15日、事故調は、今回のトラブルの主因は「ボルトの脱落」と断定しました。「ボンバルディア社の製造欠陥か、メンテナンスの問題か、その両方なのか、今でも運航が続けられているボンバルディア機の安全性について、更なる究明が必要です。
全日空機胴体着陸 ボルト脱落で前脚下りず 事故調が断定
3月15日17時11分配信 毎日新聞全日空1603便(ボンバルディアDHC8-Q400型)の前脚が出ず高知空港に胴体着陸した事故で、前脚の格納ドアを開閉するアーム(連結器)部分のボルト1本(直径8ミリ、長さ4.5センチ)が脱落していたことが、14日の国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)の調べで分かった。このため、アームの正常な動きを阻み、ドアが開かなかったという。アーム周辺の構造は、ボンバルディア機特有で、ボルトが脱落した原因は不明。事故調は、構造上の欠陥かどうかについても、さらに詳しく調べる。
事故調の松尾真調査官が同省高知空港事務所で会見して明らかにした。松尾調査官によると、脱落したボルトは本来、左右に開閉するドアを動かすアームの関節部にあり、摩耗などを防ぐ管状の金属部品「ブッシング」(直径1センチ、長さ3センチ)に覆われている。しかしボルトなどの脱落で、ブッシングは本来の位置から約1センチ飛び出して、格納部内の部品を支える三角形の支持材にひっかかり、ドアが正常に動かなかったとみている。格納部からはボルトのほかナットなども見つかっていない。この日、格納ドアの前方に穴を開け、内視鏡で確認した。ブッシングを元に戻すと、ドアは正常に開閉できた。
アーム部分はアルミ製カバーで覆われており、松尾調査官は「通常は点検対象になっておらず、点検項目を見直す必要がある」と指摘。「(同型機のトラブルとしては)世界的にも報告がないケースではないか」としている。
ボンバルディア機では着陸時、操縦席のレバーを操作し、油圧装置に電気信号を与えて脚格納ドアを開け、前脚を下ろす。しかし、油圧装置の故障など非常時には、操縦席床下に設置されたハンドルを手動で引き上げることでドアを開ける。さらにハンドルを引っ張ると、脚が下りる仕組みだ。ボルトが脱落したアーム部分は、油圧や手動による操作をドアに伝える部分にあたる。
事故機は、胴体着陸を起こした13日の前は、11日に大阪(伊丹)空港-高知空港を往復。その際は、異常はなかった。13日に操縦した今里仁機長(36)らは事故調に対し、「伊丹を離陸し、前脚を格納した際には異常を感じなかった」と話しており、事故調は飛行中にブッシングがずれた可能性が高いとみているが、ボルトなどが脱落した時期は不明という。【
