あわや大惨事の「セスナ機不時着」

~小型機の事故が多いことは、あまり知られていませんが~

8月19日、セスナ機が公道上に墜落・不時着しました。

Photo_3 八尾空港から750mの距離でした。幸運にも、搭乗者は無事、また、墜落地点周辺の建物に大きな被害も無く、負傷者もありませんでした。しかし、残燃料に引火し、墜落市街地で炎上した場合を考えると薄氷を踏む思いの事故でした。

こうした小型機の事故はメディアには、そのときだけは報道されますが、大きな被害が出なかったことで、根本的な問題にはあまり言及されていないのが、実状ではないでしょうか。

027 「市街地に墜落した」という類似点では、2004年1月22日に甲府市内の駐車場に墜落した事故が当時は大きく報道されました。その後の事故調査委員会の報告書では、「航空会社の日常的な教育・パイロットの技量や飛行に無理があった」との趣旨でした。(画像は2004年1月23日放映フジTVとくダネより)

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日本国内で起きた「2000年~2007年の航空事故の件数」を見ますと、以下のように「小型機とヘリコプター」が大変多いことがわかります。

●大型機・・・・・24件

●小型機・・・・・49件

●ヘリコプター・・・57件

(航空・鉄道事故調査委員会報告書より)

~安全への規制・指導監督に甘さはないのでしょうか~

こうした小型機などへの「整備規定」は、航空法上では、定期航空の大型機と変わらないはずですが、果たしてどこまで誠実に行われているのかは、疑問の残るところです。今回のケースも、現役小型機操縦士の話として、「気温が高い場合、エンジンへの燃料管に気泡が生じてベイパーロック現象を起こすことがある」と報じられました。

大量の旅客を乗せて、超高速で飛行する「ジェット機」は、コンピューターを駆使した複雑かつ精密な構造をしています。それだけに、予測できる不具合には、二重三重のバックアップがされています。

これに、比較して単発のプロペラ機は、構造・システムはシンプルであり、備えさえしっかりしていれば、より「安全」を保てるのではないでしょうか。

また、航空機は、飛行する前に「フライトプラン(飛行計画)」を航空局宛に提出し、OKが出て初めて飛行することができます。しかし、小型機の場合、測量・報道などで使用されると操縦士は現場で「チャーター主・搭乗客」の無理な依頼も受けざるを得ず、飛行している場合がままあることは、周知の事実なのではないでしょうか。

~一県一空港の国策と「安全」とは並行してもらいたいもの~

今、第六次全国総合開発計画にのっとって、赤字が見えていても多くの地方空港が開いています。国民・地方の利便性に趣旨があるということは、良いのですが、「小型機」の活用の点でも「抜本的な安全施策」が必要なのではないでしょうか。

<八尾・小型機墜落>エンジン1分前に停止? 大阪
         8月20日10時24分配信 毎日新聞

 大阪府八尾市の国道上で19日朝、2人乗りの小型機が墜落した事故で、機体エンジンが止まった場合の飛行可能時間は1分程度しかないことが分かった。墜落した機体のタンク内に燃料が残っていたことも判明。府警捜査1課は、墜落前1分以内に燃料系統のトラブルによりエンジンが停止した可能性があるとみて、八尾署に捜査本部を設置した。20日朝から国土交通省航空・鉄道事故調査委員会と合同で、業務上過失傷害、航空法違反容疑で機体を検証した。 当初、周辺建物に被害はないとされたが、機体が近くの営業所の看板や駐車中の車に接触し、損傷させていたことが確認された。 小型機を所有する第一航空(八尾市)によると、機体は空中でエンジンが止まっても、惰性で最大1分程度は飛行できる。男性パイロット(34)は調べに、「左旋回中、エンジンに燃料が供給されなくなり、止まった」と話している。

 パイロットは墜落5分前、無線で八尾空港(同市)の管制官に着陸許可を求め、同2分前に着陸許可が出ていた。その後、墜落までに何らかのトラブルが生じ、管制官に不時着することを伝えようとしたが、無線が通じなかったという。 また、第一航空の山田正和社長代行(61)が19日会見し、「住民の皆さんにご迷惑をおかけした」と陳謝。 山田社長代行によると、事故機は01年購入。今年4月に自動車の車検に当たる「耐空検査」を実施し、5月と今月にも定期点検を実施したが、異常は見当たらなかったという。道路上への墜落については「トラブルがあれば、人がいない空き地を探すのがパイロットの責務。今回もパイロットがとっさに(道路への着陸を)判断したのではないか」と話した。【小林慎、曽根田和久】