~政権交代してこそ「期待できる」日本の空のしくみづくり~
国交省の懸案問題として、「高速道路無料化」「八ッ馬:川辺川ダム」と緊急に「日航再建」問題への方針が求められていますが、「日航再建問題」に対して、前原国交大臣は、就任後直ちに「国交省主導の有識者会議」を廃止し、政治主導で問題を把握する努力を行う模様です。
その前提として、これまでの航空政策、例えば、第6次全国総合開発計画で「一県に一空港をつくる」としてから「空港整備特別会計(利用者が払っている税金です)で全国に98ヶ所ものローカル空港をつくりました。そして、長期的な需要見通しのあるなしに拘わらず、とりあえずJAL・ANA・旧JASの航空会社には、採算を度外視して、これらの空港に定期便を就航させるようにしてきました。このため、エアラインは、監督官庁の思惑に従わざるを得ないという歴史がありました。
そして、本来は、国として収支負担すべき重荷を民間航空会社に、負担させるという側面があり、経営上の収支の足かせとなっていました。特に日本航空は、地方国内路線で赤字を抱え、新機材購入の余裕もなかったJASを統合してから、この問題が蓄積しておりました。
一方、地方都市としては、一旦就航していた国内大手による運航されている「空の足」を減便されたり、撤退されたりしますと、外国航空会社の国際便誘致にも大きな影響を及ぼし、利用者が少なくなれば、空港のテナントもシャッター街と化し、自治体の負担ばかりが増えてゆく、という大変な事態にもなります。
こういう「交通政策上の過ち」にも立ち戻って、道路・鉄道と空のコンビネーションのあり方まで見直そうという姿勢がうかがえることは、なにより歓迎すべきことと思えます。
~JALとANAの違いは、何か?という分析も~
今、日本の空は、JALとANA系列で二分されている状況にあります。
しかし、同じ政策の下でもANAの経営は、比較的堅調です。
決定的な違いはどこにあるのでしょうか。
片や、経営陣が長い間「腐敗・癒着」の乱脈経営を続けた上、これが明るみに出ても誰も責任を取らず、触れないようにしてゆく、こういうことを「親方日の丸」というのではないのでしょうか。ここが特徴のひとつです。
そして、二つ目は、公的な裁判の場でも、明らかにされている数々の違法な労務対策「特定組合優遇」を採っていることです。最近では「監視ファイル事件」として有名です。
こうした風土が「モチベーション下げに下げて」いるのが実態なのではないでしょうか。
ANAとて経営としての労務政策は、対処しているのですが、「違法のデパート」と言われるようなところまでは、踏み込んでいないことが「パワー」の差を生み出しているといわれています。
政権は、「連合」票に支えられているので、こうした問題には踏み込まないということになれば、信頼性を問われることにもなってしまいます。
世間から「秘匿」されてきた問題にも、切り込んで「日本航空を再生させる」努力を期待したいと思います。
前原国交相:日航再建へ試練 短期間での難しい判断に
毎日.9月19日
会見に臨む前原国交相=国交省で2009年9月17日、梅村直承撮影 前原誠司国土交通相が、日本航空の再建問題で早くも決断を迫られる。日航が経営改善計画策定の目標としている今月末を目前に、国交省が設置していた有識者会議を廃止し、副国交相、政務官との政治家チームで計画案を評価する方針を打ち出したからだ。新政権の「政治主導」ぶりを示すケースの一つになるとみられる。有識者会議は、経営学、企業再生、労働などの専門家6人で構成。15日の第2回会合で日航が計画案の概要を示し、月末ごろに次の会合を開いて最終的に了承するかどうかが決まる段取りだった。ところが、前原国交相は17日の就任会見で、「自民党政権で作られた仕組みだ」として会議を廃止する意向を表明。関係者の間に「日航支援を見直すのでは」と驚きが走った。
一夜明けて国交相は「(再建案を)ゼロにするわけではない」と説明。午後の会見では「2社体制継続は大切なこと」「破綻(はたん)という事態があってはならない」と支援継続の考えを示した。衝撃は一応収まり、国交省幹部は「国交相の考えは我々が考えてきたこととあまり違わないようだ」と話す。
ただ、日航に「時間はそれほどない」(前原国交相)のも事実だ。国交相は日航や日本政策投資銀行、3メガバンクなどから話を聞き、辻元清美副国交相らと協議して計画を承認するかどうかを決める意向だが、短期間での難しい判断になるのは間違いない。
さらに、日航は10月半ばまでに、米デルタ航空、アメリカン航空とそれぞれ続けている提携交渉に結論を出す予定。借入金返済などの資金をまかなうため、年内に金融機関からの追加融資も確保しなければならない。
米オバマ政権は、発足直後からゼネラル・モーターズ(GM)の支援問題に対処せざるを得なかった。前原国交相も就任早々、国を代表する名門企業の経営危機に直面することになった。【位川一郎】
