~事故がなければ、わからなかった危ない輸送~
ヘリコプターや小型機は、一般的に「定期輸送」に使われていないことから、話題に上ることが少ない日常です。事故があって初めてその「実態」が公になります。
今回の事故については、その後の調べで、「乗客の座席が確保されていない」状況下で運航されていたことが判明しました。もし、事故がなければ、公になることもなく運航が繰り返されていた、あるいは繰り返される可能性を示唆しています。
現在では、テロ対策との関係であり得ないことですが、かつてJALでも、オーバーセールで満席になるとコックピット内にある「オブザーブ用のジャンプシート」にまで乗客を乗せていました。まあ、この場合は「座席」があるわけですから、ちょっとケースは違いますが、「いい加減」「異常」ということでは似ています。エアラインの場合は、機長や整備や客室乗務員が安全上の意見を提起しても、空港支店長の判断ひとつでかなり「無理」があることでも強行されてきたことを体験しています。
今回のケースは「座席を装着しない」ことが「ないほうが乗り降りしやすい」などという判断が優先されていました。ずさんさも極まっていると感じます。
~航空局では・・。~
ここのところ、救助に向った「自衛隊ヘリの墜落」、そして今回の事故と「回転翼機=ヘリコプター」の事故が相次いでいます。いずれも人身事故です。幹線を飛ぶ大エアライン、定期航空の問題の陰に、「小型機・ヘリコプター」などの安全管理がおろそかになってはいないかという点で航空局に問い合わせを致しました。
航空局航空保安部の官制本部管制課、技術部運航課、航空機安全課などの関係各課でした。
☆冬柴大臣のコメントでは、航空法違反とあるが、どの点が法違反と考えているのか?
・少なくとも3席を座席として装備していなかったという点は、航空法11条の耐空証明上の違反と考えている
☆たまたま事故があったことで、「違反」が発覚したが、こういう事態が日常的に行われている可能性があると思われる。今後、どのような措置をとるのか?
・立ち入り検査を行う。抜き打ちも考えている。
☆毎飛行のたびの飛行計画(フライト プラン)の提出時に定員と装備座席の確認はできないのか?
・定期航空レベルでは、フライトプランの「承認」はあるが、不定期の小型飛行機・回転翼機では「通報」を 受け取るだけとなっている。また、フライトプランでは、座席装備のことまで読み取れない。
また、「9km以内は飛行計画を通報する必要がない」という例外があり、今回のケースは、これに該当するもので「飛行計画」の「通報」の必要もなかった。
おおむね、以上のようなものでした。
~ローカル路線・小型機・ヘリコプター/などマイナーな輸送にも、「安全の灯」を~
ボンバルディア機の続発するトラブルにも、利用者が安心できる対応策も不明のまま運航は持続されています。小型機では、運航の現場が「チャーターした顧客の要望には、無理も聞かざるを得ない」という側面も報告されています。官民を問わず「ヘリ事故」は、「電線に引っかかる」「天候不良への判断ミス」などは多くの場合「操縦者のミス」と片付けられてしまっている感が否めません。
大量輸送の定期航空からローカル航空・コミューター、産業用の小型飛行機、ヘリコプターに至るまで、今一度「安全規制」の見直しを図る時期に来ているのではないでしょうか。
北ア墜落のヘリ会社、「航空法違反」で処分へ…国交相会見
4月13日11時31分配信 読売新聞富山県の北アルプス・水晶岳で「アカギヘリコプター」(前橋市)のヘリが墜落し、10人が死傷した事故で、冬柴国土交通相は13日、閣議後の記者会見で、同社が人数分の座席を装備せずに運航したことについて、「航空法違反があった」と述べ、同社に対して行政処分を行う考えを明らかにした。 冬柴国交相は「人の命を預かる公共交通機関でこういうことがあってはならず、厳しく処分をしなければならない」と語った。国交省東京航空局は週明けにも同社へ2度目の立ち入り検査を行い、運航状況などの事実関係を確認した上で、具体的な処分内容を検討する。 同局は12日の立ち入り検査で、事故機は2列目の3人用シートが取り外され、7人分の席しかなかったことや、シートの管理は機長に一任され、会社として把握していなかったことを確認した。
北アのヘリ墜落、死傷3人分の座席なし
4月11日15時25分配信 読売新聞富山県の北アルプス・水晶岳(2986メートル)で、「アカギヘリコプター」(前橋市)の10人乗りヘリが墜落し、2人が死亡、8人が重軽傷を負った事故で、10人のうち3人は座席ではなく、ヘリの床に座っていたことが、同社の聞き取り調査で分かった。 国土交通省航空機安全課は、「搭乗人数分の座席を用意していない場合、航空法に違反する可能性がある」としている。 この3人は、脳損傷で死亡した長野県松本市、建設会社員長屋修さん(49)と、重傷を負ったアカギヘリの男性社員2人。長屋さんらはシートベルトを締めずに乗っており、被害を拡大させた可能性もある。
同社によると、事故機は前列に操縦士と副操縦士の席、2列目に3席、最後列に5席の座席が装備できる。しかし、2列目は、外傷性ショックで死亡した奈良市、藤田哲也機長(52)の指示で、同社の東京基地を8日に出た際に装備しなかったという。乗っていた社員の1人は「2列目の座席が無い方が、乗り降りがスムーズにできると思った」と話しているという。
3人座席ないまま離陸=ベルト未装着、雲包まれバランス崩す-ヘリの整備士ら供述
4月11日11時31分配信 時事通信北アルプス水晶岳(富山市)のヘリコプター墜落事故で、事故機の座席が事故当時7席分しかなく、乗客乗員10人のうち死亡した1人を含む3人は座席に座らずに離陸していたことが11日、分かった。またヘリは水晶小屋からの離陸直後に雲に包まれ、バランスを崩して墜落したとみられ、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故原因を詳しく調べている。 事故機を運航したアカギヘリコプター(前橋市)が10日夕、ヘリに乗っていて負傷した同社整備士大城敦さん(37)と営業担当小川力皇さん(31)から搬送先の富山市内の病院で事情聴取し、明らかにした。
