「安全」は、「まくらことば」化していないか!

~日本航空、重大トラブルを航空局に報告せず、隠蔽か~
北海道・新千歳空港で1月22日、羽田行きの日本航空機が管制官の許可なく離陸を開始し、同じ滑走路に着陸したばかりの全日空機にあわや追突というトラブルを起こしていたことが本日3月1日、明らかになりました。機長は会社(日本航空)の調査に対して、管制官の許可なく離陸したことをを認めましたが、その後、同社は国土交通省への報告を怠っていたことも判明しました。 
詳しくは、⇒無断離陸開始の日航機あわや追突…雪の新千歳、
無許可離陸、日航はトラブルを国交省に報告せず(いずれも読売3月1日)
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B-777型機
 運航乗員パイロットは、どのような理由があろうと、(雪で遅延していたため、遅れを取り戻そうとの意識がミスを誘発しているのではないかと推察できるが・・。)基本的手順を忠実に行わなければなりません。その手順を省いたことで、あわや大惨事というミスを犯したことは、大へんな問題です。しかし、更に重大なことは、このことを運航の現場の最高責任者である役員(運航本部長)の責任の下、国土交通省航空局にあえて届けなかったという事実です。
国交省としては、事態を重大視しているというものの、管制官の制止によって「重大インシデント」とは考えないとも発表しています。ここで、重大インシデントとは何かといいますと「人身事故にはならなかったが、ひとたび間違えば、重大事態になった可能性のある事件」のことを言います。つまり、「事故」と「事故予備軍的事故」に分けられているのです。更に、それ以前の問題として、航行中の故障によって遅延したり、安全を期して航空機を引き返しを行ったり、地上で航空機同士が接触したり、することは、単に「イレギュラー運航」という範疇にいれられ、メディアに対してもあまり大きく扱われていません。利用者からみれば、知らされていない「危ない、危ない!」という事態が実は数多く発生しているということでもあります。
「イレギュラー運航」の実態は、以下のように航空局のHPに発表されています。
イレギュラー運航状況
雪印、三菱自動車の問題以来、「企業としてのモラル、危機管理のあるべき姿」が繰り返し、社会的に論じられてきた中で、公共交通機関の中でも、模範となるべき「安全への姿勢」を求められている巨大な航空会社が、あろうことか、自社の評判、信頼にもかかわると判断したと思われますが、「報告」の義務を果たさず、「隠蔽」したといわれても仕方がない行動をとったことは、真に由々しき事態だと思います。
その上、記者会見の席上で、担当役員(専務)は、事態が判明してしまったにもかかわらず、あくまで「報告が遅れたことは申し訳ないと思っている」と弁明した上、記者から「管制官からの緊急停止指示がなかったら、全日空機と激突の事態ではなかったのか」の質問にも「自分は、まだ状況をよく把握していないので答えられない」などとも述べました。
責任者が事態の把握もしないで記者会見に臨んでいるとしたら、こんな無責任なことはないとの声も寄せられています。
先日、日本航空兼子会長は、TV局のインタビュー「JAL/JASの合併後の状況は、どうでしょうか」の質問に対し、
おおむね「コスト削減を含め順調にきている。更に効率化をすすめる」と応えていました。
しかし、こうした事態をみると、「安全」にも「効率化」の影が落ちているのではないかという疑念も湧き、思わず心配になります。
航空機は、そのスピードゆえに利便性が高く、多くの乗客が利用します。しかし、ひとたび間違えれば、そのスピードゆえに、大惨事を引き起こすという背中合わせの乗り物でもあります。
このトラブルのみならず、すべての航空会社は、まくらことばだけの「安全」を唱えていないか、今一度点検をしていただきたいと思います。

One thought on “「安全」は、「まくらことば」化していないか!
  1. 真相究明・・・JALとTGのコードシェア(番外編・TGはこんな会社とコードシェアするのを止めよ)

    既に「真相究明・・・JALとTGのコードシェアその6」のネタは有るのですが、今日スポーツクラブに行ったらテレビでたまたまこんなニュースをやっていて、家に帰ってか…

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