オバマ大統領の演説と「ボーイング社」

オバマ米大統領がロシアを訪問しています。アメリカを代表する企業としてボーイング社もロシア企業との提携を固めています。

我が国の首相の動向と比較すると思わずため息が漏れます。また、こうした航空機メーカーの動きに対して、エアバス社はどういう対応をとるのか、関心が深まります。

オバマ米大統領:モスクワ演説 強権体質にクギ 露側も反発せず
 ◇他国の主権尊重を促す     毎日新聞7月8日
 【モスクワ大木俊治】オバマ米大統領は7日の演説で、ロシア国民に冷戦思考からの脱却を呼びかけ、新たな米露関係構築への協力を訴えた。民主的な政府の重要性や、ロシアが「勢力圏」とみなすグルジアやウクライナの主権尊重にも言及。ロシアに対しプーチン前大統領(現首相)時代から引きずる強権体質の変化を促したとも受け止められそうだ。

 昨年8月のグルジア紛争で、ロシアのメドベージェフ大統領は、グルジアなど旧ソ連のカフカス地方をロシアの「勢力圏」と呼び、グルジアやウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟への動きに「安全保障上の脅威」と反発している。オバマ大統領は、冷戦時代の米露対立や19世紀の「勢力圏をめぐる争い」など過去の「力の概念」を捨て去る必要性を訴え、ロシア側に残る米国との対決思考の見直しを求めたといえる。

 オバマ大統領はまた「米国は他国に特定の統治制度を押しつけるつもりはない」としながらも、独立したメディアや、政権交代を可能にする自由選挙の重要性を強調。メディアへの統制や、政権与党による議会支配など、プーチン前大統領時代に築かれた支配体制の変革を暗に促した。大統領は演説後、プーチン体制を批判する民主派も含めたロシアの野党勢力とも会見、民主主義を支持する米国の姿勢をアピールした。

 オバマ大統領は演説の舞台にロシアの伝統校ではなく、93年に民主派勢力を中心に欧米の支援で創設された「ロシア経済学院」を選び、民主派への親近感をにじませた。

 こうした姿勢にロシア側から大きな反発などはない。メドベージェフ大統領は「米露関係についての見解を体系的に論じ、おもしろかった」と肯定的に評価。モスクワ国際関係大学のポドベリョスキン教授は「旧ソ連圏との関係ではロシアと米国の立場は違う。しかし、対話を重視するオバマ政権の誕生で米露関係改善への機運は高まっており、演説も好意的に受け止められるだろう」と話している。

米企業、ロシアに15億ドル投資 ペプシコは新工場
nikkei.07.08.2009
 【モスクワ=金子夏樹】オバマ米大統領のロシア訪問に同行した米経済界は7日、モスクワで「ビジネス・サミット」を開き、ロシアで投資を拡大する方針を示した。ペプシコが飲料工場を開設、ボーイングはロシアのチタン最大手企業と合弁で航空機部品を生産する。

 今回の訪ロで米企業が明らかにした投資総額は約15億ドル(1420億円)。オバマ氏は「ロシアとの経済協力は潜在力があり、米国の全貿易の1%にとどまっている対ロ貿易を拡大する必要がある」と強調。透明性と法整備を進める必要があるとの認識を示した。

 ペプシコは今後3年で10億ドルを投じ、生産・物流拠点を拡充する。ボーイングはチタンメーカーであるロシアのVSMPO―アビスマと合弁会社を設立、最新鋭中型機の部品を生産する。農機大手のジョン・ディアも5億ドルを投じ生産能力を拡充する考え。(02:28)

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