「独・仏・露がイラク査察強化の宣言」を報じられると、眠っていた子 がむっくり起き上がったように、日本の各報道機関は、「世界では、とりわけブッシュ政権の先制武力攻撃に賛成している国々の世論でも、実は圧倒的に戦争反対の声や、行動が広がっている」 との報道をはじめています。
このこと、そのものは歓迎すべき事象だと思いますが、逆にいえば、「独・仏・露・中」がこのようなアメリカと真っ向から対立も辞さずという姿勢をはっきりさせなかったら、世界の世論は、日本では、未だにあまり大きく報道されなかったのではないかと心配してしまいます。
折りしも、開かれた党首討論の場で、小泉首相は、野党から、「独仏露の意見に
賛成か、YES or NOで答えよ」 と詰められて、 「YES/NOでいえないこともある」と答えるなど、ドイツのフィッシャー外相の言葉と比較するとなんともお恥ずかしい限りと、国会のニュースを見ていた国民は、嘆いた人が多かったのではないかと思われます。
前回、当サイトで、ヨーロッパ各国の世論をご紹介しましたが、政府の対応は別として下記の世論動向を見ても、正確な情報さえあれば、日本国民の多くは、世界に呼応し、平和で健全で知性的な判断をすることがわかります。
~マスコミによる世論調査/(2/11付・放送)~
イラク攻撃に反対は、70%以上
NHK 支持しない 68% 支持する 23%
共同通信 反対 78.7% 賛成 15.5%
日経 反対 69% 賛成 14%
こうした、反応をみますとメディアがもっと精力的に、世界の世論動向を伝えていれば、もっと早い反応が出たのではないかと感じる次第です。
本日、2月12日の朝日朝刊、御馴染み「天声人語」を以下に紹介いたします。
一介の航空評論家に過ぎない私が、ひとつ間違えれば、日本国全体は言うに及ばず航空利用者、旅行者に直接の危機が迫る問題と言うことから、あえて、コメントをさせていただいていたことでもあり、異論はないのですが、冒頭に述べたように、ヨーロッパの動向に関係なく、いち早く提起をして戴いていたら、その勇気にもっと感動をもって感じられたと思うのですが・・・。
2/12 付、2003 天声人語
いったい誰が戦争を望んでいるのか。よくよく考えていくと、タマネギの皮をむくように中身は小さくなるばかりだ。
北大西洋条約機構(NATO)の中核であるドイツとフランスがイラク攻撃に反対している。ロシアも反対である。英国をはじめ、イタリア、スペイン、旧東欧諸国などが米国を支持しているという。しかしそれは政府の次元で、各国の世論は必ずしもイラク攻撃に賛成ではない。
ドイツのフィッシャー外相がこう語ったそうだ。いまの私たちの民主主義は米国のおかげだ。その民主主義はこう教える。ある政策を選択するときには国民を説得しなければならない、と。ドイツの国民は圧倒的に戦争反対である。戦争回避の道が残されている以上、私は国民を戦争に向けて説得することはできない。
米国世論も決して一枚岩ではない。ブッシュ大統領を信頼するという人は、パウエル国務長官を信頼するという人の3分の1近くにすぎない。そんな世論調査結果が最近出た。このごろ強硬姿勢を見せるパウエル長官だが、米政権内では国際協調派の先頭に立つ。
軍の英雄たちがイラク攻撃に消極的な態度を示しもした。たとえば湾岸戦争時の指揮官シュワルツコフ将軍である。先月末、イラク攻撃について米紙のインタビューに答え、湾岸戦争時と現在とでは状況が違うと指摘した。「いまは白黒つけられるような事態ではない。どの道をとるにせよ慎重さが求められる」と。
皮をむいていって行き着く戦争推進派は相当限られる。さて小泉さん、あなたは何派ですか?
