繰り返される危険な事態!着陸機の目前、JEX機が滑走路に進入 大阪伊丹空港で・・・。

またも、同じような危険な事態が起きています。

~NHKニュース報道への所感~

JEX(JAL Express)機が着陸後に滑走路を横断する際に、管制官からの指示と違う動きをしたことで、着陸機JAC機(JALグループのエアコミューター)が着陸を途中で取りやめ、ゴーアラウンドした、という状況です。

今日の19時に放映された「NHKニュース」では、全日空の元機長がコメントをされていました。この中で、驚いたのは、まず「よくあることですよ!」と日常茶飯事であるという見解を出されていることでした。

また、解決するには、「誘導路に視覚に訴える信号機」の設置しかない、と言う旨のコメントもされており、違和感を覚えるものがありました。

~「ミスのバックグラウンドに切り口を入れなければ、ヒューマンなエラーを最小に抑えることはできない。」と考えるのですが・・・。~

年々過密化する航空路、更に空港での管制業務も過密化し、一人の管制官が、多くの離陸着陸の航空機を誘導しなければなりません。パイロットがコンタクトを試みても相当待たされる事態もあります。私は、昨年、所沢の航空管制部を取材し、シュミレーションまで体験しましたが、本当に「緊張の連続」という実態です。その中で、レーダーの前で奮闘する「人員」が増えるどころか減らされている、局面もかいまみました。「霞ヶ関の高級官僚」の無駄遣いは延々と続く中で、神経を削りながら「乗客の生命線」を握る現場では、人が減らされてゆく、というまことにアンバランスな問題です。どちらも国家公務員です。

パイロット側をみてみますと、JALだけの問題ではなく、コスト削減の嵐の中で緊張感を持続できなくなるような乗務パターンを組まれたり、一日に3回以上の離着陸をこなさねばならないなどの事態が発生しています。パイロットの誇りもモチベーションも低下するような経営のありかた、またこれを指導監督する国交省の施策のあり方こそが、本質を糾すもんだいなのではないでしょうか。

特にJALもANAもグループとして同じブランドをしょっていても、労働条件は、子会社に行くほど悪化します。ANAではつい最近ストライキもで決行されています。都合のよいときは、「~グループ」として存在を誇示し、事故トラブルなどが起きると「あれは、子会社であって本体ではない」というような態度をとるのも特徴です。

大きな飛行機・新しい飛行機・小さな飛行機・旧型の飛行機という差別なく満遍なく安全が徹底されねば、「ブランド」とはいえないのではないでしょうか。

このような「背景」のことを考えると、商業的でないという点で信頼されている報道機関である「NHK」の姿勢としては、物足りなさを感じました。

運輸安全委員会は「重大インシデント」として、調査するということですが「よくあることだ」と「NHKで元機長から、言い放たれて」どのように問題を解析するのか、その後の見解を待ちたいと思います。

<大阪空港>着陸機の目前、JEX機が滑走路に進入
               7月23日13時38分配信 毎日新聞

 23日午前9時10分ごろ、大阪・伊丹空港で、鹿児島発の日本エアコミューター(JAC)2400便(DHC8-400型機、乗員乗客52人)がA滑走路に着陸しようとした際、既に着陸し駐機場に向かっていた仙台発ジャルエクスプレス(JEX)2200便(MD81型機、乗員乗客74人)がA滑走路を横切った。JAC機は管制官の指示で着陸をやり直した。けが人などはなかった。国土交通省の運輸安全委員会は重大トラブルとして、航空事故調査官3人を派遣し原因を調べている。 国交省によると、JEX機は午前9時10分ごろ、伊丹空港B滑走路に着陸。飛行場管制官は誘導路を経て「A滑走路手前待機」を指示するとともに、A滑走路にJAC機が進入中と伝えた。これに対しJEX機は「A滑走路横断」と応答し同11分、停止線を越えてA滑走路に進入したため、管制官がJAC機に着陸やり直しを指示した。JAC機は滑走路から約4キロの地点で、着陸約2分前だった。

 伊丹空港は、B滑走路に着陸した機体が駐機場に向かうには、A滑走路を横断しなければならない構造になっている。3月にも全日空機が管制官の許可なく滑走路に入るなど、離着陸時のトラブルは07年9月以降、今回で5件目で、国交省は誤進入防止のための灯火システム導入を予定している。春田謙事務次官は23日の定例会見で「手間がかかっても、(操縦士の)復唱の徹底などを考えないといけない」と述べ、対策を指示したことを明らかにした。 JEXは日本航空グループ。日航の西松遥社長は23日の定例会見で「このような事態はあってはならない。心よりおわび申し上げたい」と陳謝した。【平井桂月】

2 thoughts on “繰り返される危険な事態!着陸機の目前、JEX機が滑走路に進入 大阪伊丹空港で・・・。
  1. 滑走路での管制官との交信は、機長、副操縦士2名で聞き必ず復唱し、管制官も確認しているはずであるが、「よくあること」にはあきれる。
    空港の事故はこのような形では起きてもらいたくないものです。

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