2005年10月、日本の空と「航空の現状と未来」をテーマにして、「ALLAbout」サイトの航空・旅行関連の編集長である秋本俊二さんと対談を致しました。(クリックでご覧いただけます)
振り返ってみますと、3年半の歳月が流れましたが、1970年にアメリカに始まった「航空の規制緩和」で、「運賃の格安競争激化」とその引き換えに「見えにくい安全性の劣化が進む」構造の底流は、変わっていません。
アメリカの「リーマン・自動車ビッグ3・シティバンク・AIG保険」と金融市場主義の崩壊もその根っこは、「規制緩和」にあることが姿を現してきました。
アメリカでは、38年前に航空規制緩和されてのち、事故も多発し、一定の歯止めがかかって「安全監視」のネットが張られました。事故に対しては、その原因を追究するために、政府から独立した権限を持つ「NTSB」、「FAA」などがそのひとつです。
しかし、世界的に見ると、ここのところ事故が続いており、航空安全上「不穏」な感触を感じている昨今です。USAirwaysの「ハドソン川の奇跡」も、ちょっと間違えば「ブルックリン市街」直撃の大事故に発展した可能性がありました。
成田に着陸前に乱気流事故にあった「ノースウェスト機」の対応は、事故後の対応も疑問点ばかり残ることで、気になります。
航空需要も、アメリカ発の金融危機のあおりを受けて、下がったままで、出口が見えません。日本では、困ったときの合併論ということで「JAL・ANA」統合などが、国交省筋からなどと乱れ飛んだりもしております。
このような時こそ、肝心なのは、「商品の品質」ではないでしょうか。会社が大きくなれば、問題は解決できるとすれば、合併を繰り返してきた「大銀行」が慌てふためいたりはしていないはずですね。
エアラインの商品とは、やはり「安全性」ではないでしょうか。高価な運賃の支払いに値する、謳い文句だけではない「安全」です。
何を持って「利用者に選んでもらうのか」を取り違えないようにすることが出来れば、エアラインも安定的に経営できるといえます。もちろん「サービス」は、安全に手を抜くような姿勢でなければ、当然向上します。モチベーションもあがり、顧客からの満足度も高くなります。
~[奇跡の操縦士、サレンバーガー機長]が米下院議会で証言に~
—–(朝日新聞)—–
【ニューヨーク=真鍋弘樹】米国ニューヨークのハドソン川にUSエアウェイズ機を
不時着させた「奇跡の操縦士」サレンバーガー機長が24日、連邦下院議会の航空小
委員会で証言し、航空会社のリストラが安全性を犠牲にしていると警告した。
機長は、自らの給与がここ数年で4割も減ったことを明らかにし、「操縦士の技術
を重視しなければ、必然的に空の安全に否定的な結果をもたらす」と指摘。同時多発テロ以降の経営難に経済危機が追い打ちをかけ、経験豊富なベテラン操縦士が次々と現場を去っていると証言した。
機長は「空の安全にとって最も重要なものは、よく訓練された操縦士だ」と語り、
人材育成の重要性を強調する一方、「子供を同じ職業に就かせたいと思っている操縦士は一人も知らない」と悲観的な見方を示した。
