~不安の払拭には、政府の方針がカギ~
このページで 「アジアで広がる原因不明の急性肺炎、旅行者要注意!(3/20更新)」「要注意です。!!謎の肺炎その2(3/31更新)」「謎の肺炎・・対応のまずさが拡大へ(4/4更新)」「《SARS》に対して、日本は、どう対処すべきか!(4/6更新)」「危険にさらされている航空機乗員・乗務員(4/23更新)」と情報と意見を可能な限り発信してきましたが、SARSの広がりは、不幸にも、不安が現実となって、世界に蔓延しており患者数は、5月11日現在で、『世界保健機関(WHO)は10日夕、SARSの患者数が世界で、前日比113人増えて7296人に、うち死亡者は同12人増の526人になったと発表した。 』と約7300人にも達しています。
また、こうした急転する事態に対応して、当ページとしては、最新航空ニュースの中に、
【緊急 SARS特集】 ⇒ 旅行者必見!
というコーナーを設け、下記のように、意見は、ともかく迅速な情報発信に務めました。
●SARS関連ニュース(5/7更新)
●SARS関連ニュース(4/27更新)
●SARS関連ニュース(4/23更新)
●北京市長が辞表提出、受理 SARS拡大で引責 (4/22更新)
●新型肺炎・アジア出張を米国企業の61%が見合わせ(4/20更新)
しかし、「いわゆる水際で阻止するべき日本のSARS防疫体制」は、もともと、「事態の深刻性を甘く見ている」ことが根底にあって、まだ、日本で発症例の発表がないことを、根拠に「後手を踏んでいる」「防疫体制に徹底を欠く傾向」が見受けられ、打つべき手を迅速に打つという点で、大きな不安が残ります。例えば、未だに、帰国者の質問表は、提出させるものの、検疫での体温の確認(体温計を置いてあるだけ、計る人ほとんどなし。
サーモメーターを設置してあっても、集団で通過されると何も機能しない。)などの状況にあり、また、エアラインのカウンター・機内での対策もマスクは必ずしも全員に配布してはならない。という指示もだされているようで(コスト上の問題か?)、疑いが生じたか、指定された中国・香港などへの便に限る、など対策に不徹底さが、見受けられます。
WHOはじめ各機関が発表した範囲では、感染源を見逃した場合、その後ねずみ算的に、爆発的に感染が拡大しています。
また、最近では、必ずしも高熱を発さない症状の感染者もあり、この感染者から感染したものが死亡に至った例も報告されており、油断は出来ません。
中国・香港に続き 台湾では、こうした防疫体制の不徹底から病院ごと感染など、社会不安を招くに至る感染拡大が生じています。
日本政府としては、中国の教訓(北京に顕著だった、感染隠し)、香港の教訓、ベトナムの教訓(徹底隔離で感染阻止)を生かした、徹底的な対策の即時実施が求められているのではないでしょうか。
ちなみに、以下は最近の厚生労働省の指示あるいは、防疫体制を伝えるニュースです。
【参考ニュース】
☆SARS「疑い例」でもウイルス検査へ 厚労省方針
新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)対策で、厚生労働省は7日までに、新型コロナウイルスの検査対象を、感染地域から帰国後に発熱やせきなどの症状が出た「疑い例」の人まで広げる方針を固めた。8日の対策専門委員会の意見を聴いて最終的に決める。また、感染者が増加している台湾からの帰国者らに対しても、香港や中国全土からの帰国者らと同様に、10日間は人と会うのを最小限に控えるよう要請することを決めた。
今回の措置は、世界保健機関(WHO)が症例の定義を改め、「疑い例」でも新型コロナウイルスの検査で陽性となった場合は、肺炎が確認されて個室入院が必要な「可能性例」とみなす、としたことを受けた。WHOは、SARSが肺炎を発症していなくても、ほかの人へ感染させる可能性を指摘している。
これまで「疑い例」は入院の必要はなく、自宅で経過を見守ることになっていたが、これで疑わしい症状の人がすべて検査対象となる。
具体的には、のどの粘膜や尿など複数の検体の提供を任意で求め、まず都道府県などの地方衛生研究所で検査する。その後、国立感染症研究所で確認の検査をすることになる。新型コロナウイルスの遺伝子検査は現段階の技術では、感染を見逃す危険があり、WHOが複数の研究機関で確認することを求めているためだ。
一方、台湾からの帰国者らに対しては、人と会うのを控え、外出時にはマスクの着用を求める。台湾では6日現在、患者(可能性例を含む)116人、死者10人がWHOに報告されている。 (05/07 21:02)
