて、こうした要因とは別に、アメリカの民間航空には、それ依然に構造的とも言える問題が蓄積されている。
それは、1978年の規制緩和《航空規制緩和法(Airline Deregulation Act)の成立》以後、多くの航空会社が設立され、運賃の自由化によって、激烈な低運賃競争となった。
多くの新規参入の航空会社が名乗りをあげ、その搭乗方法も「空港カウンターに先着順」「ホットパンツのスチュワーデス搭乗が売り物」等あの手この手でティケットの安売り合戦を行った。消費者にとっては、一時的、一部的、表面的にせよ”安く乗れる”ということで大歓迎された。
勿論この陰では、コスト削減のため、正規社員のリストラに代えての契約社員の増加、整備の外注化など安全運航を揺るがしかねないことも当然行われていたことは、言うまでもない。従って消費者にとっては必ずしもいいことずくめではないことではあったのだが・・・。
この結果、あの世界第1だったパンナムはじめ、イースタン、ウェスタン、TWAまで、倒産、吸収の憂き目を見た。
日本の航空関係者にとっても、パンナムと言えば、目指す目標であり、あこがれでもあり、世界中に巨大なネットを張る絶対的な存在でもあった。
そして、今、話題になっているユナイテッド航空、デルタ航空などの寡占化が逆に進み、振りかえれば、正規運賃については、値上げとなったという皮肉な歴史を残した。
また、付け加えれば、安全性・快適性・定時性などの公共的な使命を受けながら経営をして行くべき航空会社が、徹底的な利益追求めざす持ち株会社に全て牛耳られていく、消費者から見れば、危険な兆候もはじまっていたといえる。
さて、日本においてもいつテロの対象とされるかわからない状況下で、保安体制強化は、必須であり、こうした経費を民間の航空会社の大きな負担とすれば、リストラ・整備費などの経費削減に走らざるを得ず、めぐりめぐって消費者にそのつけが、まわってくることになりかねない。
ついては、政府として
*保安対策強化の経費を、これまで以上に予算化し、実行する
*規制緩和が、航空会社の新規参入を可能にしても、事実上参入会社が、安全性・快 適性を維持できるだけの経営条件(一部、運賃面で競合上の保護には、のりだしているものの)にあるか、また、現在進めてきた規制緩和が、安全確保を阻む要因になってはいないか、を焦点にした再点検。
などを今後早急に進めるべきと思う。
※以下は資料として、航空事情aerospace777(http://www.aerospace777.com/)より引用させて、いただきました。
【参考資料】
ユナイテッド航空 運航乗務員組合暫定合意で株価急上昇
Date : 2002/11/05 (Tue)
ユナイテッド航空の持ち株会社ユー・エー・エル社の株価は4日のニューヨーク証券取引所で、賃金カットを含む会社再建計画に対して週末に運航乗員組合が暫定合意したことを受けて急上昇した。
先週末の終値比で0.62ドル(24.22%)上げた、3.18ドルでこの日の取引を終えた。値幅は2.85~3.50ドルで、出来高は約749万株と、普段の倍以上だった。
ユー・エー・エル社のグレン・ティルトン会長は、現在も交渉中が続く整備士組合や客室乗務員組合などとも近く合意できるとの期待を明らかにしている。
■ ユー・エス・エアウェイズ 第3四半期、3億3500万ドルの赤字
Date : 2002/11/04 (Mon)
連邦破産法の適用下で会社再建中のユー・エス・エアウェイズは1日、第3四半期の業績が最終損益で3億3,500万ドル(約410億円)の赤字だったことを明らかにした。前年同期は7億6,600万ドルの赤字だった。
ユー・エス・エアウェイズは9月末までの9ヶ月間で、8億5,200万ドルの赤字となった。昨年の同期間は、9億6,000万ドルの赤字だった。
連邦破産法の適用を申請した8月11日からこれまでにユー・エス・エアウェイズでは、座席マイル費用を12.18セントから10.95セントに引き下げることを達成し、旅客あたりの運航費用を約10%削減している。
■ ユナイテッド航空 運航乗務員、運航管理者組合暫定合意
Date : 2002/11/04 (Mon)
ユナイテッド航空の運航乗務員組合は1日遅く、12月1日からの18%の減給を含む5年半で22億ドルの賃金カットに応じることで暫定合意した。
約8,800人の組合員による投票を行い、最終的な受け入れの可否を決めることになる。合意内容の詳細は明らかにされていない。
また、運航管理者(ディスパッチャー)組合も3日、賃金カットを巡り会社側と暫定合意に至った。
約23,000人の組合員を擁する客室乗務員組合(AFA)は、先に3.6%の賃金カット受け入れを表明したが、約34,000人を擁する整備士組合(IAM)同様に会社側との交渉が続いている。
■ ユナイテッド航空 ATSBへ事業計画を再提出
Date : 2002/10/25 (Fri)
