「携帯電源切らず」!航空法違反で逮捕

~「乗客なら、何をしてもよい。」という神話も・・・~

下記の報道は、「2004年の航空法改正」・・・・安全阻害行為には、罰則も立法化した・・・・以来、初めての逮捕者ということで、テレビなどのメディアでも大きく取り上げられました。後ほど述べますが、直接、航空機の運航に障害が出ているにもかかわらず、「安易な機内での行動」は、「旅客になれば、何をしてもよい」という風潮の反映でもあります。マナーを含めて、絶え間なく起きていた「機内での暴力行為やセクハラ」にも、問題を投げかけるものとなりました。私も、いくつかの番組でコメントを致しました。

~なぜ、こんな事態が起きているのか~

Tbs_4

もともと、私が乗務をしていたころから、私の知る限りでも、「人前に出られないくらいの傷跡になるほど、殴られた」ケース(被害者は勿論CAです。)が3件あったことは記憶しています。被害者は、いずれも「訴えたい」との状況でしたが、会社からの圧力(お客のことだから、あまり大事にしないように)で、うやむやに終わっていました。

Tbs_12 私の当時の信条から言いますと、「他の旅客に迷惑をかける、不快な思いをさせる」旅客には、断固とした態度で接する、それが社会的にどんな立場にある方でも、どんな団体に所属していようとも、ことに徹してまいりました。

しかし、こうした立場は、社内で言えば、「マイナー」で、とにかく「へらへら」することが求められていたのは、歴史的事実でもあります。

こうした側面つまり「文句を言えばいうだけ、なんでも言うことを聞く」という風にエアラインから教育されてきた旅客気質の土壌が、いまだに色濃く残っている証明という風にも見ることができます。

成田が大雪の日のことでした。多くの便が欠航・遅延となりましたが、「判断の遅さ」からホテルの手配もできず、多くの旅客を、空港内サテライトで仮眠してもらう事態を呼びました。ある便の乗客から、集団的に厳しい文句を言われた空港スタッフは慌てて「現金」を用意し、確か一人当たり5万円を配ったものでした。ところが後に「遅延・欠航」した全便の旅客に「お詫びとして配った」のではなく、「強烈な文句」を言った便にだけ手当てをしていたことが判明し、顰蹙(ひんしゅく)を買いました。

まあ、言い出せば切りがないくらいですが、「土壌」とはこういうところです。

~「飛行機の乗り慣れ」~

国際線といえども、航空運賃は、ジャンボ機の出現以来、団体運賃の活用で格安となりました。国内線でもパック旅行や各種「割引」を使うと、一部利用者にとっては、「信じられない」ほどの低額で飛行機に乗ることもできるようになりました。(一部といいましたのは、正規運賃は、依然値上がりを続けています。従って急にビジネスで使う場合などは、高価な運賃で使わざるを得ません。)

話がそれ気味になりましたが、「航空機に乗り慣れてきた」ことが「安全」への認識をも薄れさせているといってもよいのではないでしょうか。

~知られていない「安全への実害」~

Tbs_13

電子機器が微弱といっても電波を発し、それが「航空機の機器」に障害を及ぼしている、実例などはあまり「積極的」に宣伝告知されてはいないような気がいたします。この原因は、「テロ」への予防ということが一義としてあるからと推定します。

とはいうものの、身近に増え続ける「電子機器群」です。再度以下に掲げて起きますが、少なくとも「トラブルや事故の原因を自らが発しない」ように留意したいものです。

Tbs_23 Tbs_25Tbs_28

航空法違反:携帯電源切らず、容疑で組員に逮捕状

 航空機の安全な運航に支障を及ぼす恐れがあるにもかかわらず、離陸前に携帯電話の電源を切らなかったとして、警視庁東京空港署が航空法違反容疑(安全阻害行為)で神奈川県内の暴力団組員の男(34)の逮捕状を取っていたことが分かった。
 調べでは、男は今年3月10日午後2時ごろ、羽田発宮崎行き全日空609便内で、機長が禁止命令書を出したに
もかかわらず、携帯電話の電源を切らなかった疑い。
 客室乗務員が再三注意したが、男は「自動的に電源が入る携帯だ。逮捕すればいいじゃないか」などと怒鳴り、指
示に従わなかった。滑走路に向かっていた同機は引き返して男を降ろし、約30分遅れで離陸したという。機内での安全阻害行為の禁止を盛り込んだ改正航空法(04年1月施行)後、初の逮捕となる。

[毎日新聞 ]2007年6月18日 東京朝刊

One thought on “「携帯電源切らず」!航空法違反で逮捕
  1. 逮捕後、機内で拍手が起きたかどうかはわかりませんが、迷惑な乗客をダラダラと説得したり、特例として放置してしまうような行為は、逆に他の乗客の安全性に対する信頼を損ねます。そんなことを意図してか意図せずしてか、全日空のクルーは法律にのっとり当然のことを当然のように処置したわけで、改正航空法の適用事例がニュースになって流れたことはいいことだと思います。
    安全な公共交通の構築から美しい国づくりまで、すべてはこのような小さな違反を許さない風土の醸成が欠かせないと考えているからです。
    (「壊れ窓理論」の経営学 マイケル・レヴィン/著 佐藤桂/訳 光文社 )
    Taxing中に席を立って荷物を取ろうとしていた乗客に遭遇しましたが、CAの毅然とした制止に当の乗客はもう子供を前にして自分の威信を保つのに精一杯で、子供の小さなカバンひとつだけ取りだして着座してましたね。"ヘラヘラ"では成立しない気持ちの良い場面でした。
    懸念しているのは、CAがベテラン1人に新人3人という構成だったり、またその3人が契約社員だった場合に、迅速にこのような処置がとれるかどうかです。
    「R1は自分のポジションで『あの乗客』は自分の責任。しかしL1には正社員のベテランCAがいる。契約の私がしゃしゃり出ていいのだろうか。そもそも声を上げてお客様に注意喚起する必要がある危険行為なのだろうか」
    コクピットとの連携も必要な場面で、ベテラン1人がすべてをこなせるか、他の3人はコクピットと正しいコミュニケーションが図れるか、など心もとない気分にさせられるのはCAの訓練の実際を見ていないからでしょうか?
    かつて総理大臣の秘書で政治評論家をされていた方が、離陸前にシートベルトの着用をかたくなに拒んで利用者を困らせた事象がありましたが、当時、社会的認知度も絶好調の中でのよっぽど全日空に恨みがあっての行為かなと思いました。
    もう日本の空を飛んでいない3発旅客機の受注をめぐる恨みです。

Comments are closed.