~不平等な「日米航空協定」を平らにすることもなく~
日米航空交渉の不平等は日本の敗戦に始まり、今に至っても尾をひいています。沖縄で60年間「不合理」をそのままにして、最近火を吹いた「普天間基地問題」と同根の問題です。
アメリカとの「以遠権」の不平等は、そのままにして「世界の趨勢に日本も開港すべきだ」という論調を「全面に出した」政府とメディアの宣伝で「日米オープンスカイ協定」は、国民利用者が内容を把握しないまま昨年末に締結されてしまいました。
「JAL破綻問題」の折りにも、「いっそのこと、デルタかアメリカンに買ってもらえば・・・」という形になって、「以遠権の不平等」から目を背けさせる方向へと舵取りがされてきたように思えます。
私ごときの一民間人が何を言っても「大海にスポイトで一滴」のようなもので、「心配は氷漬け」されてきました。 「アメリカの底力」 「日米オープンスカイ協定でパラダイスが見えるのか?」
~「以遠権」とは?~
日米航空協定とは?
1998年1月13日(火) 新聞報道より
一九五二年締結。運航権に制限のない「先発企業」は、旅客部門では米側がユナイテッド、ノースウエスト航空の二社、日本は日本航空の一社。相手国を経由して第三国へ飛行する権利である「以遠権」は、日本には大幅な制限があるのに比べ、米側はほとんど無制限だ。八二、八五、八九年の三回、部分修正を図ってきたが、不均衡は解消されておらず、太平洋路線の輸送実績の割合は米側七対日本側三で、日米間に唯一残された不平等条約と言われる。
このため、運航権が制限される「後発企業」である全日空の「先発企業」昇格を含め、不平等是正が日本政府の悲願となってきたが、アメリカは逆に国際線の完全自由化をうたう「オープンスカイ」政策を日本に迫っている。
こうした不平等を解消せずに、対米オープンスカイにすることは、簡単に言えば、「日本からアジアへ向かう日本人旅客をアメリカのエアラインが自由に摘み取ることができる」ということになります。詳しくは、 「日米オープンスカイ協定でパラダイスが見えるのか?」を参照下さい。
~アライアンスという名を借りて~
国際的に見れば、多数の国際線路線網を持つ国際線エアラインは、運賃破壊という現状で収支をはかるには、「コスト」を大幅にカットできる「アライアンス」加盟は、必須の条件です。
日本で言えば、ANAは8年前にスターアライアンス、JALは2年前に重い腰を上げて「ワンワールド」に加盟しました。
エアラインの競走は、アライアンスの激しいつばぜり合いとなることは、10年も前から見えていて、そうなれば、しっかりした土台がなければ「日本人のマーケット」は全部外国にさらわれてしまう、ことは必定です。
~メディアの責任は、大きい・・・・。~
前政権の下で「世界から取り残された航空政策」、その弱点を改善を示唆することもできない現政権のあり方には、イライラがつのります。
同時に、「羽田ハブ」だの「自由化」だの「LCC]だの、表面だけを撫でて来た「メディアの責任」も大きいものと思います。1978年のアメリカ・カーター大統領が行った「デ・レギュレーション=規制緩和」以来、アメリカでは、国際線大手は皆破産し、国家が支えてきました。その陰で国内線は、「サービス向上、コストはカット」という合理性のもと、「ジェットブルー」や「サウスウェスト」などが世界に見本を示してきました。
30年もの時代を経て磨かれた欧米のLCC、まるで事情が違う「アジアのLCC」のことなども詳しく知らされている報道などはあまり見かけません。いまさら・・・です。
厳しく言えば、「アライアンスの競走激化」などとは、取り上げ方が遅いような気も致します。
航空連合間の競争激化 加盟社、料金・ダイヤで協力 日米オープンスカイ協定
1026.2010.朝日
日米両政府は25日、「空の自由化」を進めるオープンスカイ協定に署名した。来月発効する。成田、羽田両空港も対象とする協定は初。
