~「大事に至らず」でほっとしますが・・・しかし~
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7月23日、羽田発徳島行き日本航空1439便エアバスA300型機(乗員乗客195人)が、与圧装置のトラブルで高度8200㍍から約5000㍍急降下し、徳島空港に緊急着陸しました。航空局によれば、客室内の気圧は高度約2000メートル相当から同約2900メートル相当に下がったが、排出弁を閉じたことで「急減圧」は避けられたということです。酸素マスクの落下/使用など「急減圧」の対応はなかった模様ですが、乗客186人のうち、子供3人が耳の痛みを訴えたということです。
この1439便は、午後6時50分初の予定でしたが、関東地方中心に起きた地震の影響などで7時31分に離陸出発しました。
~「臆病者といわれる勇気を持て」は、どこに・・。~
また、日本航空の発表によりますと、同機はスポットアウトから離陸までの間に、2つの与圧系統中1系統に不具合が見つかったということです。
しかし、1系統は正常だったため、そのまま離陸。しかし航行中にこの系統がトラブルを起こし、操縦室内で機内の気圧が下がったとの表示が点灯したため、徳島空港の管制官に緊急着陸を要請したということです。
大変、気になることは、
・「出発前に既に故障が発見されていた」ということ、
・にもかかわらず「出発する」という判断を下したことです。
仮に、ふたつある与圧装置のひとつに不具合があるとわかったら、「もうひとつが正常だから何とか行けるのでは・・。」という期待があっても、ここは、「勇気を持って」出発を遅らせてでも完全に整備するか、代替の飛行機を用意するなどの「決断」が必要だったのではないでしょうか。
今、JALの社内では社長を先頭に、全社を挙げて「安全こそ最大のサービス」をスローガンにして運航してゆくといわれているようです。
しかし、このトラブル続きの中で相変わらずの姿勢だと言われないよう、慎重な決断をしてもらいたかったと思ってしまいます。「安全に対しては、リップサービスだけ」と言われかねないからです。
加えて言えば「現場の機長、メカニック」が毅然とした「臆病者といわれる勇気」を持てる全社的風土が整えられているのだろうかということでもあります。
~航空局の指導は、これでいいのでしょうか!~
また、このトラブルに対して、国土交通省は24日、当然のことですが、同社に対して保有する同型の25機について同様の不具合がないか点検するよう指示、「重大インシデントにあたるものか」を調べるために調査官を派遣する、としました。
更に、同省航空局によりますと、同機は与圧装置のうち、外気を取り入れるバルブが2つとも故障したが、排出弁は正常に作動していた。 客室内の気圧は高度約2000メートル相当から同約2900メートル相当に下がったが、排出弁を閉じたことで急減圧は避けられたとも説明しました。これは、多分に「大事には至っていない」という風に聞こえてしまうもので、大事なポイント、「故障を抱えながら、出発させた責任」には残念ながら全く触れていませんでした。
いかに「定期点検」をしても、稼動している航空機に故障・トラブルはつきものです。そうした事態、「飛行間整備」の問題ですが、これに対応する国の基準「キャリーオーバースタンダード」などが甘くなってきたのではないかと追及されるのを避けているようにも感じてしまいます。
~利用者は、じっと見ている・・。~
これまで、MD81、87機のエンジン内ステイターの亀裂、ボンバルディア機の部品欠損問題など「ひとたび間違えば・・。」という整備上の問題、整備マニュアルの問題、基本的な整備規制にがからんだことに対しても、誰にも(利用者にも)わかる明快な指導が出てきたとは言い難いものがあります。
航空会社を問わずに「続出する」トラブルには、会社の風土さえ根底から変えねば止まらないものから、航空局の指導ひとつでマッチベターにできるものまでいろいろです。
私は、「尊い人命の犠牲」が出ないうちに、航空会社のみならず、国交省も、こうした点を改め、うやむやにして欲しくないと強く願うものです。 利用者からの信頼なくして「航空機の運航」は存在しないのです。