☆SARS「可能性例」で渡航地・年代など公表へ 厚労省
新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)対策で、厚生労働省は6日、感染地域から帰国後10日以内に肺炎などを起こした「可能性例」が都道府県(政令指定市、中核市、特別区を含む)から通報された場合、通報した自治体名や本人の性別、年代、国籍、渡航地域などを公表することを決めた。6日以降の通報から実施する。
厚労省がこれまで、可能性例について公表してきたのは、人数と簡単な病状の説明のみだった。しかし、可能性例でも本人への入院勧告や家族らの健康診断の勧告などができるようにしたのを受けて、情報は明らかにすべきだと判断した。ほかの自治体などで無用な混乱や不安を招くことを防ぐ目的もある。入院勧告した自治体と健康診断を勧告した自治体が異なる場合はそれぞれ公表する。
可能性例についてこのほか、「軽快した」「悪化した」など本人の病状の経過や、家族や職場の同僚ら接触者に同じ症状の人がいるかどうか、なども公表する。
さらにSARSと確定したら、本人の年齢、渡航地域に滞在した期間、接触者の2次感染調査の結果なども明らかにする方針。
これまで報告された可能性例の16人については、すでに全員が対策専門委員会でSARSを否定されているため、公表しないとしている。疑い例の公表は変わらず、人数などのみにとどまる。 (05/06 20:46)
☆SARS検査、衛生研の3割「できない」 P3施設なし
新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」を引き起こすSARSウイルスを安全に検査できる「P3施設」が検査を担当する衛生研究所の3割には備えられていないことが、厚生労働省の調査で分かった。都道府県内に1施設もないのは、7県。国立感染症研究所(東京都新宿区)で検査が可能だが、検査が集中すれば処理能力を超えるおそれもある。
東アジアでのSARSの集団感染を受けて、厚労省は4月下旬、都道府県や政令指定市、中核都市が設置している全国76の衛生研究所や環境保健センターに、SARSウイルスを施設内に封じ込めて検査できるP3施設があるか調べた。「なし」と回答したのが21施設。このうち、長野、岐阜、奈良、山口、徳島、愛媛、長崎には1施設もなかった。
SARSの疑いがある人が出た場合、地方衛生研究所などは、ほかの病原体に感染していないか調べるほか、便やたんなどからSARSウイルスを分離して感染の有無を検査する。P3施設のない自治体は、国立感染症研究所に検査検体を送って、検査を依頼するよう厚労省は求めている。
施設がない複数の自治体や衛生研究所は「国に検査を依頼でき、困っていない」と話している。一方で、「P3施設がないと、扱えない病原体も複数あり、日ごろから必要性を感じている。しかし、予算、人的態勢から現状ではやむを得ない」(山口)、「不都合が出れば、隣県などに協力をお願いすることも検討したい」(長崎)とする自治体もある。
厚労省の担当課は「現時点で問題はないが、長期的に考えれば、新たな感染症の集団発生など非常事態を想定して、対応する必要がある。各自治体の事情にあわせて、施設整備で足りない点がないか検討して欲しい」と話している。(05/11 )
毎日新聞ニュース速報
扇千景国土交通相は6日の閣議後会見で、新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)対策として、国内航空各社に感染防止マニュアルの実行を徹底するよう指導したことを明らかにした。
マニュアルは4月中旬までに、航空各社が世界保健機関(WHO)の指針や社内の既存の運航規定などを基に自主的に作成。感染が疑わしい乗客がいる場合、最後部の座席に隔離したうえで、機長が目的地の検疫当局に連絡し、必要に応じて緊急着陸を検討する。また、乗客全員にマスクを配り、着陸後に乗員全員が医師の診察を受ける――などが追加された。
機内での感染防止対策では、国際民間航空機関(ICAO)が2日付で、世界の民間航空会社にガイドラインを通知したが、国交省は「既存のマニュアルで十分対応できる
」(危機管理室)と話している。 【前川雅俊】
共同通信ニュース速報
扇千景国土交通相は六日の閣議後の記者会見で、新型肺炎(SARS)対策の一環として、旅客機内で新型肺炎の疑いがある症状の乗客が出た場合、同乗している乗客全員に健康診断を受けてもらう
可能性があるとの考えを示した。
扇国交相によると、感染の疑いのある乗客がいた場合?到着地への連絡など検疫体制の強化?当該乗客を客室最後尾の座席に隔離?
