これは、シャンペィンではない!

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~英国人CAの言うことは、正しかった~
 ドアクローズしたロンドン行きのジャンボは、ブロックアウトしてタクシング ウェーからランウェーへと向かった。
「Good afternoon、ladies&gentlemen. Welcome to our  ××××× airlines  flight ××・・・・」
フライトの始まりを告げるチーフパーサーのウェルカムのP.A(パブリックアドレス・・アナウンスのことです)がいつものように始まった。搭乗旅客はそれぞれのシートにおさまり、落ちついてきたものの、ファーストクラスとビジネスクラスのキャビンでは、CAがテイ ク オフ前の「ウェルカムシャンペン」と呼ばれるサービスをこなすために、ばたばたと走りまわっている。2
ファーストクラスでは、チーフパーサーは、乗客ひとりひとりとウェルカムの会話をしていたちょうどその時、ビジネスクラス担当の英国人CAが少し興奮気味 のおもざしで小走りに近い歩みでやってきました。
CA「チーフ、よろしいでしょうか?ちょっとお話があります。」
お客との会話を外した、チーフパーサー(CF)は
「いいよ。何かトラブルでも?」と受けました。
CA「今、ビジネスでSVC(サービス)しているシャンペィンなんですが、あれはスパークリング ワインでいわゆるシャンペィンではありません。ヨーロッパのお客を相手にあれをシャンペィンというのは、会社が嘘をついていることになります。私も、平気でSVCするのは、恥ずかしいです。今すぐ、P.Aで説明して謝るべきだと思います。」
全く予測のつかなかった意見を言われたCF、うーん・・・と少し考えたものの、
CF 「なるほど・・。それは、確かに君の言うとおりだね。しかし、既に始まっているSVCを突然中止するわけにはいかないなぁ。また、会社としても、その辺は認識した上でこの便だけではなく、全便でこのSVCを実施していると推察するしかない。会社の業務指示でもあるので、とりあえずは、通常通りSVCを続けてください。」
と指示を下しました。ところが英国人CA、全くひるむことなく
CA 「CFは、私の申し上げていることが理解できないんですか?」
CF 「十分理解しましたが、今日のSVCをどうするかということは、私のジャッジメントの通りにしてください。」
CA 「SVCを止めてもらわなければ、納得できません。」
CF 「あなたの気持ちもよくわかった。少なくともSVCの呼称変更をするように、東京帰着時に、口頭並びにドキュメントでリポートしましょう。内容としては、私もあなたの言う通りだと思うので、大胆にきちんと改善させましょう。」
CA 「それで、今日のサービスはどうするんですか?」
CF 「続行してくださいといっています。アクセプトできませんか。」
     なんとしてもSVCをやめさせたいと一途に思っていたCAは、ここであろうことか泣き始めました。
CA 「納得できません。」
ファーストクラス旅客への対応、テイクオフの準備もあるCFは、
CF 「all right. If you don’t like to accept my decision, you can be seated on this flight from now. you don’t have to work anymore.understand? everybody even all crewmenbers are so busy inncluding me. I promise you to take time after this flighit and to talk with you about this matter.
このことは、フライト終了後にゆっくり話しましょう。しかし今は、討論している暇はない。指示に従えないなら、このフライト中は働かなくても良い。座席に座っていなさい。」
それからのCAは、泣きながらラバトリーにこもって2時間ほど・・。出てきて、にこっとスマイルで
 「I’m sorry.I understood. Can I back to work..」
CFは当然  「 Sure.」 と応じました。
その後、合間を見てよく話し合ったCFとCAは、人種の隔てを超えて信頼の絆に結ばれたようです。
my_pictures_214.jpg修正
英国人CA達。(文中の人物とは関係ありません。)
また、この「シャンペインでないのに・・」問題は、CFのリポートをはじめ現場から寄せられた多くの声で、また、タクシング中は安全上SVCを行わないということもあいまって、その後、ビジネスクラスのサービスから姿を消しました。
さて、こんなシチュエーション、あなたならどうする? でした。

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