「破綻前の経営姿勢を維持」したままで、「JAL再上場」気配・・・。先行きが心配です。

「破綻前の経営姿勢を維持」したままで、「JAL再上場」気配・・・。先行きが心配です。
熾烈な競争を演じている「JALとANA」。経営姿勢の違いの最大の特徴は、現場(労働組合)に違法行為を繰り返してきて、モチベーション低下を招いたJAL、「特定労働組合・幹部」と癒着してきた歴史を未だ清算できない体質。破綻後も破綻原因を明確にせず、「戦犯幹部」の責任も曖昧にしてきた状態です。

一方で、社内に対しては、労働条件に厳しいものを求めながらも「組合分裂政策には手を染めない」ANA。違いは歴然です。※放漫癒着の体質は・・・

日航再上場へ 本当の再建はこれからだ

産経新聞 2012年7月25日  日本航空が今秋の実現を目指し、東京証券取引所に株式の再上場を申請した。経営破綻からまだ2年半だが、2千億円超の営業利益を出すまでに業績が急回復し、再建計画の達成にめどが立ったからだという。 驚異的なV字回復の背景には、熾烈(しれつ)なリストラを受け入れ、意識改革に努めた社員らの頑張りが大きい。だが一方で、企業再生支援機構を通じた3500億円の公的資金投入や、銀行団による5215億円もの債権放棄なくして、早期の再建はなかったのも事実だ。日航の経営陣は、このことを銘記しておく必要がある。 再上場により、投入された公的資金は全額回収される見通しだ。しかし、会社更生法適用などの特例措置で、日航は年数百億円規模の法人税支払いを当面、免除される。銀行の債権放棄も、最大の引き受け手は政府が全額出資する日本政策投資銀行だった。日航の再建が国民の大きな負担の下に行われたことに変わりはない。 日航再生は最近の大型企業再建では数少ない成功例だが、今回の救済を金融システム安定化に向けた銀行支援と同列に扱うことには疑問とする声が少なくない 法的整理は、思い切った人員整理や航空機材の整理・更新を可能にし、結果的に日航の競争力は格段に向上した。ライバル会社などからは「破綻企業への支援が、結果的に公正な競争環境をゆがめている」とする批判もある。 もっともな指摘であり、公的支援を受けた企業が、地道な努力を続ける企業の経営を圧迫するというのでは本末転倒だ。制度の見直しも必要となるだろう。野党の自民党は、公平な競争条件が整うまで再上場を見合わせるよう政府に求めている。 今年2月から経営の舵(かじ)を取る植木義晴社長は「安定した巡航飛行に早期に移らなければならない」とし、平成28年度には23年度比で国際線の旅客輸送能力を25%増やす計画を明らかにしている。 だが、LCC(格安航空会社)台頭に見られるように、航空業界の競争は一段と激しさを増している。路線拡大が直ちに収益向上に結びつく環境にはない。 安全運航を最優先させるのは当然だが、業績回復による社内の気の緩みが心配だ。日航は、この間の緊張感を忘れてはなるまい。再建はこれからが正念場だ。

 

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