デルタ航空のニューヨーク/成田線、本格参入!日本の翼は、どう対応できるのか。

6月4日から米デルタ航空(ノースウエスト航空と合併)がNYC線にデイリー運航を開始しています。日刊ToravelVision誌では、デルタ航空ニューヨーク担当上級副社長ゲイル・グリメット氏 に核心を突いたインタビューをしていました。

私が注目するのは、この路線は、今回のデルタ航空の参入で、「JAL」「ANA」と「コンチネンタル航空」「ユナイテッド航空」が競合することにあるます。

日本のエアライン、少なくとも日本航空では、「新機材・新スペック」「新機内サービス」を投入するのは、まずこのニューヨーク線とロンドン線(北米・ヨーロッパ路線)です。この路線を国際線の看板路線としています。特にファーストクラス・ビジネスクラスの「ShowRoom」的な役割もしています。

こうした点で、この事態と今後日本のエアラインがどう戦うかに強い関心で見守りたいと思います。

~日本とアメリカの違い~

さて、話は変わりますが、「母国エアライン」へのロイヤリティーという点では、アメリカ人の公的出張の場合は、利便性の高い外国エアラインの路線があっても、乗り継ぎをしてでも米国エアラインを使用しています。

一方で、日本の場合は、あくまでも「ダイレクトでいけるエアライン」という選択がされており、日本のエアラインを使わねば・・・」というロイヤリティーは二の次です。

航空への政策を打ち出す政府でさえ、こういう状況ですから「考え込むもの」があります。

インタビュー:デルタ航空ニューヨーク担当上級副社長ゲイル・グリメット氏
                                                  日刊 ToravelVision より[掲載日:2009/06/24]    
成田/ニューヨーク線は双方のハブをつなぐ重要路線
現地発の需要も見込む

 デルタ航空(DL)は、6月4日から成田とニューヨークを結ぶ直行便のデイリー運航を開始した。これにともない、ニューヨークで営業・マーケティング活動を統括するニューヨーク地区担当シニア・バイス・プレジデントのゲイル・グリメット氏が来日。同便のメリットと期待、合併後のブランド統一の進捗状況ついて話を聞いた。(聞き手:本誌編集長代理 松本裕一)
                                   
                                   
                                 
-他社との競合において、DLのニューヨーク線の強みは何でしょうか

ゲイル・グリメット氏(以下、敬称略) デルタ航空(DL)はアメリカ最大の航空会社で、ニューヨークからは4大陸へ直行便を運航している。成田からもニューヨークが最終地でなく、その先のアメリカ国内や南米などに広がるネットワーク網が最大のメリットだ。ニューヨークから成田へ渡航する場合も、成田をハブ空港としてさらにその先の15都市にネットワークを伸ばしている。これが当路線の競争力になると思うし、お客様にとっても便利であるものだ。

-日本発の需要が減少し、アメリカ発も伸び悩むなか、同路線の需要をどう分析していますか

グリメット 現在の経済状況が需要に影響を与えているのは事実。ただ、ニューヨークと東京はそれぞれ活気のある大都市で、お互いに様子を見あっている状況だ。ニューヨークはビジネスとレジャーともに、日本への需要が多いマーケットのひとつでもある。今回の新路線開設にともない、ニューヨークではビルボードや新聞紙面でのピーアールも実施した。就航以来、予約状況は双方で伸びており、新型インフルエンザの影響により鈍化があったものの需要自体は伸びている。この夏にかけて引き続き、双方からの需要を見極めたいと思っている。

-DLとノースウエスト航空(NW)の合併による効果、また成田をハブ空港にするメリットは

グリメット 2005年以来、DLはハブ空港であるニューヨーク路線を発達させ、ニューヨーク発便は70%増加した。DLは国内のほか、ヨーロッパ、アフリカや南米に就航しており、ニューヨークはちょうどよい位置にある重要なハブ空港だ。他社との競合マーケットでもあり、そのため成田便はとても重要だと認識している。DLが強みを持つ南米市場から、ニューヨークやアトランタ経由で成田に行けるのも大きい。単に両都市間の運航だけでなく、その先の接続を見込んだ両社の広いネットワーク網が、顧客に選んでもらう大きな理由になると思うし、利用する上での利便性も高い。両社の強みを融合させることで、さらに強化されたといえる。

-デルタブランドへの統一化に向けた進捗状況を教えてください

グリメット 現在、アトランタなどのハブ空港で、ネットワークごとに適正な航空機を配置している。かつてNWがボーイングB747型機で運航していた成田/ニューヨーク線にはB777型機を、DLが運航していたアトランタ/ハワイ線にB747型機を投入するなど、マーケット規模に応じた適所適材化で成果が出ている。また、フライトアテンダントの制服刷新など国際線でもサービスの統合を開始した。

 現段階ではアメリカ国内でも2社の便名が残っているが、ブランディングはかなり進んでいる。さらに300機のNW機のデルタブランドへの塗装が今年中に完了する予定だ。

-日本での認知度が高いNWもデルタブランドになるわけですね

グリメット ニューヨークではDLの方が規模は大きかったが、日本とアジアではNWは長い歴史があり、成田に就航する最大の外資系航空会社であった。日本でDLの名前を知ってもらうには時間を要すると思う。NWの歴史を尊重しており、デルタブランドになったことでNWが築いた遺産を失うことにはならない。

-需要喚起の可能性をどう見ますか

グリメット ほかのハブ空港やアトランタでのローテーションも含め、現状の需要に満足しているが、需要のあるところがチャンスだと思っており、常にその評価をしている。個人的な見解だが、ニューヨークについては最近住みはじめた新しいニューヨーカーとして、また東京については初めて訪れた立場として、活気ある2都市が提供できるものはたくさんあると感じている。伝統と歴史のある東京は観光であまりあるいろいろなものが発見できるところであるし、ニューヨークも景気の後退があったとはいえ、街に観光客は絶えない。アート、カルチャー、MLBをはじめとしたスポーツなど刺激にあふれている。両都市が訪問者に提供するものを見ると、それぞれの都市への需要も納得できる。

-全世界的な需要動向を踏まえ今後の方針を教えてください

グリメット グローバル経済における需要の推移を見据え、DLは冬季スケジュールにおける国際線の座席供給を10%減少する。これは撤退ではなく、運航日を需要のある曜日へ調整するためのものだ。全ネットワークにおいて、路線を撤退する場合でも、提携関係にあるエールフランスKLMの運航を担保してから調整する。航空業界は変動が激しいが、需要に見あった座席数の調整は当社の長期的戦略からは逸脱するものではない。ニューヨーク/成田線を就航したように常に事業拡大を推進しており、新たな市場開拓として、6月10日にはナイジェリアのアブージャに就航し、7月1日にはシドニーにもネットワークを広げる。今後も長期的戦略に基づき、需要とキャパシティに応じた調整をしていく。

-ありがとうございました