日本航空再建問題:再生の鍵は?

「日本航空の再建への道」の経過はどうなっているのだろう」と言うのが一般的となっています。

企業再生支援機構(管財人)とJAL経営が、この6月には再建案を策定して、裁判所に提出する、ことになっていましたが、8月まで延期された、と言う経過です。

三大メガバンクから、もっと国際路線をカットせよ、人員を更に5000人削減せよ、というコンプレインを受けての「再度の再生案」を用意した模様です。

メガバンクや財務省・国交省などの思惑や、ANAからの突き上げなど複雑なプレッシャーによって、再生案がつくられると言う事態です。

「無駄な出血を止める」と言う点で当面の赤字路線カットや、本社からの天下りのためにあるような業種が似たような子会社を整理統合するなどは、止むを得ないにしても

長期的な「JAL復活の展望」へは、

1.国際線のネット網のあり方(アライアンスと自社ネット網のバランス)

2・国内線の採算基幹路線と社会的使命を持つ地方生活路線の問題

3.オープンスカイに対して、日本のエアラインとしてどう対処するかの具体的方針

4.JAL・ANAの競争と住み分けをどう考えるか

5.公租公課(高い航空機燃油税)には、政府にどう詰め寄るか

6.過去の放漫経営の事実と責任の取り方をきちんとする

  ⇒全社・運航現場のモチベーションアップ

7.現場の声が直接あがる労使関係を重視して、これまでの労務政策を整理する。

8.「羽田ハブ化」と「成田強化」を同時進行させるには、エアラインとしてどう対応するか

などの「青写真」がどうしても必要です。3年間で黒字に転化するためには、最低の条件とも思えます。

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日航更生 コスト減で回復狙う
「燃油費」次第 不透明さも

(2010年6月15日  読売新聞

 経営再建中の日本航空が、2012年度に9%超の営業利益率を目指す更生計画案を策定していることが明らかになった。日航には、高コスト体質からの脱却を銀行団にアピールすることで、更生計画案への賛同を取り付け、融資枠の借り換えなど資金支援に応じてもらう狙いがある。ただ、燃料費の高騰などの不透明な要因もあり、高い利益水準を維持できるかどうかは未知数だ。(白櫨正一、森田将孝)

ビジネス需要期待 更生計画案によると、売上高にあたる営業収益は、12年度の国際線の旅客収入が10年度に比べて288億円増えて4408億円になる見通しだ。今年10月末に羽田空港の新滑走路の利用が始まり、日航に割り振られる国際線の発着枠が拡大するためだ。日航は、10月31日から国際定期便として、サンフランシスコやホノルル、パリなど5路線を新規に開設する。羽田空港は首都圏に近く、便利なため、日航は「客単価が高いビジネス需要を取り込む」ことで増収を期待している。

 一方、営業費用で最も削減効果が高いのは、約2割を占める航空燃油費だ。ただ、世界経済が回復に向かえば原油相場は高止まりする可能性が高い。原油が高騰した08年度の航空燃油費は、07年度比で2割も上昇して、608億円の営業赤字となった苦い経験がある。

 10年度に入り、燃油価格は2~3月の1バレル当たり80ドル台から4~5月の91ドルに上がっている。12年度までに燃油費が想定の範囲内で収まるかは分からない。

 また、破綻(はたん)前に策定した再建計画は、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)や新型インフルエンザの流行で計画は未達に終わっている。

「相当高い数字」
 こうした想定外の事態がないことを前提に計算された営業利益率9%台はかなり高い水準だ。乗客へのサービスなどを徹底的に合理化し、利益が見込める路線だけに絞り込んでいる海外の格安航空会社などが達成している利益率を上回るからだ。このため、市場関係者には、「日航の営業利益率の目標は相当高い数字だ。売上高などの見通しも甘いと言わざるを得ない」(アナリスト)と指摘が出ている。