ユナイテッド航空は22日夜、航空運輸安定化委員会(ATSB)に対して18億ドルの連邦政府による債務保証の承認を目指し、新たな事業計画を提出した。
ユナイテッド航空が23日に明らかにした、主な内容は以下となっている。
1)向こう5年半での58億ドルの人件費削減。
2)全ての従業員組合の(会社再建計画への)参加。
3)年間14億ドルの特定な非労働上の収益改善、及び追加的な4億ドルの経費削減策の開発。
4)追加的な12%の供給削減。
5)2003年から2005年にかけて、12億ドルの追加的資本投資の抑制。
また、金融機関を含む取引業者に対して追加的な財務改善へ向けた協力を求めていくとしている。
■ ユナイテッド航空 客室乗務員組合、賃金カット受け入れへ
Date : 2002/10/28 (Mon)
ユナイテッド航空の客室乗務員組合(AFA)は26日、会社側が目指している、5年間で58億ドルの人件費削減の負担分として、3.6%の賃金カットに応じることを明らかにした。
賃金カットに応じるのは客室乗務員約24,000人と、ユナイテッド航空全体の客室乗務員の85%に相当することになる。
同組合では、元々客室乗務員の賃金は業界の平均的なもので、同社のなかでは最も低い部類だったことから、58億ドルの人件費削減への貢献は小さいとしている。
また、連邦破産法の適用申請の回避に向けては、業界でも高い賃金水準を維持する、他の組合が譲歩することを求めている。
■ ユナイテッド航空 供給削減計画を公表
Date : 2002/10/25 (Fri)
ユナイテッド航空は23日、供給削減の一環として、カラカス(ベネズエラ)、サンチャゴ(チリ)、デュッセルドルフ(ドイツ)、ミラノ(イタリア)の路線から撤退することを明らかにした。運航停止で年間1億2,000万ドルの経費が削減できるとしている。
路線からの撤退で、カラカスで69人、サンチャゴで110人、ミラノで45人、デュッセルドルフで4人が解雇される。カラカス、サンチャゴは来年1月7日に、ミラノ、デュッセルドルフは1月22日に、それぞれ閉鎖される予定となっている。
また、ワシントン、サンフランシスコからのパリ線の運航を、現在のB777型機からB767型機に、サンフランシスコからの大阪線、東京からのソウル線、1日2便のシカゴからの東京線の1便をB747型機からB777型機に、それぞれ機体を小型化し供給を削減する。
■ アラスカ航空 第3四半期業績、1060万ドルの最終黒字
Date : 2002/10/24 (Thu)
アラスカ航空グループは23日、第3四半期の業績が最終損益で1,060万ドルの黒字だったことを明らかにした。
業績には税引き後で、30万ドルの連邦政府からの補償金が含まれている。収益は、前年同期の5億8,800万ドルから、6億2,010万ドルに上昇した。
アラスカ航空グループの株価は23日午前のニューヨーク証券取引所での取引で、前日終値比で2.81ドル(約16%)上げた、20.45ドルで取引されている。
■ ノースウエスト航空 機体引渡の繰り延べへ交渉を開始
Date : 2002/10/23 (Wed)
ノースウエスト航空は21日、来年後半から受領予定の機体に付いて引渡しを繰り延べる交渉を航空機メーカーと開始したことを明らかにした。しかし、何機の引渡しを繰り延べる意向があるのかは明らかにしていない。
ノースウエスト航空では2003年に53機の受領を予定している。内訳は、B757-300型機が9機、A320型シリーズ機が16機、A330型機が6機、カナダのボンバルディア社製リージョナル・ジェットのCRJ型機が22機となっている。
B757型機は1983年のイースタン航空への1号機引き渡し以降、1,000機以上を引渡しているが、ボーイング社では今年、B757型機の受注は1機も受けておらず、発注残もB757-300型機が28機しかない。
■ ユナイテッド航空 客室乗務員組合との交渉を開始
Date : 2002/10/23 (Wed)
ユナイテッド航空の客室乗務員組合は22日、賃金カットの代償として株式と利益還元を求めることを前提に、会社側との経費削減を巡って独自の交渉を開始したことを明らかにした。
客室乗務員組合では、全ての組合が合理化計画が達成出来るように参加することが必要だろうとしているが、譲歩と代償の組み合わせは、各組合の特徴を理解した上で決められべきだとしている。
また、連邦破産法11条の適用を受ける事態に陥っても、会社側は組合側に対して、更なる譲歩を求めるべきではないとしている。
【追加資料】
■米ユナイテッドが暫定合意
共同通信経済ニュース速報
【シカゴ10日AP=共同】
経営危機に直面している米航空第2位のユナイテッド航空は10日、破たん回避のための経費削減策について客室乗務員組合との間で暫定合意に達した、と発表した。
同社は客室乗務員や機械工員を削減することで58億ドルの経費削減を目指しており、暫定合意はこうした計画に沿った内容という。
[2002-11-11-16:14]