対象とする協定は初。日米路線では航空連合の「団体戦」の様相が強まり、運賃が下がる効果も期待できる。政府はアジア諸国との協定も急ぐ。(澄川卓也、ニューヨーク=山川一基)
「日米間の輸送規模は世界一。最も重要なパートナーとオープンスカイを実現できることは意義深い」。馬淵澄夫国土交通相は25日、国土交通省で協定に署名したルース米駐日大使と握手を交わした。
日本は2007年以降、韓国など9カ国・地域と協定を結んだが、発着枠に余裕のない羽田や成田を除く「半開き状態」だった。羽田の国際化や成田の発着枠拡大で、両空港の自由化にも踏み切った。
空の旅はどう変わるのか。シミュレーションしてみた。
《11年春、Xさんは成田の出発ロビーで運航掲示板に目を見張った。ロサンゼルス便では同じ航空連合に属する日本のA社、米国のB社とC社が午前、正午、夕方に分かれて飛んでいるからだ。これまでは独禁法でダイヤ調整を禁じられ、夕方に集中していた。Xさんが乗ったのはB社。運賃割引は3社共通になっており、機内では日本人客室乗務員が増え、日本のA社と同レベルのサービスを実感した。》
世界に三つある航空連合はこれまで、マイレージやコードシェア(共同運航)で協力してきたが、商売敵の域を出なかった。今後は連合ごとに日米路線は事実上「統合」。収入をプールした上で分け合うので、仲間の便も自社便と同様に売り込む意識が働く。利用者の多寡に合わせて、便数を増減しやすくもなる。
利用客にとっては、航空会社より航空連合を選ぶ傾向が強まりそうだ。ドル箱の日米路線ではシェアが拮抗(きっこう)しており、連合間の団体戦が激化するのは必至だ。
航空自由化の主戦場はアジアにも広がる。日本政府は協定がない中国やインドネシアとも12年度までに順次、締結する方針だ。アジアで成長する格安航空会社(LCC)などの乗り入れを促す。日本への旅行客の増加で経済を浮揚させる狙いだ。
●欧米ではLCC台頭
オープンスカイ先進地の欧米では運賃が下がったり、LCCが台頭したりしている。 米国は92年のオランダ以来、96の国・地域と協定を結ぶ。オランダのKLM(現エールフランスKLM)と米ノースウエスト航空(現米デルタ航空)を始め、航空各社は独禁法適用除外(ATI)をてこに、乗り継ぎしやすくするなどして競争力を高めた。
米運輸省が協定締結が大幅に進んだ98年と96年の運賃を比べたところ、未締結国との路線の運賃は3%しか下がらなかったが、締結国の路線では14%も下がったという。
米大手航空関係者は「日米路線でもATIの効果が表れれば、コスト削減分を顧客に還元できる」と運賃低下を見込む。一方で「ATIで航空会社側は『単独』で運営するよりも輸送能力を調整する余地が生まれる。壊滅的なまでの価格競争を避けるようになり、運賃は少し高くなる可能性もある」(米航空コンサルタント)との指摘もある。
97年までに域内の航空自由化を終えた欧州でも「15%程度運賃が下がった」(欧州航空関係者)という。ただ、自由化でライアンエアなどのLCCが台頭して価格競争が起きた影響も大きそうだ。
◆キーワード
<オープンスカイ協定と独占禁止法適用除外> これまで国際線は、政府間協議で路線や便数を決めることが多かったが、協定を結ぶと航空会社が原則、自由に決められる。発着枠拡大後も余裕のない状況が続きそうな羽田や成田には制約が残るものの、関西、中部や地方空港では、路線新設や増便を自由にできるようになる。 日米協定の発効で、全日本空輸と日本航空は、それぞれ同じ航空連合に属する米航空会社と共に独禁法適用除外を認められ、ダイヤや運賃などを調整できるようになる。

自己破産しないためにはどうしたらよいでしょうか?
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