8月10日以降の報道です

【読売】

黒幕のアル・カーイダ幹部、旅客機テロ計画主犯に指示
 【ロンドン=本間圭一】英国の旅客機爆破テロ計画事件で、国際テロ組織・アル・カーイダ幹部が計画に関与していた疑いが強いことが12日、明らかになった。 逮捕された容疑者の中で、主犯格のラシド・ラウフ容疑者は11日、アル・カーイダ工作員と確認されたが、ほかの容疑者もアル・カーイダの基地で訓練を受けていた可能性が強いことが判明、アル・カーイダが今回の事件のシナリオを書いた疑いが強まっている。 12日付の英各紙は、米国やパキスタンの情報機関の話として、計画の「黒幕」として、マティウ・レーマン氏(29)の存在を挙げた。レーマン氏は、アル・カーイダの「軍事司令官」で、パキスタンのムシャラフ大統領への暗殺未遂や米系施設への攻撃の容疑で指名手配を受けた。「軍事司令官」の地位は不明だが、アル・カーイダ幹部と見られ、アフガニスタンまたはパキスタンにある軍事訓練キャンプで、イスラム系英国人を指導し、活動家が居住する国外の銀行に送金する役割も担っていたとされる。米同時テロから5年にあたる今年9月をめどにテロを計画。爆発物製造の専門家で、ラウフ容疑者にも指示を与え、今回の事件の計画を立案したという。

 また、先月下旬にパキスタンの警察当局に拘束された別のアル・カーイダ幹部は、今回の事件で逮捕された容疑者を数人知っていると供述したことも判明。さらに、ロンドン東部ウォルサムストウ地区に居住する事件の容疑者が、アル・カーイダと関連するキャンプで恒常的に軍事訓練を受けていたと伝えられた。

 12日付の米紙ニューヨーク・タイムズも、米政府の当局者の話として、ラウフ容疑者が1990年代後半から、アル・カーイダのキャンプで訓練を受けていたと報じている。 昨年7月にロンドンで起こった同時テロ事件では、主犯格の容疑者2人が事件前、パキスタンに滞在し、アル・カーイダとの関係を指摘されたが、十分に解明できなかった。(2006年8月13日1時34分  読売新聞)

英旅客機テロ計画、爆発物は有機過酸化物か
 【ロンドン=渡辺覚】10日に摘発された英・旅客機テロ計画で、犯人グループが機内に持ち込もうとしてい
た爆発物は、昨年7月のロンドン同時爆破テロや中東の自爆テロなどで用いられた有機過酸化物である可能性が高いことが、12日明らかになった。英捜査当局は、家宅捜索で押収した化学物質の分析を急いでいる。 12日付の米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、英捜査当局の幹部が、旅客機テロ計画の爆発物は、有機過酸化物の一種である「トリアセトントリペルオキシド」(TATP)だったと明言した。また、同日付の英大衆紙サンは、英警察当局が、ロンドン東部の犯人宅で行った家宅捜索で、爆発物と見られる化学物質が入ったコーラのペットボトル数本を発見、押収したと報じている。 TATPは、「過酸化アセトン」とも呼ばれ、塩酸、硫酸、過酸化水素水など、入手がたやすい化学物質から合成できる物質。熱や炎による起爆が容易で、爆発の威力が強いことで知られている。

 英各紙の報道によると犯人グループは、合成前の原料を別のペットボトルに入れて機内に持ち込み、トイレで合成した上、使い切りカメラを用いて起爆させる計画だったと見られている。携帯電話や携帯音楽プレーヤーでの起爆を計画した可能性もあるという。 過酸化アセトンは、原料が入手しやすいことから、インターネットの普及とともに2000年以降、同物質を用いたと疑われる爆破テロが世界各国で頻発。昨年のロンドン同時爆破テロでも使用されたほか、イスラエルでのイスラム過激派による自爆テロでも用いられている。

(2006年8月13日1時43分  読売新聞)

英旅客機テロ計画、標的は7機…英紙報道
 【ロンドン=渡辺覚】12日付の英大衆紙デイリー・エクスプレスなどは、英捜査当局の情報として、旅客機
テロ計画で犯人グループが標的としていた航空機は計7機だった疑いが強いと報じた。 テロ計画が摘発された10日は、「3~10機が狙われた」とされていた。同紙などによると、逮捕された容疑者24人のうち、実行役は7人で、1人ずつ英国発米国行きの旅客機に乗り込み、大西洋上で自爆テロを実行する計画だった。他のメンバーは支援役だったという。 英捜査当局は12日現在も、標的となった航空会社や便数、便名について、公表を避けている。(2006年8月12日22時52分  読売新聞)

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