エールフランス機の捜索は、「全力で」「無期限で」行われています。

~原因究明への「確かな姿勢」~

BBCやCNNの報道によれば、不可解な墜落をしたエールフランス機447便の大西洋上の捜索は、機体の一部が次々に発見されています。

ブラックボックス(フライトレコーダー・ボイスレコーダー)は、推定4500メーターの海底に沈んでいると推定されているそうですが、原子力空母と最新の電波探知機材で発見の可能性もあり、と伝えられています。

ただ、ボックスが発信する電波はあと2週間で電池切れとなるそうですので、「執念」と「必死」の捜索が続けられています。

思い返せば、「JAL123便の尾翼主要部分は、東京湾に沈んでいる」とされていますが、その捜索は、どこまで追求されたのでしょうか。トラブルの原因を解明する上で今からでも遅くないので、新しい装備での探索を再考してもらいたいものです。

日本のメディアでは、日本人が搭乗していないということもあり、この衝撃の「最新機材による洋上飛行での墜落事故」にも、その後の注目は薄くなっているのが、やや違和感があります。他人事ではないという点で、フランスのエアラインで搭乗者はブラジル人が大半というなかでも、CNN・BBCはじめヨーロッパ各国のメディアは、詳報を伝え続けています。

私の友人ブロガーN氏も、鋭い視点で事態をウオッチしており、感服しております。

以下は転載です。http://tabidigi.at.webry.info:80/200906/article_11.html

エールフランスA330事故・・・原因は速度計の異常?

<<   作成日時 : 2009/06/10 12:00   >>

 エールフランス447便(A330・乗客乗員228人)の事故から、10日になる。日本ではベタ記事程度の報道しかされなくなってしまったが、CNNなどを見れば、捜索や原因調査の状況が、日本のメディアよりもはるかに詳しくわかる。アメリカの航空会社やメーカーが関わっているわけでもなく(A330は欧州製)、アメリカ人が多数搭乗していたわけでもないのだが、航空大国だけに関心は高い、ということなのだろう。

 最新のCNN記事によればこれまでに41遺体が発見・収容されたそうだ。遺体の発見地点は最大80キロも離れており、潮流(1~2ノット)によって流されたものか、機体が空中でバラバラになったために離れた場所に落下したのかは、判然としないという。

_cnn  そして、事故原因を探る上で気になる事実が出ている。調査官は、速度計の異常に注目しているという。事故機の速度計どうしが異なる数値を示していた(旅客機には複数の速度計が搭載されている)ことが、墜落直前に地上に送信されたデータの解析から判明したことは既に報じられているが、エールフランスのA330・A340は共通してこの速度計に問題をかかえていたというのだ。

 航空機の速度計は、機外に露出したチューブ(ピトー管)内を流れる空気の圧力を測定することで、速度を表示している。ところが、CNNによると、A330・A340の場合、高高度で悪天候に遭遇すると、このチューブが部分的に凍結してしまうことが去年5月にわかった。エールフランスは実験室で再現試験を行った結果不具合を認め、先月(5月)から、保有する全機を対象に速度計の交換を行っていた。事故を受け、エールフランスの乗員組合の一つは、速度計が交換されるまでは乗務しないことを、パイロットにアドバイスしたとしている。また、同社最大の乗員組合SNPLは、速度計の交換が完了するまでA330・A340を飛行させないことで合意したという。

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 事故機の速度計も、交換前だった。そこで、事故機が速度計に異常を起こし、誤った対気速度を表示していたとして、墜落にいたるプロセスとして次のようなことが考えられる。積乱雲による猛烈な乱気流に遭遇したパイロットは、回避動作を行う。舵やエンジン出力を操作して揺れを抑えることで機体をコントロールし、一刻も早く積乱雲から脱出しようとするのだ。ところが、ここで対気速度が決定的に重要になる。飛行機は、強度上の理由で、どの速度ならどれくらい舵を操作していいか(舵を何度まで切っていいか)、限界値が定められている。その限界を超えると、舵が壊れてしまう。ところが、速度計が異常を起こしていると、実際は速度が高いのに低いとパイロットが認識し、限界を超えた舵操作を行ってしまった可能性が出てくる。A330はFBW(フライ・バイ・ワイヤ)というシステムで、限界を超えた舵操作はコンピューターが打ち消してしまう安全装置が組み込まれているが、その元となる速度計が異常な値を示していれば、安全装置は作動しない。速度計の誤表示による限界を超えた舵操作、その結果舵が破損して操縦不能となり、空中分解・・・というプロセスは、十分推測し得るのではないだろうか。

 ただ、そうだとしても、なぜ事故機が積乱雲に突っ込んでしまったのかは、謎として残る前にも書いたように、積乱雲は絶対に近づいてはいけないのがパイロットの常識だし、気象レーダーによって、積乱雲を避けて飛ぶことは可能なのに、だ。

 いずれにせよ、ボイスレコーダー(CVR)とフライトレコーダー(FDR)が収納されたブラックボックスの回収が鍵を握り、洋上という地理条件では、発見は困難を極めることに変わりは無い。CNN記事によると、捜索対象海域(ブラックボックスが沈んでいる可能性がある海域)は20万平方キロでルーマニアとほぼ同じ広さ。平均水深は3000mだという。フランス政府はブラックボックスの発見に全力を挙げるために原子力潜水艦Emeraudeと、捜索機材40トンを積んだタグボードを派遣した。また、アメリカも捜索に協力するために、機材を送っている。遺体の捜索・収容はブラジル軍、原因調査はフランス、という役割分担で進んでいるという。

 軍用の原子力潜水艦が、こういう事故調査にどの程度役に立つのかはよくわからないが、通常ブラックボックスは発見されやすいように信号を出すようになっているので、海中でそれを探知できれば、発見は可能なのかも知れない。原潜の潜行可能深度は最高レベルの軍事機密だが、一般的には1000m程度だ。平均深度3000mの海域でブラックボックスが発見できるのかは、予断を許さない。

 ブラックボックスが発見・回収できない事態に備え、CVR・FDRの内容をデータリンクで常時外部に送信することができないか・・・今回の事故を契機に、そういう議論も出てくるかも知れない。

One thought on “エールフランス機の捜索は、「全力で」「無期限で」行われています。
  1. エールフランスA330事故・・・捜索は7月10日で打ち切り

     リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス(AF)447便のA330が大西洋で謎の墜落事故を起こしてから、1か月になる。日本では続報がほとんど伝えられないので、事故のことそのものも日本人の記憶から消えかけているのではないかと思うが、発生後10日ほどはコンスタントに長文のレポートを出していたCNNも、さすがにこの2週間ほど、散発的な記事がちょこちょこ出るだけになっている。捜索や原因調査がこう着状態で、進展がないからなのだろう。…

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