当該乗客が使ったトイレを他の乗客に使わせない―などの対策を取るよう航空会社に指示している。
当該乗客と乗員は着陸後に健康診断を受けさせる方針だが、扇国交相は「状況によるが、外務省も(中国や香港からの)帰国者に十日間はなるべく外に出ないよう要請するなどの対策を講じている」
とし、旅客機を医療設備の整った場所に緊急着陸させるなどして乗客全員に診断を受けさせる可能性があると述べた。
(了)
[2003-05-06-11:04]
毎日新聞ニュース速報
☆新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)の猛威が衰えない。
日本で見つかった場合、国内の感染者対策は万全なのだろうか。多くの国民は不安を抱きながら状況を見守っている。政府はSARSを国家の危機管理の問題としてとらえ、感染者の早期発見、2次感染防止策を整備してもらいたい。
危機管理の最大のポイントは、最悪の事態を想定して即応体制を取ることである。SARSはせきなどから飛まつ感染するとみられており拡散のスピードが速い。2次感染を防止できないと、一気に国内に広がる恐れがある。
SARSのまん延は世界のグローバル化が招いた“鬼っ子”でもある。日本だけが例外ということにはならない。いつ、国内のどこで感染者が出てもおかしくない状況だ。国にも国民一人一人にも、そういう危機意識が必要だ。
海外からの帰国者を対象に空港などでの検疫体制が強化されたが、SARSの潜伏期は2~7日とみられており、水際で上陸を完全に防ぐのは難しい。だとすれば、2次感染防止の早急な対策が大きな鍵を握る。
厚生労働、外務、文部科学省などは今月1日、ようやくSARS関係閣僚会議を開いた。患者が出た場合、政府に対策本部を設置する方針だ。民主党などからは「対応が遅い」と批判も出ているが、政府には国民が安心できる体制を早急に整える責任がある。
SARSの問題が起こって、日本の新感染症対策の不備や課題がいくつか浮き彫りになった。まず、感染症予防法は、入院勧告など一義的な権限を都道府県知事に与えており、国の役割は「情報の収集、医薬品の研究開発の推進のための体制を整備し、地方公共団体に対し感染症予防のために必要な技術的、財政的援助を与えること」(3条)と規定している。国の権限強化については、患者の人権問題も含めさまざまな議論がある。しかし、国の危機管理が問われるSARSに限っては国の権限と責任の下で感染防止策を積極的に講ずることが現実的な対応である。
感染症の専門家が不足しているのも不安材料だ。地域医療の現場では、中国から帰国した人が腹痛を起こして病院に駆け込んできても、診療を断るケースも出ている。連絡を受けた保健所にしても専門家が少なく、感染症指定医療機関に搬送することが多いという。
地方自治体では、感染症を扱う部門が福祉部門といっしょというケースがほとんど。「福祉部門と比べ、感染症には人も予算も不足しており、設備も作れない」というのが実態だ。
患者を搬送する医療機関の数や治療設備なども十分とはいえない。各都道府県はようやく「患者発生時の行動計画」を作成したが、いざという時にどれだけ機能するのか、不安が残る。
いつ、どこで感染者が見つかってもおかしくない状況は今後も続く。国と自治体は走りながら、確実に対策の地固めを行っていく必要がある。
